
トイプードルのお迎えを考えている人や、子犬と暮らす飼い主さんのなかには、「成犬になったらどのくらいの大きさになるの?」と気になっている人もいるでしょう。
筆者もさまざまな犬種の愛犬たちと暮らしていますが、子犬の頃に成犬時の大きさがどれくらいになるかは予測ができず、長く使用するグッズを買うときに悩んだことがありました。
ある程度の大きさの目安が分かれば、成長後も使えるグッズを選ぶなど、先を見越した準備もしやすくなりますね。
トイプードルは小さな犬というイメージが強い一方で、成犬時の体格は個体差が大きい犬種です。そのため、トイプードルとは思えない大きさに成長する子も珍しくありません。
そこでこの記事では、トイプードルのなかで大きくなる子の特徴や、実際に大きく育った「デカプー」の飼い主さんへのインタビューをご紹介します。
- トイプードルが大きく育つかを見る参考ポイント
- 体重だけで大きさや肥満を判断しない考え方
- デカプー飼い主が感じた暮らしのリアル
【執筆】なっきー(ペット専門家・ライター)
ペットケアライター。犬猫に関する資格を多数保有するほか、海外のペット関連講座も複数修了。犬猫に関する記事の執筆・監修、ペット用品の商品開発アドバイスなどに携わる。現在も複数の愛犬と暮らしている。
目次
【結論】トイプードルが大きくなるかは確実には分からない。でも、参考になる特徴はある
結論から言うと、トイプードルが成犬時にどのくらいの大きさになるかを、子犬の段階で正確に判断することはできません。
犬の成長には、遺伝や体質などさまざまな要素が関係するため、同じような体重の子犬でも、成犬時の大きさは異なります。
そうはいっても、トイプードルの成犬時の大きさを考える際に参考にできる特徴がないわけではありません。あくまで目安ではありますが、子犬選びや成長後の大きさを考える材料にはなるでしょう。
トイプードルの「大きい」は体重だけで判断しない
トイプードルのなかでも大きくなる子の特徴を見る前に、「大きい」の基準を知っておきましょう。
一般的に、トイプードルの成犬時の平均体重は2〜4kg程度ですが、そもそも、トイプードルが「大きい」かどうかは、体重だけで決まるものではありません。同じ体重でも、骨格や筋肉のつき方によって適正な体型は異なります。
実際、FCI(国際畜犬連盟)の犬種標準でも、現在はプードルのサイズは体重ではなく体高によって区分されるようになりました。とはいえ、犬種としてのサイズ区分と、その子にとって健康的な体型かどうかは別の問題です。
トイプードルの大きさを考えるときは、体重だけで判断しないようにしましょう。
①トイプードルのサイズは体高の目安も参考にする
トイプードルのサイズは体高の目安も参考にしましょう。
体高とは、犬を4つ足で立たせたときの、地面から背中の最も高い位置までの高さを指します。
犬種標準によるプードルのサイズ区分は以下の通りです。
犬種標準によるプードルのサイズ区分
- トイ:24cm超(-1cmの許容)~28cm以下、理想体高25cm
- ミニチュア:28cm超~35cm以下
- ミディアム:35cm超~45cm以下
- スタンダード:45cm超~60cm以下(+2cmの許容)
ただし、子犬は親犬の登録区分などをもとにトイプードルとして登録されるため、成長後の体高が犬種標準の範囲を超えることもあります。
(参考文献:CANICHE(Poodle)|FCI)
②体重が重くても肥満とは限らない
前述のように、トイプードルの成犬時の平均体重は2〜4kg程度です。しかし、これはあくまでも目安であり、この体重より重くても肥満とは限りません。
トイプードルによっては、もともと骨格がしっかりしている子や筋肉量が多い子もおり、健康的な体型でもこの目安を超えることはあります。
そのため、体重が重いというだけで太っていると判断することはできません。
肥満かどうかを確認するときは、肋骨への触れやすさや腰のくびれなどを見る「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」を参考にしましょう。
(参考文献:Body-Condition-Score|WSAVA)
トイプードルが将来大きくなるかを見るときの参考ポイント
トイプードルのなかでも、大きくなる子の特徴にはいくつかの傾向があると言われています。もちろん、その特徴だけで成犬時の大きさを判断することはできません。
とはいえ、どのような点を参考にすればいいか知っておくことで、子犬を迎えるときや成長を見守るときのひとつの目安にはできるでしょう。
ただし、すべての子犬に当てはまるわけではなく、「この特徴があるから大きくなる」と決めつけないことが大切です。
ここでは、トイプードルが大きくなるかを見るときの参考ポイントを見ていきましょう。
①親犬や家系に大きめの子がいる
犬の体の大きさには遺伝が関係しているため、親犬や祖父母、きょうだい犬に大きめの子がいるかどうかは参考にできます。
ブリーダーから迎える場合は、父犬・母犬の体重や体高だけでなく、過去に同じ組み合わせから生まれた子の成犬時の大きさも聞いてみることをおすすめします。
また、ペットショップでは詳しい家系情報が分からないこともありますが、親犬の体重や体高が記載された資料がないか、スタッフに確認してみましょう。
(参考文献:Heritability and genetic trend of body weight in dogs of different breeds in Sweden|J Anim Sci)
②子犬期から骨格や胴回りがしっかりしている
同じ月齢のトイプードルと比べて、足の骨が太い、胸郭や胴回りがしっかりしているなどは、大きくなる子の特徴として挙げられることがあります。
とはいえ、こうした見た目の特徴が必ずしも大きくなる子に当てはまるわけではなく、あくまでも一般論です。
成長の進み方には個体差があり、同じ月齢でも体つきが異なることは珍しくありません。
また、体つきは成長とともに変化するため、その時点の骨格から成犬時の大きさを予測することはできません。
③手足や肉球が大きく見えることがある
手足や肉球が大きく見えることも、トイプードルの大きくなる子の特徴としてよく言われます。
子犬の体に対して手足が大きく見えると、「これから体も大きくなりそう」と思いますよね。しかし、こちらもあくまで一般論で、必ずしも大きくなるとは限りません。
子犬期は体全体のバランスも変わるため、手足や肉球の大きさも参考のひとつとして考えましょう。
④生後数ヶ月の体重増加ペースが早い
生後数ヶ月の体重増加ペースが早いトイプードルは、成犬時も大きくなるという説もあります。
成長期の早い段階から体重が大きく増えていると、骨格や体全体の発達も早いように思えるからでしょう。
ただし、これを裏付ける明確な根拠があるわけではなく、一般的に言われている傾向のひとつです。
子犬の成長速度には個体差があり、成長が落ち着く1歳前後までは、最終的にどのくらいの大きさになるか判断できません。
大きくなりそうな特徴があっても成犬時のサイズは断定できない
トイプードルの子犬に大きくなりそうな特徴が見られると、「平均より大きく育つかもしれない」と考えてしまいがちです。
しかし、これまでご紹介した大きくなる子の特徴が複数当てはまったとしても、成犬時のサイズを断定することはできません。
これらの特徴は、あくまでも一般的に言われている傾向や、成長を見守るうえで得られる情報のひとつです。
また、小さく育つと予想されていた子が、予想以上に大きく成長することもあります。
子犬の時点で将来のサイズを決めつけず、実際の成長を見守ることが大切です。
①子犬期の見た目は成長とともに変わる
トイプードルで行われた研究では、生後約3ヶ月で成犬時の体重の約50%に達し、その後は成長のペースが徐々に緩やかになり、成犬時の体重に達するのは生後8~12ヶ月頃と報告されています。
そのため、生後数ヶ月の頃と成長後では、体高や胴体の長さ、全体のバランスが変わり、体の大きさの見え方も異なります。
②小さく育てるために食事を減らすのは避ける
「体を大きくさせないためには、食事量を減らせばいい」といった誤った情報もありますが、体を小さく保とうとして、子犬に必要な食事量を減らすことはやめてください。
成長に必要な栄養が不足することで、骨や筋肉、臓器などの正常な発達を妨げる原因になります。
そもそも成犬時の大きさは遺伝である程度決まっているため、食事量を減らしたところで小さく育つというものでもありません。
③大きい体格と太りすぎは分けて考える
骨格がしっかりしたトイプードルは、見た目に大きく感じられますが、太りすぎとは分けて考えることが大切です。
犬種の一般的なサイズを超えていても、その子にとって健康的な体格であれば問題ありません。
「トイプードルなのに大きい」と否定的に捉えず、個性のひとつとして受け止めましょう。
デカプー飼い主に聞く、大きく育った子のリアル
実際のところ、大きく育ったトイプードルとの暮らしはどうなのでしょうか。10kgと4.5kgのトイプードルの飼い主・ハナさんに飼い始めた頃のことや、どのように子犬から「デカプー」へと成長していったか、お話をうかがいました。

子犬の頃から足の長いトイプードルだった
―― 最初にゴメスを迎えたんですよね。何か月の時ですか?
ハナ:生後半年くらいです。当時は体重4.8kgで、今思うとすでにトイプードルの体重ではありませんね。まだまだ子犬でしたが、売れ残っていたので店員さんも「この子はこれ以上大きくなりません」とセールストークしていました。
さらに、こちらから聞いてないのに「この子は足が長め(大きくなる兆候とされている)だけど、もう止まると思います」と重ねていたので、店員さんも売れ残りを気にかけていたんでしょうね。実際に、顔はあどけないのに足がとても長くて印象的な子でした。
そのあと、6歳過ぎには10kg、体高37cmになったので、倍以上の大きさになりました。

―― 本当にトイプードルなんですか?
ハナ:はい、ゴメスもケビンも血統書にはしっかりとトイプードルと書いてあります。ゴメスの後に迎えたケビンは生後半年・3kgだったので、ゴメスと比べるととても小さく頼りなく見えて、心配することが多かったです。
去勢手術のときも、大きなゴメスの時には感じなかった不安があり、獣医さんに「こんなに小さなケビンが手術に耐えられるでしょうか?」と聞いたら、「たしかにゴメスに比べると小さいですが、ケビンも学校のクラスの背の順では、真ん中より後ろの大きさなので大丈夫です」と言われました。ケビンも3歳の時には4.5kg、体高30cmの現在の大きさになりました。
食べる量と大きさは関係ないと感じる
―― ゴメスもケビンも、筋肉質で立派な体格だけれど太っていないですね。
ハナ:最近は適正体重ギリギリですが、太ったことはありません。そこまで肥満に気を使っているわけでもなく、フードは一般的な量で、トッピングに合わせて調整しているくらいです。子犬の頃から「もっとくれ」とねだられたことはあまりなくて、うちの場合は食べる量と大きさにはあまり関係がないと感じます。
デカプーならではの悩み
―― デカプーと暮らすのは大変ですか?
ハナ:小型犬だと思って飼い始めているので、想定との乖離はあります。単純に体重だけでも、2~3kgの犬を抱くのと10kgの犬を抱えるのは体力の消耗が違います。
また、ゴメスの10kgという大きさは、実はとても中途半端ですね。服を買うにも、小型犬用はもちろん入らないので中型犬用を見るのですが、中型犬用は13kg~14kg想定が中心なので、サイズが合いません。
新幹線も、本来であればトイプードルはキャリーバッグに入れて乗車できるのですが、キャリーケースを含めて10kgと定められているので、ゴメスは乗れないですね。
※編集部注釈:JR東日本では、小犬や猫などを持ち込む場合、動物専用ケースの3辺合計が120cm以内、ケースと動物を合わせた重さが10kg以内などの条件があります。
(参考:手回り品:JR東日本)
―― ゴメス自身は自分が大きいことを知っていますか?
ハナ:おそらく、ゴメスは自身を4~5kgくらいのトイプードルだと自認してると思います。明るい性格なので人にも犬にも挨拶しますが、トイプードル同士で挨拶するたびに、3kgくらいの子にびっくりされています。
小型犬のドッグランで、明らかにゴメスだけ体が大きくて物足りなさそうにしていたので、一度だけ中型犬用に入れたことがあります。すると、中型犬はとても足が速くて、ゴメスは追いかけてきた犬に先回りされて驚いていました。大きさでは遜色がなくても、やはり中型犬とはスピード・身体能力が違って、ゴメスはまぎれもなくトイプードルなんだと思いました。
どんな大きさでも可愛さは変わらない
―― デカプーで良かったことは?
ハナ:どこに行ってもすぐに覚えてもらえることですね。「大きいトイプードルのゴメスとその弟のケビン」って。「あの子大きいね、なんの犬だろう?」と噂されるのもちょっといい気分です(笑)。
あと、いくら大きくてもトイプードルなので、小型犬のみ飼育可のマンションにも引っ越せるかもな、と思います。

―― トイプードルの大きさと可愛さは関係すると思いますか?
ハナ:小さいときから、大きくなった今まで可愛さは変わらず、むしろ増しています。ゴメスとケビンの体重を足すと、一般的なトイプードル(2~4kgとされている)4.8匹分くらいになるのですが、彼らからはそれくらいの愛情をもらっていると感じます。
迎えた子犬が大きくなりそうで気にしている方には、「心配はいらない、でも彼らの愛情に応えるために体力を付けておくことをおすすめします」と伝えたいですね。
大きめの体格に合わせて暮らしの準備を整えよう
大きめのトイプードルと暮らす場合は、抱っこや移動にかかる負担を想定し、あらかじめ対応できる環境を整えておくことが大切です。
ハナさんへのインタビューからも、体が大きくなるほど、日常の抱っこや外出、通院時に飼い主さんの体力が必要になることが分かります。普段は元気に歩けても、体調不良やけが、高齢期には飼い主さんが抱えて移動させなければならない場面もあるでしょう。
また、公共交通機関では犬とケースを合わせた重量やサイズに制限があり、体格によっては利用できないこともあります。通院や災害時にどのように移動するかなど、よく考えておきましょう。
トイプードルの大きさに関するよくある質問
Q1.トイプードルは何kgから「デカプー」と呼ばれますか?
「デカプー」に公式な定義はありませんが、SNSなどでデカプーとして有名な子は10kgから12kg程度の子が多いようです。また、Instagramには#デカプー8キロ、#デカプー7キロなど、体重に合わせたハッシュタグを付けた投稿が多く見られます。
Q2.トイプードルは何ヶ月頃まで大きくなりますか?
トイプードルは、一般的に生後8〜12ヶ月頃まで大きくなります。ただし、成長の進み方には個体差があり、なかには1歳を過ぎても体重や体つきがわずかに変化する子もいます。また、犬は骨の成長が落ち着いたあとも、筋肉がついたり胸まわりが発達したりするため、体高が変わらなくても全体の印象が変わることも珍しくありません。
Q3.前足が大きいトイプードルは大きくなりますか?
トイプードルの前足が大きいからといって、必ずしも成犬時に大きくなるわけではありません。たとえばミニチュアダックスフンドでは、子犬期に前足が立派な子は大きく育つといわれていますが、これは犬種特有の体型も関係しています。トイプードルにもそのまま当てはまるとはいえず、前足の大きさだけで成犬時のサイズを判断することはできません。
Q4.大きいトイプードルはトイプードルではないのですか?
血統書上のサイズ区分は成長に合わせて自動的に変更されないため、どんなに大きく育ってもトイプードルのままです。ただし、JKCでは所定の計測と申請により、生後15ヶ月1日を過ぎていれば体高に合ったサイズへ変更することができます。変更が認められた場合は、血統書上も変更後のサイズ区分として扱われるため、トイプードルではなくなります。
【まとめ】トイプードルが大きく育つかは特徴だけで決めつけない。体格に合った暮らしを整えよう
トイプードルは、大きくなる子の特徴がさまざまささやかれていますが、どのくらい大きく育つかは、子犬期に見られる特徴だけでは決められません。
一般的なサイズに当てはめることではなく、実際の体格や成長に合わせて暮らし方を見直すことが大切です。
大きさにとらわれすぎず、その子らしい成長を受け止めることが、安心して一緒に暮らすことにつながります。予想と異なる大きさに育っても、それはその子がもつ個性のひとつですよ。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム