2026/08/28

愛犬が散歩中に歩かなくなったり、座り込んで動かなくなると、困ってしまいますよね。小型犬なら抱っこすることもできますが、中型犬や大型犬だと、そう簡単に抱っこすることも難しいでしょう。
筆者にも4匹の愛犬がいますが、1匹は必ず散歩の途中で伏せをしたまま動かなくなってしまうため、抱っこすることも考えて、2匹ずつの散歩にしています。
筆者の愛犬は、足が人差し指ほどの長さしかない短足で、一歩の歩幅もごくわずかです。そのため、ほかの愛犬と同じ距離を歩いていても足を動かす回数が多く、途中で疲れて動けなくなってしまうことも少なくありません。
このように、犬が散歩で歩かなくなる理由はさまざまで、原因を見極めて適切に対処してあげることが大切です。
この記事では、犬が散歩で歩かない原因や対策について解説します。
- 犬が散歩で歩かない主な原因と確認ポイント
- 家・散歩中・帰り道で異なる止まる理由
- 無理に歩かせないための対策と受診目安
【執筆】なっきー(ペット専門家・ライター)
ペットケアライター。犬猫に関する資格を多数保有するほか、海外のペット関連講座も複数修了。犬猫に関する記事の執筆・監修、ペット用品の商品開発アドバイスなどに携わる。現在も複数の愛犬と暮らしている。
目次
【結論】犬が散歩で歩かないときは理由を決めつけず、状況ごとに確認しよう
犬が散歩で歩かないときは、「わがまま」「散歩が嫌い」などと勝手に決めつけず、どの場面で止まったのか、そのときにどのような様子だったのかを確認しましょう。
犬が歩かなくなる理由は、そのときの体調や気分、年齢、体力、周囲の環境などによって異なります。また、同じ犬でも日によって理由が変わることも珍しくありません。
先入観で判断すると、犬が感じている負担や不安を見落としてしまうことがあり注意が必要です。
急に歩かないときは体調や環境の変化を確認
いつもは問題なく歩いていた犬が、急に歩かないときは、普段と何か違うことが起きている可能性も疑いましょう。
犬は言葉で不調を伝えることはできません。そのため、飼い主さんが気づかないうちに、体調や環境の負担によって散歩が難しくなっていることもあります。
犬のいつもと違う行動には、何らかの理由が隠れていることがあるため、そのままにするのではなく原因を考えてあげることが大切です。
ここでは、確認したいポイントを見ていきましょう。
1 足を引きずる・痛がる・呼吸が荒い様子がないか見る
まずは、愛犬が足を引きずっていないか、体に触れたときに痛がらないか、呼吸がいつもより荒くないかを確認しましょう。
指の間の異物や足裏の傷はもちろん、関節や腰の痛みが原因で歩けないこともあります。
また、少し歩いただけで呼吸が荒くなる、休んでもなかなか落ち着かない場合は、呼吸器や心臓の不調なども考えられるため注意が必要です。
2 暑さ寒さ・疲れ・散歩時間が負担になっていないか見る
暑さ寒さといった気温や、散歩の時間帯、散歩の距離が愛犬の負担になっていないか考えてみましょう。
暑い日は、気温だけでなく地面からの照り返しや熱くなった路面の影響も受けます。反対に、寒さが苦手な犬は外へ出たがらないことも珍しくありません。
また、歩く速度が落ちる、立ち止まる回数が増えるなどの様子が見られる場合は、疲れている可能性があります。
3 いつもと違う様子があるときは動物病院に相談する
少しでも愛犬にいつもと違う様子があるときは、動物病院に相談しましょう。
たとえば、これまで普通に散歩できていたのに、急に歩かないなどの行動の変化も、何らかの不調を知らせるサインです。
犬は不調があっても分かりにくいことがあるため、元気そうに見えるからといって問題がないとは限りません。自己判断で様子を見ず、早めに獣医師の診察を受けることが大切です。
犬が歩かない理由は家・散歩中・帰り道で違う
犬が歩かない理由は、家を出る前から歩きたがらない場合と、散歩の途中や帰り道で止まる場合では異なります。
そのため、犬の「歩かない」という行動だけで判断せず、どの場面で動かなくなったのか、その前後にどのような変化があったのかまで考えてあげることが大切です。
また、原因は一つではなく、複数の要因が重なっていることも珍しくありません。
ここでは、犬が歩かないときに考えられる理由を場面ごとに見ていきましょう。
①家から出たがらない犬は外の音や人を怖がっていることがある
犬の聴覚は人間よりも広い範囲の周波数の音を聞き分けられます。
そのため、人では気にならないような外の音を強い刺激として感じ、外へ出るのを嫌がることがあります。
また、見知らぬ人や犬に慣れていない場合では、外そのものを警戒するようになることも珍しくありません。
②毎回同じ場所で止まる犬は苦手な音や道を覚えていることがある
毎回同じ場所で止まる犬は、そこに何かトラウマがあるのかもしれません。
犬は、過去に驚いたり怖い思いをしたりした場所や、そのときに聞こえた音を覚えていることがあります。
たとえば、大きな工事音や車のクラクション、ほかの犬に吠えられた経験などがあると、同じ道に近づくだけで警戒してしまうでしょう。
③帰り道だけ歩かない犬は散歩を終えたくないのかも
帰り道だけ歩かなくなる犬は、まだ散歩を続けたい、家に帰りたくないと思っている可能性があります。
犬にとって散歩は、いろいろなにおいを嗅いだり、周囲を探索できる特別な時間です。
そのため、十分に満足する前に帰宅することが分かると、その場に座り込んだり、進行方向とは反対へ行こうとすることも珍しくありません。
④途中で座り込む犬は疲れや距離の負担も考えよう
散歩の途中で歩く速度が落ちたり、何度も座り込んだりする場合は、距離やペースが愛犬の体力に合っていないのかもしれません。
特に、子犬やシニア犬、短頭種や肥満気味の犬は、長い距離や速いペースが体力的な負担になりやすい傾向にあります。
また、筆者の愛犬のように足が短く歩幅の小さい犬は、より疲れやすいので注意が必要です。
犬が安心して歩ける散歩に変える方法
散歩で犬が歩かない理由はさまざまですが、嫌がっている状態で無理に散歩に出ても、苦手意識が強まり、余計に歩かなくなる可能性があります。
犬が安心して歩けるようにするには、散歩する場所だけでなく、身につける道具や歩く距離なども含めて見直すことが大切です。
負担を減らしてあげることで、少しずつでも散歩を楽しめるようになるでしょう。
ここでは、犬が安心して歩ける散歩に変える方法について解説します。
①怖がる犬は刺激の少ない場所から短時間で慣らす
怖がって歩かない犬は、まず人や車が少なく、静かに過ごせる時間帯や場所で、短時間から外に慣れてもらいましょう。
強く緊張している状態で長く歩かせると、外への不安がさらに強まることも少なくありません。
玄関先や家の前から始め、怖がらずに歩ける範囲を、愛犬のペースに合わせて少しずつ広げていくのがポイントです。
②リードやハーネスが合っているか確認する
リードやハーネスが、愛犬の体に合っているか確認しましょう。
サイズが合わないと、首や胸、脇に食い込んだり、前足や肩の動きを妨げたりして、歩くことが負担になる場合があります。
反対に、緩すぎると体が抜ける危険もあるので注意してください。
買い替えた直後から歩かなくなった場合は、形やサイズが合っていない可能性も考えましょう。
③子犬やシニア犬は年齢に合った距離とペースにする
子犬やシニア犬は、年齢や体力に合わせて散歩の距離とペースを決めることが大切です。
子犬は骨や関節が成長途中のため、長時間歩かせたり激しい運動をさせたりすると、体に負担がかかります。
シニア犬は加齢によって筋力や持久力が低下するため、以前と同じ距離が負担になっていることも少なくありません。
歩く速さや疲れ方、その日の体調を見ながら、散歩量を調整しましょう。
犬が歩かないときに避けたい対応
犬が散歩で歩かないと、先へ進ませようとしてつい焦ってしまうこともあるでしょう。
特に、道の真ん中で動かなくなってしまうと、車や自転車のじゃまになるのではないかと、すぐに移動させたいと考えるのも無理はありません。
しかし、動いてもらうことだけを優先することが、犬に負担をかけたり、散歩の苦手意識を強めてしまうことがあります。
ここでは犬が歩かないときに避けたい対応を見ておきましょう。
①無理に引っ張る・叱ると散歩が苦手になりやすい
無理にリードを引っ張ったり、叱ったりするのは避けましょう。
リードを強く引くと、首輪やハーネスが食い込み、首や体に負担をかけてしまうことがあります。
また、叱られることで、散歩に不安や苦手意識を持ってしまうことも珍しくありません。
危険な場所では抱っこなどで安全な場所へ移動し、無理に引っ張らないようにしましょう。
②抱っこやおやつだけに頼りすぎない
犬が歩かないたびに、すぐ抱っこしたりおやつで誘導したりするのは避けましょう。
抱っこやおやつでその場は移動できても、歩かない原因がなくなるわけではありません。
また、すぐに抱っこやおやつを与えることで、犬は止まれば抱っこしてもらえる、おやつがもらえると学習してしまうでしょう。
抱っこやおやつがダメなわけではなく、頼りすぎないことが大切です。
「犬が散歩で歩かない」に関するよくある質問
Q1.犬が散歩中に座り込んだら抱っこしてもよいですか?
抱っこしてもよいかは、犬が座り込んだ理由や周囲の状況によって異なります。体調不良や疲れが疑われるときや車道など危険な場所では、無理に歩かせずに抱っこして安全を確保することが大切です。一方で、抱っこをしてほしくて座り込んでいる犬では、毎回すぐに抱き上げると、その行動を繰り返す可能性があるので注意しましょう。
Q2.歩かない犬をおやつで誘導してもよいですか?
犬が自分から一歩踏み出すきっかけとして使うのであれば問題ありません。ただし、怖がる犬をおやつで苦手な場所へ近づけるのはやめましょう。また、食べられないほど緊張している場合は無理に誘導せず、抱っこしてその場を離れてください。ただし、歩かないたびに与えるのではなく、自分から歩けたときのご褒美として使うことが大切です。
Q3.急に散歩で歩かなくなったら動物病院に相談すべきですか?
これまで普通に歩いていた犬が急に歩かなくなった場合は、動物病院に相談してください。歩くのを嫌がること自体が、足腰の痛みなどで見られるサインの一つです。特に、足を引きずる、立ち上がれない、呼吸が苦しそうなどの場合は、早めに受診しましょう。歩かなくなった場面や歩き方を撮影しておくと、診察時に状況を伝えやすくなります。
【まとめ】犬が散歩で歩かない理由は様子と場面を分けて考えよう
犬が散歩で歩かないときは、無理に歩かせるのではなく、なぜ歩けないのかを考えてあげることが大切です。
同じ座り込みでも、体調や疲れ、恐怖、散歩を終えたくない気持ちなど、理由は犬によって異なります。
家を出る前なのか、途中なのか、帰り道なのかを分けて考えると、原因を見つけやすくなるでしょう。
また、以前の様子と比べるのではなく、その日の体調や気持ちにも目を向けてみてくださいね。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム