レンタル犬は、犬を飼うことができない人や、「犬がいる生活」をシミュレーションしたい人に人気のサービスです。
衝動的にお迎えして犬との暮らしの大変さを知り、「こんなはずじゃなかった」と手放す人が後を絶たない今、飼育放棄の軽減につながるのではないかと注目されています。
しかし、インターネット上には「ひどい」「かわいそう」といった意見も多く見られ、どうしてレンタル犬がひどいと言われているのか気になっているのではないでしょうか。
この記事では、レンタル犬がひどいと言われる理由や、迎え入れる前に気を付けたい点について解説します。
レンタル犬の利用に適しているケースもご紹介しているので、お迎えを検討している人は参考にしてください。
【監修】うさパラ コンテンツ制作チーム
犬猫ペットのお薬通販輸入代行うさパラのコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。 薬剤師 ・獣医師が在籍。
目次
レンタル犬がひどいと言われる理由5選① 不特定多数との接触による過度なストレス
レンタル犬は、常に新しい人間や環境、匂い、音などの刺激を受け続けるため、大きなストレスにつながる心配からひどいと言われています。
犬は本来、安心できる環境で適度な刺激があることが、心身の健康維持に不可欠です。
実際に海外の研究では、保護施設の犬やセラピードッグのような不特定多数の人と接触する犬のストレスを緩和するためには、適切な管理が不可欠という結論に至りました。
レンタル犬は預けられると管理する人がおらず、環境の変化が繰り返されるため、過度なストレスがかかってしまう可能性があります。
レンタル犬がひどいと言われる理由5選② 過労
犬は日中でも睡眠や休息を多く必要とする動物ですが、レンタル犬は十分な休息が取れない状態になることも多く、過労を心配してかわいそうという声も少なくありません。
実際、睡眠や休息が十分ではないと、心身の健康に悪影響を及ぼすという研究報告もあります。
日本では、2021年6月に動物愛護管理法が改正され、ペットショップなどの展示動物に対しての休憩時間の確保が義務化されました。
これはレンタル犬にも当てはまりますが、利用者に預けられた瞬間にお迎えした人の意識に委ねられることとなるため、十分な休息が取れずに疲労やストレスが蓄積されてしまうのです。
レンタル犬がひどいと言われる理由5選③ しつけ不足
レンタル犬は粗相や吠えなどが見られることも多く、十分なしつけや社会化トレーニングができていなくてひどいと言われることもあります。
でも、考えてみてください。どれだけしつけられていても、頻繁に環境が変わる状況に犬が完全に対応し続けることは、簡単なことではありません。
混乱や緊張によって粗相や吠えなどが見られているだけなのに、しつけができていない犬として怒られれば、さらに犬がストレスで粗相や吠えをするという悪循環に陥るでしょう。
これはしつけ不足かどうかの前に、人間側がレンタル犬に過剰な適応を求めていることが問題と言えます。
レンタル犬がひどいと言われる理由5選④ 感染症や怪我のリスク管理への懸念
レンタル犬は不特定多数の人と頻繁に接触するため、感染症や怪我のリスクが常に伴うことも、ひどいと言われる理由の一つでしょう。
毎年のワクチン接種や通年のノミダニ予防、定期的な健康診断など、犬の健康管理が徹底されていない場合では、犬同士や人との接触で感染症になったり、重症化してしまう可能性も否定できません。
また、犬の扱いに慣れていない利用者が、無理に抱っこしたり手足を引っ張るなどをすれば、首や関節への負担はもちろん怪我につながることもあります。
こうしたリスク管理や体制は、犬の安全よりも人間の都合が優先されているとして問題視されています。
レンタル犬がひどいと言われる理由5選⑤ 引き離される「人間のエゴ」
レンタル犬がひどいと言われる最大の理由は、人間の都合によって繰り返し引き離される生活そのものです。
「癒されたい」「触れ合いたい」「一緒に暮らしてみたい」という人間の欲求が優先されるため、人間のエゴではないかと非難する声も少なくありません。
犬は社会性の高い動物なので、比較的早く仲間意識を持ちやすい傾向にあります。
慣れかけた環境や人から何度も引き離されることは、仲間かもしれない人が次々と消えていくという体験となり、その心理的負担は計り知れません。
レンタル犬を迎え入れる前に気を付けたい点
レンタル犬がひどいと言われる理由を踏まえたうえで、レンタル犬サービスを利用したい場合はどうしたら良いのでしょうか。
ここでは、レンタル犬を迎え入れる前に気を付けたいことを見ていきましょう。
「命を預かる責任」を持つ
まずは、「命を預かる」という責任を持ってください。
「レンタル」という言葉そのものに問題がありますが、犬は物ではなく自分の意思を持つ命ある存在です。
接し方や生活環境などを間違えれば、心身に大きな影響を与えることもあります。
犬の安心と安全を最優先に考えることが求められることを、常に忘れないようにしましょう。
ストレスサインを見逃さない
犬はストレスを感じると行動で表してくれるため、下記のようなストレスサインを見逃さないようにしてください。
- あくびをする
- 自分の鼻を舐める
- 視線をそらす
- 震える
- クンクンと鳴く
- ハァハァと荒い呼吸をする
- 過剰に吠える
- 執拗に足先を舐める など
こうしたサインが見られるときは、必要以上にかまったり無理をさせないことが大切です。
<参考文献:Perception of dogs’ stress by their owners|Journal of Veterinary Behavior>
無理な連れ回しや撮影を強要しない
レンタル犬との生活に嬉しくなって、いろいろやってみたいと思うかもしれませんが、無理な行動を強要することはやめてください。
長時間連れ回したり、写真や動画の撮影で無理なポーズを取らせたり、嫌がるのに服を着せるなどは、犬の心身の負担が大きくなるだけです。
犬によってできること・できないことは異なるため、犬のペースを尊重してあげましょう。
レンタル犬利用に適したケース
レンタル犬サービスの利用が絶対にダメなのかというと、そういうわけでもありません。
場合によっては、レンタル犬を迎えることが良いこともあります。
ここでは、レンタル犬利用に適したケースを見ていきましょう。
飼育の予行演習
犬との暮らしを考えている人にとって、どんな生活リズムになるのか、どんなお世話が必要なのかなど、飼育の予行練習になるでしょう。
犬との生活は「かわいい」だけではなく、大変なこともたくさんあります。
本当に自分は犬と暮らせるのかを見極める機会を持つことは、結果として不幸になる犬を減らすことにもつながります。
事情があって「飼えない」
転勤が多い、家族が反対している、飼育可能な住環境ではないなど、事情があって犬と暮らせない人では、レンタル犬利用もありでしょう。
レンタル犬サービスは、数時間や1日のものから、1週間や1ヶ月という利用期間を設けているところもあります。
ただし、短時間であっても責任ある関わり方を意識することが大切です。
子供の教育や特別な体験
子供の教育や特別な体験として、レンタル犬利用を検討してもいいでしょう。
犬との触れ合いは感性を磨き、思いやりや共感力、命を大切にするといった情操教育(じょうそうきょういく)になると考えられています。
ただし、あくまでも主役は犬です。犬に危険がないよう目を離さず、犬の意思や体調を最優先にしてください。
「レンタル犬がひどい」に関するよくある質問
Q1.レンタル犬は日本の法律的に問題ないの?
A.第一種動物取扱業の「貸出し業」として登録し、きちんと基準を守って運営していれば法律的な問題はありません。たとえば、タレント犬やモデル犬、展示会やイベントなどへの派遣、セラピー犬の派遣なども動物の貸出し業です。ただし、無登録で犬を貸し出したり、健康管理や安全管理などを怠ると、行政指導や登録取り消しの対象となります。とはいえ、行政の監視や取り締まりが十分に追いついていないことは否定できません。
Q2.吠える・噛むなどトラブルが出たら誰の責任?
A.レンタル犬が吠える・噛むなどでトラブルが起こったときは、民法第718条に基づき、レンタルしていた利用者(占有者)の責任になります。ただし、状況によってはレンタル業者(所有者)も適切な管理指示をしていたかなどの管理義務を問われることもあり、その場合は利用者とレンタル業者の両方が責任を負う可能性が高いです。どちらにしても、借りているだけであっても法的責任はあるため、十分な注意と配慮を行いましょう。
Q3.レンタル犬、卒業後の犬はどうなる?
A.レンタル犬の卒業後の扱いについて、法律上の規定はないため、事業者によって異なります。譲渡先を探す事業者もいれば保護施設に入れる事業者もおり、必ずしもすべての犬が幸せな余生というわけではありません。レンタル犬は生後3ヶ月頃から7歳頃くらいまでが多く、シニア期に入ってからの里親探しは難しくなる傾向にあります。中にはレンタルしてそのまま譲渡可能としている事業者もあるので、みんなそうだといいですね。
【まとめ】レンタル犬が「ひどい」かどうかは、業者の質と利用者の意識で決まる
レンタル犬がひどいと言われてしまうかどうかは、業者の質と利用者の意識に大きく左右されると言えるでしょう。
犬の性格や体調に配慮されずに貸し出されれば、犬にとって大きな負担になるのは明白です。
また、利用者側も、物を預かるような気持ちで接すれば、さらに負担を増やしてしまうことになります。
人間の都合で犬を振り回していいのか、一度立ち止まって考える必要があるのかもしれません。
とはいえ、飼育放棄の一端を担っているということも事実です。
だからこそ、レンタル犬とどう向きあうかが、いま私たちに問われていると言えるのではないでしょうか。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム