猫がご飯食べないのにチュールを食べるのはOK?考えられる原因について解説

      2026/07/21

猫がご飯を食べないのにチュールは食べる。愛猫のそんな様子を見ると、「少しでも食べているから大丈夫かな?」と思いたくなりますよね。

実際、もともと猫はとても食事にこだわりが強いため、気に入らないものは口にしないということも珍しくありません。

また、まったく何も食べないのではなくチュールは食べるなら、いつものご飯に飽きただけなのかわがままなのか、はたまた体調不良が原因なのかの見極めも難しいのではないでしょうか。

しかし、チュールは食べるからといって、いつまでもそのまま様子を見続けることには注意が必要です。
この記事では、猫がご飯を食べないのにチュールは食べるときに考えられる原因やすぐに動物病院へ行くべき危険なサインをペットの食の専門家が解説します。

この記事でわかること
  • チュールを食べても安心とは言い切れない理由
  • ご飯を食べないのにチュールだけ食べる主な原因
  • 嘔吐・下痢・ぐったりなど受診すべきサイン
なっきー

【執筆】なっきー(ペット専門家・ライター)

ペットケアライター。犬猫に関する資格を多数保有するほか、海外のペット関連講座も複数修了。犬猫に関する記事の執筆・監修、ペット用品の商品開発アドバイスなどに携わる。現在も複数の愛犬と暮らしている。

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【結論】チュールを食べられても「安心材料」にはなりきらない

結論からいうと、チュールは食べることができていても安心材料にはなりません。

猫がいつものご飯を食べないということは、何らかの異変が起きている可能性があります。

猫の「ご飯を食べない」という症状は、ストレスや口腔トラブル、消化器や腎臓などの病気でも見られるため、チュールを食べるからもう少し様子を見ていてもいいとは言えないのです。

(参考文献:Anorexia|Cornell Feline Health Center

チュールは食べる=完全な食欲ゼロではない

チュールは食べるということは、食欲が完全に失われているわけではなく、条件が合うものなら食べられるという状態にあるのかもしれません。

しかし、注意しなければいけないのは、チュールだから食べられている可能性も否定できないという点です

わがままなのか体調不良かどうかを見分けることを難しくさせているため、食べているように見えても正常な食欲とは別に考える必要があります。


(参考文献:Anorexia in Cats|World-Class

なぜ猫はご飯を食べないのにチュールだけは食べるのか?

通常、猫はストレスや病気などの原因があると、ご飯を食べなくなる傾向にあります。

それなのに、なぜチュールは食べるのでしょうか。

そこには、普段のご飯とは異なるチュールならではの特徴が関係していると言えます。

「嗜好性(匂いと味)」が脳の食欲を刺激する

チュールには、猫の食欲を刺激しやすい香りとうま味があります。

もともと猫は人より味を感じる味蕾が少なく、甘味はほぼ感じません。

その一方で、肉やうま味のある食べ物を好む傾向にあります。

そのため、チュールのような主原料に魚や肉をたっぷり使用した食品は、香りとうま味の刺激が脳に「食べたい」という信号を送りやすく、チュールだけは食べることがあるのです。

(参考文献:Understanding your young cat’s taste buds|World-Class

「喉の痛み」や「不快感」があっても飲み込める

チュールは滑らかな食感で噛む必要がないため、喉や口に違和感がある猫でも口にしやすい食べ物です。

喉や口の中に痛みや不快感があると、猫は噛む動きや口を大きく使う食事を負担に感じることも少なくありません。


その点、チュールは口当たりがやわらかく、飲み込みやすいため、形のあるご飯より受け入れられやすいのです。

水分量が多く、脱水気味の猫でも受け入れやすい

チュールは約90%が水分でできているため、脱水気味の猫でも受け入れられやすいと言えます。

猫が脱水気味になると元気や食欲が落ちたり、口の中が乾いていて食べづらさを感じていることも珍しくありません。

そのため、水分量の多いチュールは水分不足や口の中の乾きがあるときでも受け入れやすく、食べてもらいやすいのです。
(参考文献:Hydration|Cornell Feline Health Center

【チェックリスト】すぐに動物病院へ行くべき危険なサイン

猫に以下のようなサインが見られるときは、すぐに動物病院を受診しましょう。

  • チュール以外の「水」も飲まない、または異常に飲む
  • 何度も吐く(嘔吐)や下痢、お腹を痛がる様子がある
  • 元気がなく、おもちゃへの反応が鈍い(ぐったりしている)
  • 尿の色が濃い、または出にくい(脱水のサイン)

これらがどうして危険なのか、ここで詳しく解説します。

チュール以外の「水」も飲まない、または異常に飲む

猫の水の飲み方が普段と違うときは、体に異常が起きている可能性が高いです。

まったく水を飲まない場合は体調が急激に悪化するおそれがあり、反対に急にたくさん飲む場合も、腎臓や糖代謝、ホルモンバランスなどに異常が起きていることがあります。

こうした変化は命にかかわる病気の症状で見られることもあるため、見逃さないようにしてください。

何度も吐く(嘔吐)や下痢、お腹を痛がる様子がある

猫が何度も吐いたり下痢が続く、背中を丸めてうずくまるといったお腹を痛がる様子が見られるときは、一時的な不調から重い病気までさまざまなことが考えられます。

嘔吐や下痢が続くと脱水や衰弱が進みやすく、短時間で状態が悪化することもあるため注意が必要です。

特に子猫や老猫では命にかかわることもあるので、早急に動物病院を受診しましょう。

元気がなく、おもちゃへの反応が鈍い(ぐったりしている)

猫の元気がなく、おもちゃに反応しない、呼んでも動かないといった様子が見られるときは、食欲低下だけでなく全身状態が悪化している可能性があります。

もともと猫は弱っている様子を見せると外敵に狙われやすくなるため、体調が悪くても普段どおりにふるまおうとする動物です。

そのため、ぐったりしている様子が見られるときは、見た目以上に体調が悪化していると考えられます。

尿の色が濃い、または出にくい(脱水のサイン)

尿の色がいつもより濃い、量が少ない、何度もトイレに行くのに出にくそうにしているときは、脱水が進んでいたり、泌尿器に異常が起きている可能性があります。

特に、出したそうにしているのに出ない状態は尿道閉塞などの緊急性の高い病気であることも珍しくありません。

また、重度の脱水になると全身状態が急激に悪化して、命にかかわることもあります。

(参考文献:Feline Lower Urinary Tract Disease|Cornell Feline Health Center

「猫 ご飯食べない チュールは食べる」に関するよくある質問

Q1.総合栄養食のチュールなら主食代わりにしてもいいですか?

猫が1日に必要な給餌量を与えられるなら、総合栄養食のチュールを主食代わりにしても問題はありません。ただし、総合栄養食のチュールの1本のカロリーは約14kcalです。体重4kgの猫は1日に約238〜277kcalが必要となるため、17〜20本を食べてもらう必要があります。とはいえ、問題はチュールしか食べない理由です。わがままなのか体調不良なのか、栄養が足りているかだけでなく、普段のご飯を食べない原因もあわせて確認しましょう。

(参考文献:Daily Maintenance Energy Requirements for Dogs and Cats|merckvetmanual

Q2.猫は餌食べないで何日もつ?

「何日もつか」で判断するのは危険です。猫が24時間以上ほとんど食べていない場合は、早急に動物病院を受診してください。猫ではほとんど食べない状態が続くと、体がエネルギーを補うために脂肪を急いで使い始め、その負担で肝臓に脂肪がたまる「肝リピドーシス」を起こすおそれがあります。肝リピドーシスは長期的な治療が必要になるほか、治療が遅れたり無治療では命にかかわることもあり、早めの対応が欠かせません。

(参考文献:Recognizing the Signs of Illness in Cats|World-Class

Q3.猫がしんどい時のサインは?

猫がしんどい時は、以下のようなサインが見られることがあります。

  • 食欲が落ちた
  • いつもより動かない
  • 表情や反応が乏しい
  • 隠れて過ごす時間が増える
  • 毛づくろいをしなくなる
  • 落ち着きがなくなる、または寝てばかりいる
  • 食事やトイレなど日常の行動がいつもと違う

猫は不調を隠しやすいため、はっきりした症状より先に「なんとなくいつもと違う」と感じることも少なくありません。

小さな変化でも、違和感を覚えたときは獣医師に相談することが大切です。

【まとめ】猫の「食べない」はSOS。迷ったらすぐに獣医師へ相談を

猫がご飯を食べないのにチュールは食べる場合、まったく食欲がないわけではなくても、体のどこかに不調を抱えている可能性があります。

チュールは肉や魚の味を感じやすく、なめらかで食べやすいため、猫の口や喉の違和感があるときや体調が落ちているときでも食べられてしまうことも少なくありません。

だからこそ、「チュールを食べているから大丈夫」と考えず、ご飯を食べない状態とあわせて確認することが大切です。

愛猫に少しでもいつもと違う様子が見られるときは、軽く考えず早めに獣医師へ相談しましょう。

監修者コメント
監修者の写真

猫がご飯を食べないときは、何をどれくらい食べたかだけでなく、食べ方にも注目することが大切です。においを嗅ぐのに口をつけないのか、口をつけても途中でやめてしまうのか、口を気にしてないかなど、ちょっとした変化も受診時に伝えられると獣医師の診断の参考になるでしょう。また、チュールは食べる場合でも安心しすぎず、水の飲み方や元気の有無、排泄の様子まであわせて見ることが大切です。この記事が愛猫の異変に気付くきっかけになれば幸いです。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

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