猫キジトラの平均体重はいくつ？オスが大きいと言われる理由について解説

日本猫の代表的な模様の一つとして、多くの家庭で愛されているキジトラ猫。

「うちの子、ちょっと太り気味？」「他のキジトラの子はどのくらいの体重なんだろう？」と、愛猫の体重が気になる飼い主さんは多いのではないでしょうか。

この記事では、キジトラ猫の平均的な体重の目安をお伝えするとともに、なぜオスの方が大きい傾向にあるのか、そして体重の数字以上に大切な「体型」の見方について、獣医師が詳しく解説します。

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【結論】猫キジトラの平均体重は性別・月齢・体格・活動量などで決まる

猫キジトラの平均体重を考える上でまず知っておきたいのは、その子の体重は成長段階、性別、骨格の大きさ、避妊・去勢手術の有無、そして日々の活動量など、多くの要因によって大きく変わるという点です。

成猫であれば一般的に3kgから5kg程度が目安とされますが、これはあくまで大まかな範囲。

その子にとっての理想的な体型を知ることが、健康管理の基本となります。

キジトラとは？

キジトラは、猫の毛柄の中で最も祖先のヤマネコに近いとされる基本的な模様です。茶色や褐色のベースに黒い縞模様が入るのが特徴で、鳥のキジの雌に似ていることから名付けられました。よく似たサバトラは、ベースの色がシルバーや灰色がかっている点が異なります。どちらも日本猫に多く見られますが、特定の品種ではなく、あくまで「毛柄」の違いです。そのため、キジトラだからといって、平均体重に差が出るという科学的な根拠はありません。

(参考文献: Overweight and obesity in domestic cats: epidemiological risk factors and associated pathologies|PudMed)

猫キジトラの平均体重はいくつ？

成猫キジトラの平均体重としてのデータは編集部調べで見つけることができませんでしたが、一般的に成猫は約3kgから5kgの範囲に収まることが多いと言われています。これはあくまで平均的な目安です。

同じ5kgでも、骨格ががっしりした大柄な猫と、華奢な小柄な猫とでは、その体重が持つ意味合いは全く異なります。

 子猫の時期は急速に成長し、例えば生後3ヶ月で約1.0kg〜1.5kg、1歳になる頃には成猫とほぼ同じ3.0kg〜5.0kg程度に達します。

去勢手術後は代謝が落ちて食欲が増すため、適切な食事管理をしないと、オス・メスともに体重が増えやすくなります。 

ご自宅で愛猫の体を触り、「肋骨（ろっこつ）に軽く触れるか」「上から見てウエストにくびれがあるか」「横から見てお腹が少し吊り上がっているか」を確認し、理想的な体型を維持することが、健康への近道です。

(参考文献:What Is the Weight of an Average Cat, and When Is My Kitty Obese?|PetMD )

平均より重い原因で考えられること

愛猫の体重が平均よりも重い場合、その多くは食事からの摂取カロリーが消費カロリーを上回っていることが原因です。

具体的には、1日のフードの量が多すぎたり、おやつを与えすぎていたり（おやつは1日の総カロリーの10%以内に抑えるのが理想です）、室内飼育で運動量が不足していたりすることが挙げられます。

特に避妊・去勢手術後は、ホルモンバランスの変化により基礎代謝が落ち、食欲が増す傾向があるため、手術前と同じ食事量では太りやすくなります。

獣医師と相談し、食事量を10〜15%程度減らすか、専用のフードへの切り替えを検討しましょう。

まれに、骨格が非常に大きい子は、体重が重くても適正範囲であることもあります。

数字だけで「肥満」と決めつけず、必ず体型も合わせて評価することが大切です。

平均より軽い原因で考えられること

逆に、愛猫の体重が平均よりも軽い、あるいは徐々に痩せてきている場合は、何らかの病気が隠れている可能性をまず疑う必要があります。

特にシニア期（7歳以上）の猫で、「よく食べるのに痩せていく」という症状が見られる場合は、甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病、糖尿病などが代表的な原因として考えられます。

他にも、口内炎や歯周病で口が痛くて食べられない、お腹の中に寄生虫がいる、消化吸収不良を起こしている（慢性的な下痢など）、あるいは腫瘍（がん）といった深刻な病気が原因であることも少なくありません。

数週間で体重が10%以上減少するような急激な変化が見られた場合は、様子を見ずに早めに動物病院を受診してください。

体重異常（肥満・痩せすぎ）が招く健康リスク

体重が適正範囲から外れることは、様々な病気のリスクを高めます。

肥満は、糖尿病や関節炎、心臓病、呼吸器疾患のリスクを著しく上昇させます。

また、毛づくろいが困難になることで皮膚病の原因になったり、便秘になりやすくなったりもします。

一方、痩せすぎは、栄養不足による体力や免疫力の低下を招き、感染症にかかりやすくなります。

特にシニア猫では、筋肉量が減少し、転倒や慢性病の悪化に繋がりやすくなります。

痩せていること自体が、前述したような様々な病気のサインであることも多いです。 

愛猫の健康を守るためには、環境省が推奨するように、月に一度は体重を測定し、体型をチェックする習慣をつけることが非常に重要です。

参考文献: 

Obesity in Cats|VCA Animal Hospitals

Constipation in Cats|VCA Animal Hospitals 

ライフステージ・季節・去勢避妊での体重変化

猫の体重は、年齢や環境によって変化するのが自然です。

子猫期は成長のために体重が増加し、成猫期は維持が目標となります。

シニア期には代謝の変化や筋肉量の減少が起こりやすいため、体重だけでなく筋肉量にも注意が必要です。

避妊・去勢手術後は太りやすくなるため、食事量の調整が不可欠です。

また、季節によっても活動量や食欲が変動し、体重が多少増減することがあります。

これらの変化を理解し、その時々の状態に合わせて食事や運動量を微調整していくことが、生涯を通じた健康管理の鍵となります。

(参考文献:Seasons Affect Your Pet’s Appetite|PetMD)

「猫 平均体重 キジトラ」に関するよくある質問（FAQ）

Q1. キジトラ猫は他の柄の猫より太りやすい、または痩せやすいですか？

A1. いいえ、毛柄と太りやすさ・痩せやすさの間に科学的な関連性はありません。 キジトラ、サバトラ、茶トラといった毛柄は、あくまで見た目の違いです。体重は、その猫自身の遺伝的な体質、年齢、性別、食事、運動量、健康状態などによって決まります。

Q2. 体重チェックはどのくらいの頻度ですれば良いですか？

A2. 月に1回を目安に、なるべく同じ時間帯、同じ条件（食前など）で体重を測定し、記録する習慣をつけましょう。体重が10%以上増減したり、食欲や飲水量、排泄の状態に変化が見られたりした場合は、早めに動物病院に相談してください。

Q3. 食事だけで体重管理はできますか？

A3. 食事管理は体重コントロールの基本ですが、それだけで十分とは言えません。特に室内飼いの猫にとっては、適切な運動（遊び）も非常に重要です。運動は消費カロリーを増やすだけでなく、筋肉量を維持し、代謝を高め、ストレス解消にも役立ちます。避妊・去勢手術後は特に「食欲が増え、消費カロリーが減る」傾向があるため、フードの量を調整するとともに、おもちゃで一緒に遊ぶ時間を意識的に設けるなど、食事と運動の両面からのアプローチが効果的です。

【まとめ】平均体重は参考値。愛猫の「ちょうどいい」を見つけ、健康寿命を延ばそう

「猫 平均体重 キジトラ」の一般的な数値（成猫で3〜5kg程度）は、あくまで参考情報の一つです。

本当に大切なのは、その数字に一喜憂憂することではなく、あなたの愛猫自身の体を「見て」「触って」、その子にとっての「ちょうどいい」体型を知り、それを維持することです。 

体重が平均より重い、あるいは軽い背景には、生活習慣だけでなく、甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病といった病気が隠れている可能性もあります。気になる変化があれば、早めに動物病院を受診しましょう。

 避妊・去勢手術後や、年齢を重ねる中でも、体重は変化していくのが自然です。

その変化に気づき、食事や運動量をこまめに調整していくことが、愛猫の健康寿命を延ばすための、飼い主さんができる最も大切なケアの一つです。

監修者コメント

キジトラ猫の体重は目安であり、その猫にとっての「適正体重」を知ることが重要です。猫は病気を隠すのが上手なため、体重の増減は重要なSOSサイン。この記事で解説したBCS（ボディコンディションスコア）を活用し、肋骨の触り具合を確認しましょう。肥満は万病の元であり、腎臓病などとの関連も指摘されています。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム