2026/02/17
犬が目を合わせてくれないと、「嫌われているのかな?」と心配になりますよね。
名前を呼んでもプイッと目をそらされたり、撫でていても目を合わせてくれないときは、寂しい気持ちになるのではないでしょうか。
筆者も犬と暮らしているので、その気持ちはよくわかります。
しかし、実際には犬が目を合わせない理由は、必ずしも悪い意味とは限りません。
もちろん、まれに体調不良や強いストレスが理由となっていることもあるため、見極めは大切ですが、多くは自然なコミュニケーションのひとつです。
そこには、犬なりの気持ちが込められており、接し方さえ配慮してあげれば深く心配する必要はありません。
そこでこの記事では、犬が目を合わせない5つの理由と気をつけたいポイント、正しい接し方について解説します。
犬の気持ちを正しく理解することで、より良い関係を築くことに役立つでしょう。
目次
犬が目を合わせないのは「嫌われた」から?まず安心してOK
結論から言ってしまうと、犬が目を合わせないのは嫌われているからではないので安心してください。
犬にとって、目を合わせないという行動は珍しいことではなく、日常的に見られる自然な反応です。
そうはいっても、やっぱり寂しい気持ちにはなりますね。
とはいえ、関係性が悪いからとか、信頼されてないからとか、目を合わせないこと自体が関係性を意味するものではありません。
人間でも、見つめられると少し視線を外したくなることがありますよね。
犬も同じように、目をそらすことがあるのです。
犬が目を合わせない理由5選①緊張・不安
犬は見つめられて緊張や不安を感じると、目をそらすことがあります。
わかりやすい例で言うと、叱られたときに目を合わせなくなったりすることがあるのではないでしょうか。
また、動物病院に行ったときなども、目をそらしますよね。
これは、緊張や不安を感じて、自分を落ち着かせようとしている自然な反応です。
この場合、耳が後ろに倒れていたり、顔や体がこわばる、あくびをする、尻尾が元気なく下がっているという様子も同時に見られることがあります。
無理に目を合わせようとするとかえって緊張を強めてしまうため、そっと見守ってあげることが大切です。
(参考文献:Eye Contact Is Crucial for Referential Communication in Pet Dogs)
犬が目を合わせない理由5選②興奮を抑えるためのカーミングシグナル
犬が目を合わせないのは、興奮を抑えるためのカーミングシグナルのひとつということもあります。
カーミングシグナルとは、自分や相手を落ち着かせるための行動のことです。
たとえば、遊びが盛り上がりすぎてテンションが高いときなどに視線を外すのは、気持ちをクールダウンさせようとしています。
同時に、相手に対して「落ち着こう」「あまり刺激しないで」という合図です。
もちろん、カーミングシグナルは興奮だけに見られるものではなく、争いごとを避けたいときや、不快に感じているときにも見られるため、状況を見て判断してあげましょう。
犬が目を合わせない理由5選③見つめられるとプレッシャー
犬は真正面からじっと見つめられると、プレッシャーを感じることがあります。
犬同士のコミュニケーションでは、目を合わせ続けることは威嚇や警戒、敵意といった強い意思表示になるからです。
特に人間が急に顔を近づけたり、上から覆いかぶさるように見下ろしたりすると、犬は「攻撃されるかもしれない」と圧を感じてしまうことも少なくありません。
犬はもともと、不要な対立や争いを避ける動物なので、目をそらすことで「敵意はありません」「争うつもりはありません」と伝えているのです。
(参考文献:Dogs’ gaze following is tuned to human communicative signals)
犬が目を合わせない理由5選④周りの環境が気になっている
が目を合わせないのではなく、単純に周りの環境が気になって意識がそちらに集中しているということもあります。
犬は人間よりも嗅覚や聴覚が優れており、人間にはわからない音やニオイにも敏感に反応します。
特に犬は自分や仲間の安全を守ろうとする本能が働くため、周囲の音や動きに集中してしまうことも少なくありません。
特に好奇心旺盛な犬や感覚が鋭敏な犬は、情報収集を優先してしまいがちです。
このような場合は、問題ないと判断できたり、周りの環境が落ち着くと、自然と犬の視線も戻るでしょう。
(参考文献:Eye Tracking in Dogs: Achievements and Challenges)
犬が目を合わせない理由5選⑤困っている
犬が目を合わせないのは、どうしたらいいか分からずに困っているからかもしれません。
複雑なコマンドを指示されたり、飼い主さんの機嫌が悪そうなときなど、犬は目をそらしてやりすごそうとすることがあります。
また、イタズラをして時間が経ってから叱られたとき、犬が知らないフリをすることってありませんか?
