つぶらな瞳や鼻ぺちゃな顔が愛らしいフレンチブルドッグは、世界中でも高い人気を誇る犬種ですが、残念ながら売れ残りになってしまうこともあります。
売れ残りと聞くと、「何か問題がある犬種なのでは?」と心配になる人もいるのではないでしょうか。
実際、筆者自身も20年前にペットショップで売れ残った7ヶ月齢のミニチュアダックスフンドをお迎えしたとき、店員に「病気があるとか、体が弱いとかですか?」と聞いたことがあります。
しかし、よくよく話を聞くと、犬自身に何も問題はなく、「人間側の都合」であることがわかりました。
そこでこの記事では、フレンチブルドッグが売れ残りになる理由と、誤解されやすいポイントについて解説します。
フレンチブルドッグのお迎えを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
【結論】フレンチブルドッグの「売れ残り」は性格の悪さではない
結論から言ってしまうと、フレンチブルドッグの売れ残りは、性格の悪さが原因で起こることはありません。
フレンチブルドッグは基本的に、とても友好的で温和、優しくて甘えん坊という家庭犬にぴったりな性格の子が多い傾向にあります。
もちろん、短頭種であるフレンチブルドッグは体質上ケアに配慮が必要な犬種ではありますが、これは個体の問題とは別の話です。
では、なぜ売れ残りが起きるのか。それは、子犬の価値ではなく需要とのズレによって起こっています。
また、近年はブリーダーがYouTubeやSNSで子犬を紹介することも増え、「売れ残り」と表現されることも多くなりました。
これは一定期間内に飼い主が決まっていない状態をアピールしているだけで、性格や健康に問題があることを意味しているわけではないため、誤解しないようにすることが大切です。
価格・月齢・流行・販売側の事情で起きやすい
そもそも子犬の販売は、犬そのものの性格や資質だけで決まるわけではありません。
購入希望が集まりやすい時期や月齢があり、そのタイミングを外れると飼い主が決まるまで時間がかかることがあります。
さらに流行や問い合わせ状況、販売側の都合なども重なり、「売れ残り」と呼ばれる状態になることは珍しくありません。
フレンチブルドッグ売れ残りの理由①価格が高くなりやすい
フレンチブルドッグは、ほかの犬種と比べて価格が高くなりやすいため、売れ残りやすくなります。
フレンチブルドッグは頭部が大きく骨盤が狭いという体の構造上、繁殖や出産がとても難しい犬種です。
- 自然交配が難しく人工授精になることが多い
- 冷凍された精液を使う場合は開腹手術で子宮内に入れる
- 自然分娩が難しくほぼ帝王切開になる
そのため、繁殖や出産にかかる費用や管理コストが高額になりやすく、それが販売価格の高さにつながっています。
価格が高いと購入を検討する側もすぐに決断しにくく、飼い主が決まるまでに時間がかかってしまいます。
フレンチブルドッグ売れ残りの理由②月齢が進みやすい
フレンチブルドッグは、体調管理に配慮しながら販売されることも多く、月齢が進みやすいため売れ残りのように見えることがあります。
一般的に子犬は、生後2〜3ヶ月頃が最も迎えられやすい時期です。
その時期は体が小さく子犬らしい印象が強いため、購入希望者が集中しやすい傾向にあります。
しかし、フレンチブルドッグは、金額面での検討にも時間がかかる傾向にあるため、その間にどんどんと月齢が進んでしまうことも珍しくありません。
見た目の印象が変わっただけで問い合わせが減り、売れ残りと呼ばれてしまうこともあります。
(参考文献:Dog Pups’ Attractiveness to Humans Peaks at Weaning Age|Taylor & Francis Online)
フレンチブルドッグ売れ残りの理由③流行・タイミング
フレンチブルドッグは人気犬種ですが、流行や販売のタイミングがずれることで売れ残りやすくなることがあります。
実は、需要は常に同じではありません。
テレビやSNSで特定の犬種や毛色が注目される時期には問い合わせが集中し、タイミングがずれると検討が先送りされると言えば想像しやすいのではないでしょうか。
また、引っ越しシーズンや長期休暇前など、お迎えが増える時期を外れると、飼い主が決まりにくくなります。
こうした需要の波と販売のタイミングのズレによって、いつまでも売れ残っているように見えることもあります。
フレンチブルドッグ売れ残りの理由④見た目の好みで選別されやすい
フレンチブルドッグに限った話ではありませんが、子犬は見た目の印象が大きく影響するため、好みの差によって売れ残りが起きてしまうことがあります。
毛色や模様、顔のバランス、耳の形などで選ばれる傾向があり、特定のカラーやかわいらしい印象の子に問い合わせが集中しやすくなります。
実際、筆者の愛犬が売れ残っていた理由も、「鼻の色が黒くないから人気がない」というものでした。
犬は成長と共に印象が変わることも多いものの、子犬選びではどうしても第一印象が優先されやすいため、売れ残りになってしまう子も少なくありません。
フレンチブルドッグ売れ残りの理由⑤販売側の事情(仕入れ・繁殖計画・在庫調整)
フレンチブルドッグの売れ残りは、販売側の事情によって起きることもあります。
ペットショップで、同じ犬種が複数同時に並んでいることを見かけたことがあるのではないでしょうか。
