2026/06/13
愛猫が腎不全になり、毎月の治療費が高額でお金がないと悩む飼い主さんは少なくありません。
実際、猫の腎不全(慢性腎臓病)は、点滴や内服薬、定期検査などが長期的に必要で、治療費の負担が大きくなる傾向にあります。
さらに、獣医師から療法食の指示があれば、食事の変更も必要になりますね。
とはいえ、お金がないからといって、治療をしない選択は愛猫のためにも避けたいというのが本心でしょう。
治療を続けたい気持ちはあっても、毎月の支払いが重なると「この先も続けられるのだろうか」と不安になるのは自然なことです。
だからこそ、今かかっている費用を見直したり、負担を減らす方法や優先すべきケアを知っておきたいところ。
そこでこの記事では、猫の腎不全でお金がないときの対処法や、治療費が払えないときの選択肢について解説します。
目次
【結論】「治療費が払えない=治療を諦める」ではない
猫の腎不全で治療費が払えないときでも、お金がないから治療を諦めるという選択はしないようにしてください。
腎不全が進行すると、腎臓で老廃物や毒素を十分に排出できなくなり、それらが体内にたまって尿毒症を引き起こすことも少なくありません。
尿毒症になると、強い吐き気や食欲不振、口の中の潰瘍などの症状が起こり、愛猫に大きな苦痛を与える原因になります。
(参考文献:Renal Dysfunction in Dogs and Cats|msdvetmanual)
まず毎月の費用を見直す
まずは、毎月どの治療にいくらかかっているのかを見直してみましょう。
猫の腎不全では、診察代、血液検査、皮下点滴、内服薬、療法食など、複数の費用が継続的にかかります。
内容によっては、見直すことで負担を抑えられる場合も少なくありません。
ただし、自己判断で見直すと愛猫の状態が悪化するおそれがあるため、必ず獣医師に相談してください。
愛猫が腎不全でお金がない時の対処法①お金がない時でも「脱水」と「吐き気」のケアは最優先で
お金がない時でも、脱水対策と吐き気のケアは最優先で行いましょう。
猫の腎不全では、多尿によって体内の水分が失われやすく、脱水を起こしやすくなります。
脱水が進むと腎臓への負担がさらに大きくなり、ぐったりする、食欲が落ちるなど体調の悪化につながることも珍しくありません。
また、腎不全のステージが進行すると、吐き気や嘔吐が見られることもあります。
吐き気によって食事や水分を受け付けにくくなると、脱水や体力低下がさらに進むため、皮下点滴や吐き気止めなど、必要なケアを獣医師に行ってもらうことが大切です。
(参考文献:Chronic Kidney Disease in Cats|vcahospitals)
愛猫が腎不全でお金がない時の対処法②「食べて体力維持」を優先
愛猫が食べられるなら、まずはしっかり栄養を摂って体力を維持してもらいましょう。
腎不全は食欲の低下がおきやすいですが、十分な食事量を確保できない状態が続くと、体重や筋肉量が減少します。
体重減少は、腎不全の猫にとって単なる「痩せ」ではなく、全身状態に関わる重要な問題です。
実際、慢性腎不全の猫を対象に行った研究では、体重減少が生存期間の短縮と関連していると結論付けられました。
そのため、療法食を食べない場合は、獣医師に相談したうえで、一般食や嗜好性の高いフードを一時的に活用するなど、食べてもらうことを優先しましょう。
(参考文献:Evaluation of Weight Loss Over Time in Cats with Chronic Kidney Disease|J Vet Intern Med)
愛猫が腎不全でお金がない時の対処法③個人輸入を利用する
腎不全の治療では薬が必要になることもありますが、獣医師に相談のうえ、個人輸入を利用するのもひとつの方法です。
猫の腎不全では、症状や検査結果に応じて、ラプロスやセミントラ、フォルテコールなどの薬が使用されたり、吐き気止めや食欲増進剤が使用されることがあります。
こうした薬は動物病院で処方してもらうより、個人輸入代行サイトなどを利用して購入したほうが薬代を抑えられるでしょう。