犬はイタズラしたその場で叱られなければ、なぜ叱られているのかが結びつかず、戸惑ってしまいます。
犬は、状況が理解できないと、どう反応すればいいか分かりません。
そのため、目をそらすという行動で、その場をやり過ごそうとするのです。
犬が目を合わせないときに気を付けたい点
犬が目を合わせない理由はさまざまですが、どんな理由であっても犬の負担をそれ以上増やさないように、気を付けてあげたいことがあります。
ここでは、ついやりがちな3つのポイントについて見ていきましょう。
無理に目を合わせさせない
無理に目を合わせさせないようにしましょう。
見てくれないからと、犬のあごを持ち上げたり、顔を固定して目を合わせさせようとする行為は、犬にとってストレスになることがあります。
また、無理強いしてしまうと、信頼関係を損なうことにもつながりかねません。
目を合わせてくれるかどうかは、犬の意思を尊重してあげることが大切です。
叱って「見させる」を目標にしない
犬が目を合わせないことを、叱ることは間違いです。
「こっちを見なさい!」と叱っても、犬は叱られることに緊張や不安を感じ、さらに目をそらすようになります。
叱って「見させる」を目標にするのは逆効果でしかないため、自然と見てくれるようになるまで待ちましょう。
追いかけない・近づきすぎない
犬が目を合わせないからといって、追いかけたり無理に近づいたりしないようにしましょう。
犬が目をそらして距離を取ろうとしているときに追いかけたり近づいても、さらに目を合わせてくれなくなるでしょう。
自分から距離を縮めるのではなく、犬のペースに合わせて落ち着いて見守ることが大切です。
正しい接し方:犬が安心して目を合わせられる土台づくり
犬に目を合わせてもらうためには、犬が安心できる環境や接し方が大切です。
ここでは、犬との接し方について、もう一度見直してみましょう。
距離感の作り方(横向き・しゃがむ・視線を外す)
犬と向き合うときは、真正面から向き合うのではなく、少し体を斜めにする「半身」の姿勢を意識することが大切です。
また、立ったまま見下ろすのではなく、犬と同じ目線までしゃがむことで圧を与えにくくなります。
こちらから目をそらし、安心できる状態を作ってあげることで、犬のほうから目を合わせてくれるようになるでしょう。
環境調整
犬に安心して過ごしてもらうためには、生活している環境を整えてあげることも大切です。
人の出入りが多い場所や外の物音が聞こえやすい場所に寝床があると、犬は落ち着いて過ごすことができません。
また、テレビの音が大きすぎないかなどにも配慮して、余計な刺激を与えないようにしてあげましょう。
触りすぎ・話しかけすぎを減らす
愛犬が可愛いからと、触りすぎたり話しかけすぎたりしていませんか?
適度なコミュニケーションは大切ですが、過剰に構いすぎると犬のストレスになり、目を合わせてもらえない原因になることがあります。
特に寝ているときに触って起こしてしまったりすると、犬は安心して休むことができません。愛犬が落ち着いて過ごせる時間を作ってあげることも大切です。
「犬 目を合わせない」に関するよくある質問
Q1.犬が目を合わせないのは嫌われてる?
嫌われているわけではありません。言葉を話すことができない犬にとって、視線はコミュニケーション手段のひとつです。あえて目をそらすことで衝突を避けたり、穏やかな関係を保とうとしたり、その場の空気を和らげたりしていることが多いため、目が合わないことだけで嫌われているかどうかを判断する必要はありません。ただし、焦って強制的に目を合わせようとすると信頼関係を損ねてしまうこともあるため、注意しましょう。
Q2.目をそらすのは服従?それとも威嚇?
犬の目をそらす行動が威嚇であることはほとんどなく、だからといって服従とも言い切れません。犬は相手との関係やその場の状況に応じて視線を調整しますが、同じ「目を合わせない」という行動でも、落ち着いているときと緊張しているときでは、意味は全く異なります。そのため、視線だけで意味を決めつけず、体の緊張や表情、耳やしっぽの動きなど、ほかの様子とあわせて読み取ることが大切です。
Q3.目を合わせないのが続くとき、いつ病院に行くべき?
目をそらす行動が急に増え、同時に元気がない、食欲が落ちている、触られるのを嫌がるなどの変化が見られる場合は、体調不良の可能性も考えられます。こうした症状がある場合は、早めに動物病院を受診してください。とはいえ、症状が分かりにくい病気もあるため、不安なことがあれば獣医師に相談することをおすすめします。また、目そのものに異常がある場合も、目を合わせなくなるため注意が必要です。
【まとめ】目を合わせないのは「嫌い」ではなく、仲良くなりたい健気なサインであることが多い
犬が目を合わせないのは、不安や緊張、困惑、自分や相手を落ち着かせるためなどさまざまな理由があります。
しかし、その多くは、相手が嫌いだからというわけではなく、その場を穏やかな雰囲気に保とうという健気な行動です。
そう考えると、「嫌われているのかも?」と心配していた飼い主さんも、安心できたのではないでしょうか。
犬は言葉を話すことができないからこそ、さまざまな方法でコミュニケーションを取ろうとしています。
犬なりに関係を大切にしようとしてくれているからこそ、私たちも正しい接し方をしてあげたいものですね。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム