夜中に犬が吠えるのをやめさせるには?原因と対処法を解説

   

室内で吠える柴犬の成犬

犬が夜中に吠えると、自分が眠れなくなるだけでなく、近所迷惑にならないか心配になりますよね。

「早くやめさせないと」と、つい大きな声で叱ってしまったり、おやつを与えてごまかそうとしたことがある方も多いかもしれません。しかし、その時は静かになっても、すぐにまた吠え始めませんか?

筆者も4匹の愛犬と賃貸の集合住宅で暮らしているため、夜中に吠えられることがどれだけヒヤヒヤするかはよくわかります。

とはいえ、犬が何の理由もなく吠えることはありません。犬にとって吠えることは、自分の気持ちや要求、周囲の異変を伝えるための自然なコミュニケーション手段です。

そのため、夜中の吠えをやめさせるためには、なぜ吠えているのかを考えてあげることが大切です。

この記事では、夜中に犬が吠える原因や、やめさせるための対処法について解説します。

この記事でわかること
  • 夜中に吠えたとき最初に確認すること
  • 吠え癖を抑えるために寝る前と日中にできる対策
  • 叱る・おやつ・抱っこで悪化させない対応
なっきー

【執筆】なっきー(ペット専門家・ライター)

ペットケアライター。犬猫に関する資格を多数保有するほか、海外のペット関連講座も複数修了。犬猫に関する記事の執筆・監修、ペット用品の商品開発アドバイスなどに携わる。現在も複数の愛犬と暮らしている。

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【結論】夜中に犬が吠えるときは、叱る前に原因を考える

冒頭でも触れましたが、犬が夜中に吠えるときは、すぐに叱ってやめさせようとするのではなく、まず「なぜ愛犬が吠えているのか」を考えることが大切です。

犬が吠えるのにはきっかけや理由があることがほとんどで、その原因を取り除かない限り、根本的な解決にはなりづらいです。

夜中に吠えられると、早く静かにさせたい気持ちが先に立ってしまいますが、叱る前に、まずは愛犬が何を訴えているのかに目を向けてみましょう。

吠える理由がわかれば、対応もしやすくなりますよ。

犬が夜中に吠える主な原因

犬が夜中に吠える原因は、年齢や性格、生活環境などによって異なります。

その日の状況や状態によって吠える理由が変わることもあるため、どんな原因があるかを知っておきましょう。

【犬が夜中に吠える主な原因】

  1. 空腹・トイレ・暑さ寒さなどの生理的欲求に関する訴え
  2. 寂しさや不安で飼い主さんを呼んでいる
  3. 外の音や気配に警戒している
  4. 日中の運動不足やストレス
  5. 体調不良や加齢による変化

また、前から毎晩のように吠えているのか、最近になって突然始まったのかによっても、原因は異なります。

まずは、吠え始めた時期や頻度などを思い返してみましょう。ただし、原因はひとつではなく、いくつもの原因が重なっていることもあります。

そのため、ひとつの原因にとらわれずさまざまな可能性を考えていくことが大切です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

①空腹・トイレ・暑さ寒さなどを訴えている

もしかしたら、飼い主さんに何か要求があって吠えるのかもしれません。

たとえば、食事量が適切ではなくお腹が空いている、水を飲みたいのに飲めない、排泄を我慢しているなど、何かを訴えている可能性があります。

また、暑すぎる・寒すぎるなど、快適に眠れないことも夜中に吠える原因のひとつです。

(参考文献:Barking dogs – what can I do?|RSPCA

②寂しさや不安で飼い主さんを呼んでいる

寝室を別々にしている場合では、飼い主さんの姿が見えないことに、寂しさや不安を感じて吠えることもあります。

特に、迎えたばかりの犬や高齢犬では不安を感じやすく、飼い主さんを呼んでいるのかもしれません。また、普段から飼い主さんの後をついて回る、少し離れただけで落ち着かないなどの犬では、分離不安から吠えている可能性もあるでしょう。

(参考文献:Behavioural and Medical Differentials of Cognitive Decline and Dementia in Dogs and Cats|Canine and Feline Dementia

③外の音や気配に警戒している

窓や玄関の方向を気にして吠えている場合は、外の音や何かの気配に警戒して吠えているのでしょう。

犬は人よりも小さな音や高い音を聞き取れるため、飼い主さんには聞こえない音や外の気配を敏感に察知できます。

特に夜中は周囲が静かなぶん、昼間なら気にならない人の足音や車の音、ドアの開閉音などにも反応しやすくなります。

(参考文献:Stress-Related Behaviors in Companion Dogs Exposed to Common Household Noises, and Owners’ Interpretations of Their Dogs’ Behaviors|Front Vet Sci

④日中の運動不足やストレスが残っている

日中の運動や刺激が足りないと、体力を持て余して吠えることも珍しくありません。

散歩や遊びは、体力を発散させるだけでなく、気分転換やストレス解消にもなる大切な時間です。

十分に体を動かせなかったり、においを嗅いだりなどの刺激が少ないと、ストレスや欲求不満がたまり、夜になっても落ち着きにくくなります。

(参考文献:Effects of Environmental Enrichment on Dog Behaviour: Pilot Study|Animals (Basel)

⑤体調不良や加齢による変化が関係することもある

犬が夜中に吠えるのは、体調不良や加齢による変化が関係していることもあります。

痛みや体の不快感で眠ることができなかったり、つらさを飼い主さんに訴えるために吠えたりすることもあるでしょう。

また、高齢犬では認知機能の低下によって睡眠リズムが乱れ、夜鳴きをすることも珍しくありません。

突然吠え始めた場合は、獣医師に相談してください。

(参考文献:Medical Causes of Behavioral Signs|Merck Vet Manual

夜中に犬が吠えるときの対処法

犬が夜中に吠えることをやめさせるためには、吠え始めてから対応するのではなく、日頃から吠える必要がない環境を整えることが大切です。

夜中の吠えは、どれかひとつの対処法だけで改善するわけではありません。そのため、原因に合わせてできる対策から組み合わせて取り入れていきましょう。

また、犬の生活のリズムや習慣はすぐに変わるものではなく、改善までに時間がかかることもあります。すぐに結果が出ないからとあきらめず、焦らずゆっくり取り組みましょう。

ただし、対応が難しいと感じたときは、獣医師やトレーナーなどの専門家に相談してください。ここからは、夜中に犬が吠えるときの対処法を見ていきましょう。

①寝る前にトイレ・食事・水を確認する

寝る前にはトイレを済ませ、水をいつでも飲める状態にしておきましょう。

また、食事量や食事時間の見直しも大切です。1日に必要な食事量は犬の状態によっても異なります。カロリー計算を行い、愛犬に適切な量か確認してください。

さらに、夕食の時間が早すぎると夜中にお腹を空かせることがあるため、時間を少し遅らせたり、寝る前に少量の食事を与えてもいいでしょう。

②日中から夕方に運動や遊びの時間を作る

日中から夕方にかけて、愛犬が適度に体や頭を使える時間を作りましょう。

適度な散歩だけでなく、飼い主さんとの遊びや知育玩具、簡単なトレーニングなどを取り入れることで、適度に疲れて夜に眠りやすくなります。

ただし、寝る直前まで激しく遊ぶと興奮が残り、寝つきにくくなる犬もいるため、愛犬がなかなか落ち着かない場合は、遊びの内容を調整しましょう。

(参考文献:The cyclic interaction between daytime behavior and the sleep behavior of laboratory dogs|Sci Rep

③寝床の温度・明るさ・音を整える

寝床は、愛犬が落ち着いて休める環境に整えましょう。

室温や湿度はもちろん、床から伝わる冷気やエアコンの風が直接当たっていないかも確認してください。

【犬が快適に過ごせる室温の目安】

  • 室温…25℃前後
  • 湿度…50%程度

また、外の明かりや音が気になる場合は、窓や玄関から離れた場所へ寝床を移動させるのもいいでしょう。

ただし、犬によって快適に感じる環境は異なるため、愛犬の様子を見ながら調整してあげてくださいね。

④吠えた直後に構いすぎず、落ち着いて確認する

犬が夜中に吠えたときは、慌てて声をかけたり抱き上げたりせず、冷静に対応しましょう。

排泄したそうにしていないか、苦しそうな様子や普段と違う様子はないかなど、愛犬の状態を確認してください。

すぐに対応が必要なことがあれば対処し、要求があって吠えたと考えられる場合は必要以上にかまわないことも大切です。

夜中の吠え癖を悪化させやすいNG対応

夜中に犬が吠えると、早く静かにさせたい気持ちから、つい普段とは違う対応をしてしまうこともあるでしょう。しかし、対応の仕方によっては夜中の吠え癖を悪化させることも少なくありません。

また、家族によって対応が異なると、犬もどうすればよいのかわからなくなります。あらかじめ対応の仕方を話し合い、家族全員で同じように接することが大切です。

ここからは、夜中の吠え癖を悪化させやすいNG対応を見ていきましょう。

①大声で叱って犬をさらに興奮させる

犬が夜中に吠えても、大声で叱ったり怒鳴ったりするのはやめましょう。

飼い主さんの大きな声に驚き、恐怖や不安を感じたり、興奮が強まったりして、さらに吠えるようになってしまいます。

また、その場では一時的に静かになっても、吠えている理由が解消されたわけではありません。吠えるのを無理に抑えようとせず、落ち着いて対応することが大切です。

(参考文献:Behavior Modification in Dogs|Merck Vet Manual

②吠えるたびにおやつや抱っこで応じる

犬が吠えるたびに、おやつを与えたり抱っこしたりするのは避けましょう。

おやつや抱っこは犬にとってご褒美になり、「吠えればいいことがある」と覚えれば、同じ行動を繰り返すようになります。

また、声をかけたりそばに行ったりすることも、犬によってはご褒美になるため、反応の仕方にも注意が必要です。

③体調不良の可能性まで無視してしまう

夜中に吠えた時に「いつものことだから」と決めつけ、愛犬の状態を確認せずに無視することはやめてください。

突然夜中に吠えるようになったり、吠え方がいつもと違う、落ち着かず歩き回るなどの様子が見られるときは、体調不良の可能性もあります。

無駄吠えや吠え癖と決めつけず、早めに動物病院を受診することが大切です。

犬の夜中の吠え癖に関するよくある質問

Q1.夜中に吠える犬は無視すればやめますか?

無視すれば必ずやめるわけではありません。もちろん、飼い主さんの反応がご褒美になっている場合は、応じないことで吠えることが減ることはあります。しかし、別の理由で犬が吠えている場合は、無視しても何の解決にもなりません。まずはなぜ吠えるのかを考え、愛犬の様子を見ながら対応することが大切です。

Q2.老犬が夜中に吠えるのは認知症ですか?

老犬が夜中に吠えるからといって、認知症とは判断できません。犬の認知症(認知機能不全症候群)では夜鳴きが見られることがありますが、加齢による感覚の衰えや体調不良などが原因となっていることもあります。老犬が夜中に吠えるようになった場合は認知症と決めつけず、まずは動物病院で原因を確認してもらいましょう。

Q3.近所迷惑になりそうなときはどうすればいいですか?

近隣の住人に事情を説明しておくといいでしょう。直接話しにくい場合は、手紙で伝える方法もあります。筆者も手紙で伝えた経験がありますが、知らせておくことで事情を理解してもらえましたよ。また、犬の寝床を隣室との壁や窓から離す、防音マットや厚手のカーテンを使うなど、音が外へ伝わりにくい環境を整えることも大切です。

【まとめ】犬の夜中の吠え癖は原因に合わせて対処し、困ったときは専門家に相談しよう

犬が夜中に吠える理由はさまざまで、そのときの状況や犬の状態によっても異なります。

早く静かにさせることだけを考えず、愛犬の様子をよく見ながら、必要な対策を取り入れていきましょう。

対処を続けても改善が見られない場合や原因を判断できない場合は、自分だけで解決しようと思わず、まずは獣医師に相談することが大切です。

犬にとって吠えることは自然な行動です。無理にやめさせようとせず、愛犬が安心して過ごせるように向き合っていきましょう。

監修者コメント
監修者の写真

筆者の愛犬たちも、夜中に吠えることがありました。寝たきりになった愛犬は、水を飲みたいときやトイレに行きたいときに吠え、別の愛犬は認知機能の低下による夜鳴きです。同じ夜中の吠えでも、理由によって必要な対応はまったく異なります。普段の様子や吠える前後の行動をよく観察し、何を訴えているのかを考えてあげることが大切です。夜中の吠えは、愛犬からの大切なサインですよ。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

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