愛らしい見た目と人懐っこい性格で人気のビーグルですが、「手に負えない」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
実際に検索してみると、「元気すぎる」「イタズラが多い」など、悩んでいる飼い主さんの声もたくさん見られますね。
ビーグルは狩猟犬として長い歴史を持ち、単独で作業をこなす能力が高いことから、特別飼いやすいという犬種ではありません。
しかし、ビーグルと長年暮らす飼い主さんに、ビーグル以外には考えられないと言わせるほど、魅力的な犬種でもあります。
この記事では、ビーグルが手に負えないと言われる理由や落ち着いてくる年齢について解説します。
いま悩んでいる飼い主さんや、これからビーグルのお迎えを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
【監修】うさパラ コンテンツ制作チーム
犬猫ペットのお薬通販輸入代行うさパラのコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。 薬剤師 ・獣医師が在籍。
目次
【結論】性格の問題ではなく“本能と環境のミスマッチ”
結論から言ってしまうと、ビーグルが手に負えないと言われるのは、ビーグルの狩猟犬としての本能と現代の飼育環境のミスマッチによるものです。
何か性格に問題があるというわけではありません。
むしろビーグルは、明るく陽気でフレンドリーという犬として素晴らしい性格の持ち主です。
しつけは簡単ではありませんが、ビーグルという犬種の特性を理解して、じっくりと向き合ってあげればとても良いパートナーになってくれるでしょう。
ビーグルの基本性格と犬種の背景を知ろう
ビーグルは、紀元前からギリシャでウサギ狩りをしていたハウンドの後裔と考えられています。
嗅覚を使って獲物の匂いを追い、その居場所を人に知らせる役割を担ってきました。
そのため、人の指示を待つのではなく自分の判断を優先することが求められ、独立心が強い性格が根本にあります。
この2000年以上前から狩猟犬として育まれてきた犬種特性は現代も色濃く残り、「手に負えない」と言われてしまう形で表れているのかもしれません。
ビーグルが「手に負えない」と言われる理由5選① 落ち着きがない・興奮しやすい
ビーグルが手に負えないと言われている理由のひとつは、落ち着きがなかったり、興奮しやすいことがあげられます。
しかし、これはもともとビーグルが狩猟犬として獲物の気配を見逃さないことが求められてきたためで、周囲の音や刺激に反応しやすいのは仕方がないことです。
ビーグルにとって、じっとしているよりも行動するほうが自然なことだということを、まずは理解してあげましょう。
また、ビーグルは体が小さいですが、とても活発な犬で十分な運動量が必要です。
運動や遊びが不足してしまうと、エネルギーを持て余して室内でも落ち着きがなく走り回ったり興奮しやすくなります。
(参考文献:Environmental enrichment interaction for laboratory beagle dogs used in research|Pub Med)
(参考文献:Canine Behavioral Genetics: Pointing Out the Phenotypes and Herding up the Genes|NIH)
ビーグルが「手に負えない」と言われる理由5選② 嗅覚が鋭く、匂いに夢中になると指示が耳に入らない
ビーグルは、匂いを感じた瞬間に意識が匂いに集中してしまうため、飼い主さんの声や指示も耳に入りにくくなってしまいます。
これは、セントハウンド(嗅覚猟犬)に属するビーグルの本能的な行動にくわえ、遺伝的影響によるもので、しつけだけで抑えられる問題ではありません。
もともと犬は人間の約1万〜100万倍の嗅覚を持っていますが、特に嗅覚が発達した犬種では1億倍近くになるとも言われています。
ビーグルは検疫探知犬や麻薬探知犬としても活躍しているくらい嗅覚が鋭いということを考えれば、納得なのではないでしょうか。
(参考文献:Genetic basis of olfactory-induced behavior in dogs|OXFORD ACADEMIC)
ビーグルが「手に負えない」と言われる理由5選③ 食欲旺盛
ビーグルは食べ物に対する関心がとても高く、お散歩中の拾い食いやゴミ箱をあさってしまうという行動も少なくありません。
そんな姿が頻繁に見られたら、犬が食べてはいけないものを食べてしまったり、異物誤飲は命にかかわることもあるため、心配で目が離せなくなってしまいますよね。
もともとビーグルは狩猟犬として長時間活動する必要があり、活動量が多いと食への関心が高くなりやすい傾向にあります。
犬の食欲には遺伝的な影響が関わっている可能性も報告されており、こうした傾向が影響しているのかもしれません。
ビーグルが「手に負えない」と言われる理由5選④ いたずら好き
ビーグルは、その犬種特性からいたずら好きと思われてしまうことがあります。
ビーグルは狩猟犬として自分で状況を判断する力が求められてきたため、好奇心が強く、頭を使うことを得意とする犬種です。
そのため、退屈だったり刺激が不足していると、何かをかじったりクッションなどを破壊してワタを引っ張り出してしまったりと、退屈を紛らわすために行動することも少なくありません。
飼い主さんから見ればいたずらと感じられてしまい、「いたずらばかりして手に負えない」と言われてしまうのです。
どうしていたずらするのか、その行動の裏にある気持ちを考えてあげましょう。
ビーグルが「手に負えない」と言われる理由5選⑤ 吠えやすい
ビーグルは、もともと狩猟犬として吠えて人に位置を知らせることを求められていたため、吠えやすい犬種です。
また、感情表現が豊かな犬種なので、来客や物音、お散歩前など、不安や警戒、嬉しさなどが吠え声やしぐさに表れやすい傾向にあります。
ビーグルは「森の声楽家」や「森のトランペッター」と呼ばれることもあるほど、よく通る美しい声が特徴的です。
犬が吠えるのは必ず理由があり、意味もなく吠えているわけではありませんが、無駄吠えと取られ、手に負えないと言われてしまうことも少なくありません。
【対処法】ビーグルの手に負えない行動
手に負えない行動には、ビーグルなりの理由がありますが、一緒に暮らす上でどうしたら良いのでしょうか。
ここでは、4匹のやんちゃな愛犬と暮らす筆者が、ビーグルの手に負えない行動の対処法について解説します。
ノーズワークで指示無視を減らす
ビーグルは匂いに意識が向きやすいため、ノーズワークで嗅覚を使う満足感を与えてあげましょう。
フードやおやつを隠して探してもらうことは、匂いを嗅ぎたいという犬の欲求を満たすことにつながります。
また、天候に左右されないのでいつでもでき、退屈やストレスの発散になり、いたずらや吠えの軽減にも役立つでしょう。
筆者もよく愛犬たちにノーズワークマットで遊んでもらっていますが、やんちゃ加減が和らいでいますよ。
食欲を逆手に
ビーグルはしつけが難しい犬種ですが、食欲を逆手にとってご褒美を使ったしつけをしてみるのも良いでしょう。
しつけは、叱るよりもできたときにしっかり褒めてあげることが基本です。おやつを使うことで、より学習が進みやすくなります。
実際、筆者も吠えが多い愛犬に、静かにできたときにおやつを与えるようにしていたら、自然と落ち着いて待てるようになりました。
狩猟本能を満たす
ビーグルの狩猟本能を満たすために、引っ張りっこやボール遊びを取り入れましょう。
「獲物を狩る」という本能を刺激した遊びをすることで、行動が落ち着きやすくなり、いたずらなども減りやすくなります。
お散歩のときも、ただ歩いてもらうのではなく、おもちゃを持参して探したり追わせるという要素を加えてあげるのがおすすめです。
「ビーグルが手に負えない」に関するよくある質問
Q1.ビーグルは本当に「性格が悪い」「しつけが無理」な犬種なんですか?
A.ビーグルは誤解されやすい犬種ですが、決してそんなことはありません。確かに、ビーグルは独立心が強くて頑固な一面もあり、人の指示より自分の判断を優先しやすい傾向にあります。そのため、一般的なしつけの方法では、しつけが難しいと感じることもあるでしょう。しかし、しつけが難しいのではなく、時間が必要なだけです。とても忠実で賢い犬種なので、特性を理解して正しく向き合えば、良いパートナーとなってくれます。
Q2.何歳くらいになれば、「手に負えない」状態から抜けますか?
A.個体差はありますが、一般的には3歳頃から少しずつ落ち着きが見られるようになることが多いです。子犬期から2歳頃は心と行動がまだ不安定な成長途中の時期で、好奇心が強く行動も活発ですが、年齢とともに感情のコントロールができるようになります。もちろん、年齢だけで自然に落ち着くわけではありません。接し方はもちろん、十分な運動や適度な刺激に加え、安心して過ごせる空間などの生活環境を整えることも大切です。
Q3.ビーグルは留守番できますか?
A.個体差もありますが、健康な成犬であれば、4〜6時間程度の留守番が可能です。子犬や老犬では、2〜3時間にとどめましょう。ただし、ビーグルは寂しがり屋で刺激に敏感な犬種なので、長時間の留守番が続くとストレスから吠えやいたずらにつながってしまうこともあります。留守番をさせる前に十分な運動をさせてあげるとともに、頭を使う知育トイなどを用意してあげることで留守番の負担は軽減できるでしょう。留守番に慣れていない場合は、短時間から少しずつ慣らしていくことが大切です。
【まとめ】ビーグルの本能を理解し、最高のパートナーに
ビーグルは、はるか昔から狩猟犬として育まれてきた犬種であり、その本能が強く表れやすい傾向にあります。
だからといって、手に負えないというわけではありません。
ビーグルはスヌーピーのモデルにもなった犬種で、世界中で長く愛され続けています。人懐っこくて陽気な性格は、出会う人を自然と笑顔にしてくれるでしょう。
ビーグルと暮らすうえで大切なのは、無理矢理変えようとしたり従わせるのではなく、正しく理解してあげることです。
じっくりと向き合うことで、最高のパートナーになってくれますよ。
関連記事
-
-
ドーベルマンを飼わないでと言われている理由5選!性格や上手な飼い方について解説
「ドーベルマンを飼わないで」という強い警告の裏には、単なる「怖い」という感情論だけではなく、飼い主が負うべき重い「社会的な責任」と「法的なリスク」が隠されています。 ドーベルマンの持つ高い知性や運動能 …
-
-
【後悔】ミニチュアシュナウザーを飼ってはいけない理由5選!性格などについて解説
眉毛やヒゲが愛らしいミニチュアシュナウザーですが、「後悔した」「飼ってはいけない」と見聞きして、お迎えを迷っているのではないでしょうか。 ミニチュアシュナウザーは賢くて愛情深い性格の犬種なので、一般的 …
-
-
【2026年最新】犬のてんかんにはさつまいもがおすすめ!栄養素や食べ方について解説
てんかんの治療を続ける愛犬に、「お薬だけでなく、毎日の食事で何かサポートできることはないだろうか」。 そうお考えの飼い主様は少なくないでしょう。 そんな中で、自然な甘みがあり犬も大好きな「さつまいも」 …
-
-
【法律】犬を飼うのに年齢制限はある?高齢者が責任を持って飼える最後の年齢について
「犬を飼いたいけど、自分の年齢で最後まで面倒を見られるだろうか?」 その不安、とてもよく分かります。 大切なのは、年齢の数字ではなく、万が一の時に備えて「最後まで飼う」ための体制を整えられるかどうかで …
-
-
お金がないのに犬を飼う時に気をつけること5選!1頭の飼育にかかる費用について解説
お金がないのに犬を飼うということは、お金がないのに誰かを養うのと同じことです。 犬との暮らしは素晴らしいものですが、命ある生き物である以上、食費や医療費など想像以上に費用がかかります。 そのため、お金 …
一般的な賢さランキングでは、ビーグルは下位に位置しています。ただこれは、人の指示を正確にどれだけ早く従えるかということを基準とした評価で、ビーグルに当てはめることはできません。ビーグルはとても賢く、魅力的な犬種です。ビーグルの犬種特性を理解して、接し方や環境を整えてあげることで吠えや落ち着きのなさ、いたずらなど多くの問題行動が軽減できるでしょう。この記事がビーグルとのより良い関係づくりに役立てば幸いです。
監修・うさパラ コンテンツ制作チーム