【獣医師監修】チワワの斜視は病気?原因や治療が必要な場合を解説

      2026/11/02

チワワを家族に迎えたあと、目が正面ではなく内側や外側を向いているように見えると、とても心配になりますよね。

そんなとき、「これは斜視なのかな?」「なにか病気のサインなのでは?」「動物病院を受診したほうがいいの?」いった疑問をお持ちではありませんか?

実は、チワワは頭や目の特徴から、生まれつき斜視のように見えることがあり、必ずしも病気とは限りません。

しかし、これまで正常だった目の向きが急に変わった場合や、ふらつき、眼振、けいれんなどの症状を伴う場合は、水頭症や神経の病気などが隠れている可能性もあります。

この記事では、チワワに斜視が起こる原因や考えられる病気、受診の目安、動物病院へ行く前に確認しておきたいポイントについて、獣医師がわかりやすく解説します。最後までお読みいただき、チワワの斜視について正しい理解を深めましょう。

この記事でわかること
  • チワワの斜視が生まれつきの場合と考えられる原因
  • 目の向きの急な変化や神経症状など受診したいサイン
  • 動物病院で伝えたい目の向きや体調変化の記録方法
まーふぃー先生

【執筆】まーふぃー先生(獣医師)

犬猫をはじめとした小動物診療に携わってきた獣医師。院長経験を経て、フリーランスとして開業。現在は診療・往診のほか、ペットの健康や医療に関する記事作成、ペット用品の監修など幅広い業務を行っている。

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【結論】チワワの斜視は生まれつきの場合もあるが、急な変化は受診が必要

結論として、チワワでは生まれつきの骨格や目の位置によって、正常な状態でも斜視のように見えることが多いです。

私の診察でも、健康なチワワで斜視のように見える犬を多く経験しています。

体調が安定していて日常生活に支障がなければ、治療が不要なケースも少なくありません。

一方で、これまでは目の向きが正常だったのに急に目の向きが変わった場合や、歩き方の異常、眼振、元気・食欲の低下などを伴う場合は、脳や神経の病気が原因の可能性もあります。

そのような場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

(参考文献:Causes and Diagnosis of Strabismus in Dogs | PetPlace.com)

チワワの斜視は病気とは限らないが、治療が必要な場合もある

そもそも斜視とは、本来は鼻と平行に前方を向いている眼球が、鼻の方向(内斜視)や耳の方向(外斜視)に偏って向いている状態を指します。

左右両目に見られることもあれば、片方の目だけで見られることもあります。

本来眼球の向きは、眼球周囲にある筋肉や神経によってコントロールされています。

そのため、生まれつきの場合は、目や筋肉、骨格の発達においてトラブルが生じたことが原因であることが多く、視力や生活に支障がなければ経過観察となることが一般的です。

一方、斜視はあらゆる年齢で起こりますが、今まで正常であった目に斜視が現れた場合は注意が必要です。

ここでは、生まれつきの場合と、後から斜視が見られる場合について、それぞれを詳しく見ていきましょう。

(参考文献:Causes and Diagnosis of Strabismus in Dogs | PetPlace.com)

①生まれつき目の向きがずれて見えることがある

チワワでは、頭部の形や目が大きく前方に出ているといった特徴から、生まれつき軽度の斜視のように見えることが珍しくありません。

チワワ以外では、パグやボストンテリアなどでも同様の様子が見られることがあります。

幼い頃から目の向きが変わらず、普段どおりに歩いたり遊んだりできている場合は、生まれつきの特徴である可能性が高まります。

ただし、子犬であれば水頭症などの病気が隠れていることもあるため、気になる場合は一度獣医師へ相談すると安心です。

(参考文献:Crossed Eyes (Strabismus) in Dogs – Causes, Treatment and Associated Symptoms – | Vetster)

②後から目の向きが変わった場合は原因確認が必要

これまで正常だった目に斜視が現れた場合は、眼球の位置を調節する筋肉や神経にトラブルが生じているサインである可能性があります。

また、斜視以外にも

  • けいれんしている
  • ふらついている
  • 目が振れている
  • 食欲や元気がない
  • 目が見えていない
  • どこかを痛がっている

といった症状が見られる場合は、背景に病気が隠れていることが多いため、自己判断せずできるだけ早めに動物病院を受診しましょう。

(参考文献:Hydrocephalus in Dogs | PetMD)

チワワの斜視で考えられる主な原因

では、チワワの斜視の原因としては、どのようなものが考えられるのでしょうか?

チワワの斜視には、生まれつきの体の特徴によるものと、病気やケガが原因となるものがあります。

生まれつきの斜視は治療が不要なケースもありますが、病気やケガによる斜視では、脳や神経の異常、前庭疾患、目を動かす筋肉の障害など、さまざまな原因が考えられます。

その原因によっては、治療が必要になることも珍しくありません。

ここでは、生まれつきのケースと病気による斜視について、それぞれを詳しく見ていきましょう。

(参考文献:Crossed Eyes (Strabismus) in Dogs – Causes, Treatment and Associated Symptoms – | Vetster)

①生まれつきの骨格や目の位置の影響

チワワをはじめとしたパグやフレンチブルドッグなどの犬種では、頭部の構造が特徴的で眼球が大きいため、眼球やそれを支える筋肉の位置によって斜視のように見えることがあります。

このタイプは子犬の頃から変化が少なく、生活に支障がなければ経過観察となることが一般的です。

定期的な健康診断で獣医師に状態を確認してもらうと安心です。

②水頭症など脳や神経の病気が関係することがある

チワワは小型犬の中でも、水頭症の好発犬種として知られています。

水頭症とは、脳の中を流れる「脳脊髄液」という液体が異常に蓄積し、脳を圧迫する病気です。

脳脊髄液は脳と脊髄を囲む液体で、本来はこれらの組織を保護するとともに、栄養を与えて健康を維持する役割を担っています。

しかし水頭症では、何かしらの原因で脳脊髄液の流れが妨げられた結果、圧力によって脳に重大な損傷が生じ、さまざまな症状が引き起こされるのです。

(参考文献:Hydrocephalus in Dogs | PetMD)

③前庭疾患・外傷・目を動かす筋肉の異常が関係することもある

病気による斜視は水頭症以外にも、

  • 前庭疾患
  • 頭部または眼の損傷
  • ボツリヌス症
  • 中耳炎および内耳炎
  • クーンハウンド麻痺
  • 眼の腫瘍
  • 脳腫瘍

といったものが原因となることも少なくありません。

私の診察でも、高齢の犬で脳腫瘍を疑う症例をよく経験しています。

今まで正常だった目に斜視が見られる場合や、けいれんなどの神経症状を認めた場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

動物病院に相談したいチワワの斜視のサイン

では、どのような斜視がチワワに見られた場合は、動物病院に相談するべきなのでしょうか?

生まれつきで軽度の斜視であれば、健康上大きな問題にならないことが多いため、必ずしも動物病院に相談する必要はありません。

一方で、斜視以外にさまざまな症状を伴う場合は、その背景に病気が隠れている可能性があります。

「いつもと違う」と感じたら様子見を続けるのではなく、できるだけ早めに動物病院に相談しましょう。

ここでは、動物病院を受診すべきチワワの斜視以外のサインについて、それぞれを詳しく見ていきましょう。

(参考文献:Causes and Diagnosis of Strabismus in Dogs | PetPlace.com)

①急に目の向きが変わった

いままで正常だったのに、急に目の向きが変わった場合は、生まれつきのものではなく病気やケガによる斜視が疑われます。

原因としては、前述した脳や神経の病気、外傷などが原因となることもあるため、「自然に治るだろう」と自己判断せず、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

②ふらつき・眼振・旋回・けいれんがある

斜視に加えて、

  • けいれんしている
  • ふらついている
  • 目が振れている(眼振)
  • 食欲や元気がない
  • 目が見えていない
  • 同じ方向へぐるぐる回る(旋回)

などの症状がある場合は、神経疾患や前庭疾患、水頭症などの可能性が疑われます。

緊急性が高いこともあるため、速やかに獣医師へ相談しましょう。

③元気や食欲の低下、痛がる様子がある

斜視だけでなく、元気がない、食欲が落ちた、といった様子が見られる場合も、背景に病気が隠れている可能性が高まります。

そのほか、顔を触られるのを嫌がる、鳴くといった様子が見られる場合は、どこかに痛みを感じている可能性があります。

斜視の症状が軽く見えても病気が進行していることがあるため、早めの受診が安心です。

チワワの斜視で動物病院に行く前に確認したいこと

では、チワワの斜視で動物病院を受診する際には、事前にどのようなことを確認するとよいのでしょうか?

獣医師の問診でよく聞かれる項目として、

  • いつから斜視が見られるのか
  • 片目なのか、両目なのか
  • どのような体調の変化が見られるのか

といったことが挙げられます。

受診前にこれらの症状を確認し記録しておくと、診察をスムーズに行うのに役立ちます。

具体的な内容や記録方法について、それぞれを詳しく見ていきましょう。

(参考文献:Neurological Disorders in Dogs | PetMD)

①いつから、片目か両目かを記録する

動物病院を受診する前に、斜視に気付いた日時や、片目だけなのか両目なのかなどをメモしておきましょう。

また、斜視が常に見られるのか、もしくは一時的に現れるのかも重要な情報です。

さらに、斜視が見られる前にどのような場所で何をしていたかなど、どのような場面で症状が出るかもあわせて記録すると、より診断の参考になります。

②写真や動画で目の向きと行動の変化を残す

スマートフォンで愛犬の正面や横から写真や動画を撮影しておくと、受診の際に症状を正確に伝えやすくなります。

斜視や眼振、ふらつきなどは診察室では見られないこともあるため、自宅で撮影した映像が診断の大きな助けになることも少なくありません。

特に、けいれんや震えなど、斜視以外の症状も撮影することで、より正確に症状を伝えやすくなります。

チワワの斜視に関するよくある質問

Q1. チワワの斜視は自然に治りますか?

生まれつきの骨格や目の位置による軽度の斜視は、治療を行わず経過観察となることが一般的ですが、成長とともに多少変化があったとしても、完全に正常な位置へ戻るとは限りません。

病気やケガによる斜視が自然に治るかどうかは、原因となる病気の種類によります。

一部の前庭疾患が原因の場合は、時間経過とともに自然と斜視が改善することもあります。

しかし、脳や神経の病気であれば、自然に斜視が治る可能性は高くないと考えられます。

どちらのケースであっても自己判断せず、獣医師の診察を受け、原因を確認することが大切です。

(参考文献:Crossed Eyes (Strabismus) in Dogs – Causes, Treatment and Associated Symptoms – | Vetster)

Q2. チワワの斜視は遺伝しますか?

生まれつき見られる斜視には、骨格や眼球の位置などについて遺伝的な要素が関係している可能性があります。

ただし、すべての斜視が遺伝によるものではなく、病気やケガによって起こるケースも少なくありません。

そのため、必ずしもチワワの斜視が遺伝するとは限らないと考えられます。

一方で、水頭症のような病気が背景にある場合は、その病気が遺伝的に受け継がれることで、結果として斜視も遺伝するケースがあります。

遺伝性かどうかを見た目だけで判断することは難しいため、子犬の頃から目の向きが気になる場合は、一度獣医師に相談すると安心です。

(参考文献:Crossed Eyes (Strabismus) in Dogs – Causes, Treatment and Associated Symptoms – | Vetster)

(参考文献:Hydrocephalus in Toy Breed Puppies | VCA Animal Hospitals)

Q3. 手術が必要になることはありますか?

生まれつきの軽度の斜視では、視力や生活に支障がなければ、手術を含め治療が行われないことが一般的です。

一方で、脳や神経の病気、外傷、水頭症などが原因で斜視が起きている場合は、その原因となる病気に応じた治療が必要になります。

例えば水頭症では、内科治療に反応が乏しい症例では、外科治療が検討されることもあります。

同じ病気が原因でも、病状によって手術の必要性が異なるため、自己判断せず獣医師の指示に従うようにしましょう。

(参考文献:Hydrocephalus in Dogs | PetMD)

【まとめ】チワワの斜視は要観察。急な変化や併発症状があれば獣医師に相談しよう

チワワでは、犬種特有の骨格や目の特徴から、生まれつき斜視のように見えることがよくあるものの、必ずしも病気とは限りません。

しかし、これまで正常だった目の向きが急に変わった場合や、眼振、ふらつき、けいれん、元気・食欲の低下などを伴う場合は、水頭症をはじめとした脳や神経の病気が隠れている可能性があります。

今回の記事を参考に、日頃から愛犬の様子をよく観察し、少しでも「いつもと違う」と感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

監修者コメント
監修者の写真

チワワでは、生まれつきの骨格や目の特徴によって斜視のように見えるケースは珍しくなく、私の診療でも治療を必要としない犬に多く出会います。
一方で、生まれつきではない斜視は、水頭症や前庭疾患、脳や神経の疾患などのサインであることもあり、慎重な評価が欠かせません。
斜視は見た目だけでは原因を判断できない上に、その後の対応が大きく変わる可能性があるため、様子を見過ぎないことが大切です。
普段から愛犬の目の向きや行動を観察し、小さな変化に気付くことが早期発見・早期治療につながります。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

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