【獣医師監修】アルビノ犬猫の寿命は?なぜ生まれるのか気をつけるべき点について解説

      2026/04/13

アルビノとは、「メラニン」とよばれる色素の合成に関わる遺伝子の異常により、体内でメラニン色素が作られないことを指します。

犬や猫においても、稀ではあるもののアルビノは存在するといわれており、その白い被毛や瞳の色から、

「アルビノの犬や猫の寿命は短いのでは?」

「もともと病気があるのでは?」

「さまざまな刺激に弱いのでは?」

といった情報が多く出回っています。

実は、アルビノの犬や猫であっても、適切なケアをすれば健康に過ごすことができます。

本記事では、アルビノの犬や猫が生まれる理由やその特徴、寿命に対する考え方などを、現役獣医師の意見をもとにわかりやすく解説します。

最後までお読みいただき、アルビノについて正しい理解を深めましょう。

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犬猫ペットのお薬通販輸入代行うさパラのコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。 薬剤師 ・獣医師が在籍。

【結論】アルビノ遺伝子自体が直接死を招くわけではない

上述の通り、アルビノはあくまで「体内でメラニン色素が作られない」だけであり、遺伝子の異常そのものが寿命を縮めたり、直接的な死因になったりすることはないといわれています。

しかし、メラニン色素はもともと、紫外線から皮膚や細胞を守る役割を担っています。

そのため、メラニン色素が作られない場合は、皮膚腫瘍のリスクが増加したり、視覚に影響を及ぼしたりする可能性があります。

そのような関連性が、「アルビノの犬や猫は寿命が短いのでは?」という情報の元となっているようです。

(参考文献:Understanding Albino Dogs: Care for Special Canines | petscare.com

適切な医療とケアがあれば、一般的な犬猫と同じくらい長生きが可能

メラニン色素による防御機能を持たないアルビノの犬や猫は、紫外線によるダメージへのケアが必要です。

具体的には、

  • 日差しの強い時間帯の外出を控える
  • 専用のウェアやサングラスなどで皮膚や目を保護する
  • 屋外では必ず日陰を歩く
  • サマーカットを避ける
  • 目のサプリメントを使用する

といった方法が挙げられます。

また、定期的に動物病院を受診し、視診や詳細な眼科検診を受けることで、皮膚や目の異常を早期に発見することができます

そうすることで、一般的な犬や猫と同じくらいの寿命を全うすることができるといわれています。

(参考文献:Albino Dogs: Interesting Facts You Should Know | PetMD

アルビノはなぜ生まれるのか

そもそも、アルビノの犬や猫はどのように生まれてくるのでしょうか?

アルビノは主にSLC45a2遺伝子やチロシナーゼ遺伝子と呼ばれる特定の変異によって起こります。

アルビノの遺伝子は劣性遺伝であるため、アルビノが生まれてくるには、両親が共にアルビノの遺伝子を持っている必要があります。

また、健康上の問題が懸念されることから、多くのブリーダーでアルビノの繁殖を避ける傾向が見られています。

そのため、アルビノが生まれてくることはとても珍しいといわれており、実際に私自身も、これまでアルビノの犬や猫を診察する機会はありませんでした。

(参考文献:Can Dogs be Albino? Causes, Health Issues, and Living with an Albino Dog | akc.org

アルビノ=メラニン(色素)を作れない(作りにくい体質)

このようにして生まれてきたアルビノの犬や猫では、メラニン色素を作る遺伝子が正しく機能しないために、本来色素が沈着すべき部分が白く見えるようになります。

つまり、「アルビノ=病気」ということではなく、あくまでアルビノ=メラニン色素が作られない体質だということを理解しましょう。

アルビノ犬猫の寿命の伸ばし方

では、アルビノの犬や猫において、一般的な犬や猫と同じ寿命を全うするには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか?

まずは、前述の通り、極力紫外線に当たらないように工夫をしてあげましょう。

次に、定期的に動物病院を受診し、検診を受けましょう。

人間では、アルビノによる症状は乳幼児から起きるといわれています。

犬や猫での具体的な年齢は報告されていませんが、同様に子犬の頃から症状が現れる可能性があります。

そのため、アルビノが疑われる場合は年齢を問わず定期的に検診を受け、病気の早期発見・早期治療を行うことが、寿命を全うするうえでとても重要です。

アルビノと白変種(リューシ)との見分け方

ここまでは、アルビノが生まれる理由や寿命に対する考え方を解説しました。

一方、アルビノと外見が似ている「白変種」という犬や猫もいます。

こちらはアルビノとは異なり、被毛は白くてもメラニン色素を作ることができるため、体に色素が見られます。

しかし、アルビノの犬や猫では、完全に色素が欠如するため、被毛以外でも色素が見られないという特徴があります。

両者を見分ける具体的なポイントとしては、

  • 皮膚
  • 肉球

といった部分に色素がないかどうかが挙げられます。

そのような部位に色素が認められた場合は、白変種であると考えられます。

(参考文献:Lhasa Apso Albinism (LAA) | Veterinary Genetics Laboratory | vgl.ucdavis.edu

アルビノの特徴

では、アルビノの犬や猫にはどのような特徴があるのでしょうか?

まず、犬種においては、

  • ドーベルマン・ピンシャー
  • パグ
  • ペキニーズ
  • ラサ・アプソ
  • ポメラニアン
  • ダックスフント

といった種類で、アルビノの犬が他の犬種よりも多く見られる傾向があります。

また、猫においてはシャム猫で報告があるものの、犬と同様に非常に稀です。

私自身も、いまだにアルビノの猫の診察は行ったことがありません。

さらに、外見においては、

  • 純白~ややオフホワイトの被毛
  • ピンク色の皮膚、鼻、肉球
  • 淡いブルーやピンク色の目

といった特徴が挙げられます。

(参考文献:Albino | Veterinary Genetics Laboratory | vgl.ucdavis.edu

「アルビノ犬猫の寿命」に関するよくある質問

Q1.アルビノの犬猫は日向ぼっこや散歩は絶対ダメ?

上述の通り、メラニン色素は紫外線から皮膚や細胞を守るはたらきがあります。

アルビノではその色素が欠如するため、紫外線による健康への影響を受けやすいといわれています。

完全に禁止する必要はありませんが、基本的には長時間の日向ぼっこは避けるべきです。

散歩に関しても、早朝や夕方のタイミングで、日陰中心の行動がおすすめです。

そのような丁寧なケアが、一般的な犬や猫と同じ寿命を全うするうえで重要なポイントとなります。

Q2.白い犬猫は全部アルビノですか?

被毛が白い犬や猫は、その外見からアルビノであると思われがちです。

しかし、すべての白い犬や猫がアルビノということではありません。

上述の通り、アルビノ自体は非常に珍しく、被毛が白い犬や猫のほとんどはリューシや白毛の品種である可能性が高いです。

また、目や鼻、肉球などの色素を確認することで、アルビノかどうかある程度見分けることができます。

Q3.アルビノかどう確定する方法は?

上述の通り、アルビノかどうかは外見からある程度推測することができます。

被毛が白い犬や猫のほとんどはリューシや白毛の品種である可能性が高いですが、正確には遺伝子検査や獣医師の診断が必要です。

日本における現状として、遺伝子検査に関してはあまり広く行われておらず、血統書からの判断も難しいようです。

愛犬、愛猫がアルビノではないか心配な場合は、一度かかりつけの動物病院で相談しましょう。

(参考文献:Albino | Veterinary Genetics Laboratory | vgl.ucdavis.edu

【まとめ】正しい理解とケアで、アルビノの犬猫も幸せな長寿を目指せ

今回は、アルビノの犬や猫が生まれる理由やその特徴、寿命、ケア方法などについて解説しました。

「アルビノ」と聞くと、さまざまな異常や病気を思い浮かべてしまいます。

しかし、アルビノは病気ではなく体質の一つです。

寿命が短い、病気になりやすいと決めつける必要はなく、適切な環境とケアがあれば健康に長生きすることができます。

正しい知識を持ち、個性として受け入れることが、アルビノの犬や猫との幸せな暮らしにつながります。

今回の記事を参考に、もしアルビノが疑われる場合は、まずはかかりつけの獣医師に相談しましょう。

アルビノの可能性が高い場合は、定期的な受診や適切なケアを行い、愛犬・愛猫の健康をサポートしてあげましょう。

監修者コメント
監修者の写真

アルビノの犬や猫は非常に珍しく、私自身もいまだ診察を行ったことはありません。 そのため、特別な存在に思えてしまいますが、必要以上に怖がる必要はありません。 大切なのは、その特徴を理解し、紫外線から皮膚や目のケアを習慣化することです。 そういった日々の小さな配慮が、愛犬・愛猫の健康寿命を大きく左右します。 本記事を参考に、アルビノに対する正しい知識を持つことで、アルビノの犬や猫は十分に幸せな一生を送ることができるでしょう。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

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