【フィラリア予防薬】いつからいつまで?気になる期間について解説

   

犬や猫のフィラリア予防は「蚊の出る夏だけで大丈夫」と思われがちです。

でも、実際それだけでは不十分なケースがよくあります。

フィラリア症の感染リスクは思っているよりも長く、お住まいの地域によっても異なります。

(参考文献:フィラリア症(Filariasis)|厚生労働省検疫所

しっかりと時期を把握して、毎年欠かさずフィラリア予防をすることが大切です。

この記事では、フィラリア予防薬はいつからいつまで投与するのか期間について解説します。

うさぱら コンテンツ制作チーム

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フィラリア予防薬はいつからいつまで?開始時期と終了のタイミング

フィラリア症は、フィラリアという寄生虫を保有した蚊に犬や猫が刺されることで、体内に幼虫が入り、やがて心臓や肺の血管にフィラリアが寄生する病気です。
多くの予防薬は『予防』と言っていますが、実際は『体内に入ったフィラリアの幼虫を駆除』するお薬です。

フィラリアを媒介する蚊の活動は気温に左右され、気温が15℃を超えると蚊の活動が開始されると言われています。
そのため、フィラリア予防薬の使用開始時期は「蚊が出始めた1か月以内」が目安です。

  • 目安:5月頃からフィラリア予防薬の使用を開始
  • 地域によっては:4月後半あたりから必要なことも

蚊の姿を見なくなったからといって、すぐにフィラリア予防薬をやめてしまうのは危険です。
犬や猫の体内にフィラリア幼虫がすでに入っている可能性があるため、「蚊がいなくなった1か月後」までは、予防を続けましょう。

  • 目安:11月まで(地域によっては12月)
  • 最後の蚊に刺された後:1か月分は追加で投与

【フィラリア予防薬はいつからいつまで】フィラリア予防薬の「通年投与」って本当に必要?

近年では通年投与(1年中投与)を推奨する動物病院も増えています。
その背景には以下のような理由があります。

  • 地球温暖化や気候変動で、蚊の活動時期が長くなってきている
  • 開始時期の投与を忘れるリスクを減らせる
  • ノミ・ダニの駆除と一緒になっている薬が多いため、年間を通しての使用が効率的
  • 途切れず予防薬を投与することで、シーズンごとの投薬前検査をしなくても済む

フィラリア予防薬のタイプによっては、ノミ・ダニ対策が一緒にできるものもあり、通年で使うことで予防の抜け漏れを防げるというメリットがあります。


また、フィラリア予防薬を蚊のシーズンだけ投与する場合は、毎年一番はじめのフィラリア予防薬を投与する前に「投薬前検査」が必要です。
これは、犬や猫の体内に万が一ミクロフィラリアが感染した状態で予防薬を投与すると、ミクロフィラリアが一斉に死滅する反応で犬や猫にショック症状などの非常に危険な影響が出る恐れがあるためです。
しかし、予防薬を通年投与していれば基本的に投薬前検査は不要になるため、犬や猫、飼い主さんにとっても負担の軽減になります。

このため、うさパラでも犬や猫の健康に問題などがない場合は、通年投与をおすすめしています。

【フィラリア予防薬はいつからいつまで】フィラリア予防をやめてしまった・忘れてしまったら?

ついうっかり忘れてしまった、経済的な事情で一時的にやめてしまった…。
そんな時は「フィラリア予防薬が何か月抜けたか?」によって対応が異なります。

  • 1か月未満の場合:すぐに再開。次月も予定通り投与。
  • 1~2か月の場合:すぐに再開。ただし時期や地域によっては検査してから再開する場合もあります。
  • 3か月以上の場合:感染のリスクあり。動物病院での血液検査が推奨されます。

通年投与のメリットであげたように、フィラリアに感染している状態でフィラリア予防薬を投与すると、犬や猫に危険な影響が出る恐れがあります。
心配な場合は、必ず獣医師の診断を受けたうえで再開するようにしましょう。

地域によって違う?エリア別の注意点

エリア予防期間の目安特徴
北海道・東北6月~10月比較的短期間。冷夏や高地では前後調整を。
関東・中部5月~11月一般的な目安。東京・名古屋など都市部も注意。
関西・中国4月下旬~11月蚊の活動が早め。油断しやすい時期も長い。
九州・四国4月~11月下旬暖かい日が多く蚊の発生も早い。
沖縄・南西諸島通年年間を通して予防が必要な地域。

上記はあくまで目安です。


フィラリア予防薬の詳細な開始時期・終了時期などは、お住まいの地域の動物病院などにご相談ください。

子犬・シニア犬へのフィラリア予防薬の使用について

フィラリア予防を始めるにあたり、愛犬の年齢や健康状態に合わせたお薬選びが大切です。

子犬の場合は生後6〜8週齢から投薬可能な薬が多いですが、必ず獣医師がその子の成長具合を確認した上で判断します。

同様に、シニア犬や持病のある子は心臓や肝臓に負担がかかる可能性も考慮し、体調をよく見ながら獣医師と相談して慎重にお薬を選ぶ必要があります。

そして、いずれの場合も、安全に予防薬を始める前には必ずフィラリアに感染していないかどうかの検査が必要です。

どのフィラリア予防薬を選べばいい?

予防薬には「月1回タイプ」や「おやつタイプ」「ノミダニも一緒に対策できるタイプ」など、さまざまな種類があります。
ペットの性格や生活スタイルに合ったものを選ぶことが、長く続けるためのコツでもあります。


フィラリア予防に関する商品は『おすすめ商品比較 フィラリア予防薬』で、ご確認いただけます。

【まとめ】フィラリア予防薬はいつからいつまでと決めるより、通年がおすすめ

フィラリア症は、フィラリア(犬糸状虫)が心臓や肺の血管に寄生してしまう命に関わる病気です。
犬だけでなく、猫にも感染します。


初期はほとんど無症状のことが多く、気づいたときには重症化しているケースも多くあります。

ただし、この病気は「予防さえしていれば100%防げる」とも言われています。飼い主さんが正しく理解して適切に予防してあげることが、ペットの元気な毎日につながります。


フィラリア症に関して、詳しくは『ペットの病気と予防 フィラリア症』で、ご確認いただけます。

監修者コメント
監修者の写真

フィラリア症は、しっかり予防すれば100%防げる病気です。月1回のお薬は、飼い主さんが愛犬・愛猫にできる最も大切な愛情表現の一つと言えるでしょう。夏の終わりと共に蚊が減ったように感じても、予防期間はまだ続きます。ここで投薬を忘れる「うっかり休薬」が最も危険です。獣医師と相談した期間、最後まで確実に予防を続けて、大切な家族の命を守りましょう。
監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

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