ただし、同じ腎不全でも必要な薬は猫によって異なります。自己判断で薬を変更せず、必ず獣医師に薬の名前や有効成分、用量を確認したうえで利用してください。
猫の腎不全の治療費が払えない時の現実的な選択肢
お金がない時は、「どうしよう」という気持ちが先走って、冷静に考えれば利用できる選択肢があることに気づきにくいものです。
ここでは、猫の腎不全の治療費が払えないときの現実的な方法を見ていきましょう。
動物病院に分割払い・支払い時期の相談をする
治療費の支払いが難しい場合は、動物病院に相談してみましょう。
すべての動物病院が対応しているわけではありませんが、分割払いに応じてくれたり、支払い時期を調整してくれることもあります。
継続通院している病院であれば、事情を考慮してもらえることも少なくありません。
「お金がない」と通院をやめる前に、正直に相談することが大切です。
クレジットカードを使う
クレジットカード払いに対応している動物病院であれば、カード決済を利用する方法もあります。
一括での支払いが難しい場合でも、カード会社側で分割払いやリボ払いに変更できるため、支払いの負担を軽減できるでしょう。
また、銀行によってはペットの医療費ローンを用意しているので、相談してみるのもひとつの方法です。
クラウドファンディングを検討する
どうしても自分で治療費を工面することが難しい場合は、クラウドファンディングを検討しましょう。
実際に、猫の治療費を集めるためにクラウドファンディングを利用する飼い主さんも珍しくありません。
とはいえ、必ず支援が集まるとは限らない不確かなものです。そのため、必ず治療費が用意できる方法とは言えず、慎重に考える必要があります。
とにかく動物病院へ連れていった方が良い症状
治療費が心配でも、腎不全の症状によってはすぐに受診したほうがよいこともあります。
受診を迷っている間に状態が悪化すると、治療費がさらにかかるだけでなく、愛猫の命にもかかわります。
ここでは、緊急性の高い症状を確認しておきましょう。
ぐったりしている
愛猫がぐったりして動かない、呼びかけへの反応が弱い、横になったまま起き上がれない場合は、緊急性の高い症状です。
猫の腎不全では、脱水や尿毒症、貧血、電解質の乱れなどによって、急に元気がなくなることも珍しくありません。
普段より明らかに反応が鈍い場合は、体の中で深刻な異常が起きている状態です。
呼吸が苦しそう
愛猫の呼吸が速いときや口を開けて呼吸している場合は、とても危険な状態です。
猫は通常鼻呼吸で、犬のように口を開けて呼吸することはほとんどありません。
そのため、開口呼吸が見られるときは呼吸困難の可能性があります。
腎不全の猫では、貧血や高血圧による心臓への負担などが関係することもあり、様子を見るべき症状ではありません。
(参考文献:Dyspnea (Difficulty Breathing)|Cornell Feline Health Center)
尿が出ない・極端に少ない
愛猫の尿がまったく出ていなかったり、極端に少ない場合も注意が必要です。
腎臓の機能が著しく低下すると、腎臓で尿を作る働きが弱まり、尿量が極端に減ることがあります。
尿が十分に出ないと、本来排出されるはずの老廃物が体内にたまり、尿毒症を起こすことも珍しくありません。
尿毒症は全身に悪影響を及ぼすだけでなく、命にかかわる深刻な状態です。
「猫 腎不全 お金 がない」に関するよくある質問
Q1.お金がなくて治療をやめる(諦める)のは悪いことですか?
悪いこととは言えませんが、自己判断で急に治療をやめることは避けましょう。経済的な事情で、十分な治療を続けることが難しい飼い主さんは少なくありません。しかし、腎不全は進行すると、脱水や尿毒症によって愛猫が苦しむ可能性があります。費用が厳しい場合は、治療をやめる前に獣医師へ相談することが大切です。愛猫のためにも、優先すべきケアや限られた予算内でできる方法を一緒に考えてもらいましょう。
Q2.動物病院でクレジットカードの分割払いやローンは使えますか?
クレジットカードの分割払いやローンの対応は動物病院によって異なります。とはいえ、クレジットカードはカード会社側で支払回数の変更ができるため、心配することはないでしょう。それよりも、動物病院によっては現金払いしか対応していなかったり、クレジットカードは非対応でも電子マネーは対応しているなど、支払方法がさまざまです。急な受診で焦らないよう、事前にHPで確認したり、問い合わせをして確認しておきましょう。
Q3.クラウドファンディングで治療費を募集するとおかしいですか?
おかしいことではありませんが、最終手段として慎重に検討しましょう。実際に、愛猫の治療費を集めるためにクラウドファンディングを利用する飼い主さんはいます。ただし、SNSなどで拡散されることで、批判的な意見を受ける可能性は否定できません。また、必ず支援が集まるとは限らず、すぐに治療費を用意できる方法でもないため、まずは動物病院への相談やほかの支払い方法を検討したうえで判断することが大切です。
【まとめ】限られた予算内でも十分に愛猫の苦痛を取り除くことは可能
猫の腎不全は長期的なケアが必要になり、治療費の不安を感じるのは自然なことです。
猫ではありませんが、筆者の愛犬2匹も腎不全で毎日の点滴や検査、入院など、治療費を用意するのに必死だったこともありました。
獣医師に相談したところ、通院頻度を減らせるように自宅輸液を提案され、費用面だけでなく通院の負担も軽くすることができましたよ。
このように、相談することで費用や通院の負担を抑えながら、必要なケアを続けられる場合があります。
使えるお金が限られていても、愛猫の苦痛をやわらげるためにできることを、獣医師と一緒に考えていきましょう。
参考情報
関連記事
-
-
猫がお腹の上で寝る理由とは?重くて動けない時の対処法を解説
愛猫がゴロゴロと喉を鳴らしながらお腹の上で寝る。 その姿はたまらなく愛おしい反面、「重くて動けない」「これって私への最高の信頼の証なの?」と、その特別な行動の理由を知りたいと思っていませんか? 猫が飼 …
-
-
猫が足を噛む理由は?飼い主のしつけで直るのか解説
猫が突然足元に飛びついてきて噛んでくる、寝ていると足を噛まれて飛び起きた…そんな経験のある飼い主さんは多いのではないでしょうか。 猫が飼い主の足を噛むのは子猫によく見られる行動ですが、成猫でも足を噛む …
-
-
ラガマフィンはでかい!実際の大きさや性格などの特徴について解説
大きな体にふわふわの被毛と優しい表情が魅力のラガマフィン。おっとりした性格で人懐っこい猫としても知られ、近年人気が高まっている猫種のひとつです。 しかし、インターネット上には「飼いにくい」「性格が悪い …
-
-
猫がご飯食べないのにチュールを食べるのはOK?考えられる原因について解説
猫がご飯を食べないのにチュールは食べる。愛猫のそんな様子を見ると、「少しでも食べているから大丈夫かな?」と思いたくなりますよね。 実際、もともと猫はとても食事にこだわりが強いため、気に入らないものは口 …
-
-
猫に好かれる方法5選!男性女性で差があるのか解説
自由気ままでツンデレ。そのマイペースさがたまらなく可愛い猫ですが、なかなか懐いてくれないと「もしかして嫌われている…?」と心配になりますよね。 猫は人に対して感情をあまり表に出さないため、本心が分かり …
腎不全の治療では、愛猫がどれだけ穏やかに過ごせるかも大切です。治療費の負担が大きいと、飼い主さん自身も精神的に追い詰められてしまうでしょう。しかし、飼い主さんのお金の問題と、愛猫が病気で苦しんでいる問題は分けて考える必要があります。愛猫の命を預かっている以上、費用の不安があるからといって愛猫の苦痛を放置してよい理由にはなりません。治療費の負担を抑える方法もあるため、できる選択肢を探してみましょう。
監修・うさパラ コンテンツ制作チーム