ペットショップの仕入れのタイミングが重なったり、ブリーダーの繁殖計画によって特定の時期に子犬が集中することも珍しくありません。
さらに、販売スペースや管理体制には限りがあるため、どうしても新しく入った子が注目されて、先にいた子が売れ残りのように見えてしまうこともあります。
こうした流通や管理上の都合によって、迎えられるタイミングが左右されてしまいます。
誤解されている点を整理
フレンチブルドッグは「売れ残り」という言葉から、性格や行動に問題があると思われていることも少なくありません。
ここでは、フレンチブルドッグが売れ残っているときに、一般的に誤解されやすい点について整理してみました。
性格が悪いから売れ残る → 実際は“販売要因”が大きい
フレンチブルドッグが売れ残りやすいのは、性格が悪いからと誤解している声も多く見られます。
しかし、実際にはフレンチブルドッグはとても穏やかで忠実な性格であることが多く、家庭犬向きの犬種です。
売れ残りが起きてしまうのは、販売するタイミングや価格、月齢などの条件が重なる影響が大きいと言えるでしょう。
売れ残り=問題行動がある → “個体差”の話
フレンチブルドッグが売れ残っていると、「問題行動があるのでは?」と心配されることもあります。
しかし、問題行動は飼育環境や接し方などさまざまな要因で起こるもので、売れ残りという理由だけで問題行動があると判断することはできません。
むしろ月齢が進んでいる分、性格の傾向がわかりやすく、しつけやトレーニングも性格に合わせて行いやすいでしょう。
安い=お得 → 飼育環境・ケアの準備が重要
売れ残っていると価格が下がっていくため、お得に感じることがあるかもしれません。
しかし、犬を迎えるうえで重要なのは、飼育環境や日常の世話を続けられるかということです。
フレンチブルドッグは温度管理や体調管理への配慮が必要な犬種であり、初期費用だけで判断すべきものではありません。
食費や医療費、飼育環境を整えられるかなど、事前にしっかり確認して備えておくことが大切です。
フレンチブルドッグを選ぶメリット
フレンチブルドッグは、家庭犬としての適性が高く、売れ残っているからといって避ける必要はありません。
ここでは、フレンチブルドッグを選ぶメリットについて見ていきましょう。
愛嬌たっぷり
フレンチブルドッグは表情が豊かで人懐っこく、飼い主と一緒に過ごす時間を好む傾向にあります。
感情が顔に出やすく、無言で見つめてくる圧や、弾けんばかりの笑顔は愛嬌たっぷりで、見ている人まで笑顔にしてくれるでしょう。
少し不器用でコミカルな動きも相まって、フレンチブルドッグの魅力にどっぷりとハマる人も少なくありません。
散歩の負担が軽い
フレンチブルドッグは体重8〜14kgほどの中型犬ですが、激しい運動を必要としないため、散歩の負担が軽い犬種です。
短頭種で長時間の運動は呼吸困難を起こす可能性もあり、1日2回、1回20〜30分程度の散歩が目安となっています。
運動量を多く必要とする犬種ではないため、散歩の時間が長く取れない人でも迎えやすいでしょう。
(参考文献:French Bulldog|American Kennel Club)
「フレンチブルドッグ売れ残り」に関するよくある質問
Q1.売れ残りは病気が多い?
売れ残りという理由だけで病気が多いわけではありません。通常、販売前には健康チェックが行われているのが一般的です。迎える際はワクチン歴や健康診断の記録を確認し、気になる点があれば事前に説明を受けましょう。また、お迎え後は早めに自宅近くの動物病院で、一度健康チェックを受けておくと安心です。
Q2.月齢が進んだ子を迎えるメリットは?
月齢が進んだ子は性格の傾向が分かりやすく、迎える側との相性を判断しやすいでしょう。生活リズムが整っていることも多く、夜鳴きやトイレトレーニングの負担が軽いことも少なくありません。また、月齢が進んでいるとワクチン接種がすべて終わっていて、体調も安定しているため、迎えてすぐの外出や通院の負担も少ない点もメリットです。
Q3.値下げされている子はお得?注意点は?
値下げされているからといって、必ずしもお得とは限りません。ペットショップによっては、フードの定期購入や飼育セット、生体保証プランなどの加入が条件になっていることもあります。また、ワクチン接種費用やマイクロチップ登録費、自治体への登録費用が必要になることも珍しくありません。契約内容や総額を確認することが大切です。
【まとめ】売れ残りの理由は「性格」ではなく「価格やタイミング」が大半
フレンチブルドッグの売れ残りは、性格や問題行動、健康上の理由などで起こるわけではありません。
ほとんどが、価格やタイミングなどが合わなくて飼い主が決まるまでに時間がかかっているというだけです。
たとえば、宝石は毎日のように売れるわけではなく、いつまでも宝石店に同じ商品が並んでいますよね?
それは決してその宝石が悪いものというわけではなく、価格であったり購入する人のタイミングと言えば想像しやすいのではないでしょうか。
もちろん、フレンチブルドッグは生きものなので宝石と同じではありませんが、食料品や日用品のように毎日売れるものではありません。
「売れ残りだからダメ」と決めつけるのではなく、その子の様子や相性、無理なく世話を続けられるかという視点で判断しましょう。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム