犬を飼うんじゃなかったと後悔する理由5選!迎い入れる前に知っておきたい事実

   

「こんなはずじゃなかった…」

愛犬を前に、ふと「犬を飼うんじゃなかった」という思いが頭をよぎり、そんな自分に罪悪感を抱いていませんか?

その感情は、決してあなたが冷たい人間だからではありません。

むしろ、命と真剣に向き合っている責任感の表れ。

この記事では、多くの飼い主が経験する後悔の理由と、その”すれ違い”の根本原因を獣医師の視点から深く解説します。

うさパラ コンテンツ制作チーム

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犬を飼うんじゃなかったと後悔する理由①自分の時間がなくなる

犬を家族に迎えると、生活は愛犬中心に回り始めます。

これまで当たり前だった「自分の時間」は大きく変化し、その自由の喪失感から「犬を飼うんじゃなかった」と感じる飼い主は少なくありません。

朝起きてすぐの散歩、食事の準備、帰宅後の散歩や遊び、そして就寝前のトイレ。

一日のスケジュールは犬のお世話によって組み立てられ、自分のペースで過ごす時間はほとんどなくなります。

特に、泊りがけの旅行や長期間の外出は、ペットホテルやペットシッターの手配など、時間的・金銭的・精神的なハードルが一気に高くなります。

犬を飼うんじゃなかったと後悔する理由②想像以上にお金がかかる

犬との暮らしは、愛情だけでなく、継続的な経済的負担を伴います。

多くの人が迎える前に初期費用(生体代、ケージ、食器など)を計算しますが、後悔の引き金となるのは、むしろ飼い始めてから継続的に発生する「ランニングコスト」と「予測不能な出費」です。

毎月のフード代、おやつ代、トイレシートなどの消耗品費、定期的なトリミング代、ノミ・ダニ・フィラリアの予防薬代。これらは決して無視できない金額です。

さらに、飼い主の心に重くのしかかるのが、突然発生する医療費です。

誤飲による内視鏡手術、骨折、皮膚病の長期治療、そして高齢になればなるほど、慢性疾患の治療費や定期的な検査費用は増大します。

数十万円単位の出費が突然必要になることも珍しくなく、経済的な見通しの甘さが「こんなはずでは」「犬を飼うんじゃなかった」という深刻な後悔に直結します。

犬を飼うんじゃなかったと後悔する理由③しつけ・問題行動

トイレをなかなか覚えられない、家中を破壊する、散歩で他の犬や人に激しく吠えかかる。

愛犬のしつけや問題行動は、飼い主の精神を最も消耗させる原因の一つです。

特に初めて犬を飼う人にとっては、なぜそのような行動をとるのか理解できず、途方に暮れてしまうことも多いでしょう。

「本やインターネットで調べた通りにやっているのに、なぜうちの子はできないんだろう」と自分を責めたり、「他の犬はあんなにおりこうなのに」と他者と比較して落ち込んだり。

終わりが見えないトレーニングは、飼い主の自信と忍耐力を奪っていきます。

愛情を持って接しているはずなのに、言うことを聞いてくれない愛犬に対して苛立ち、怒鳴ってしまった後に自己嫌悪に陥る。

この負のループが、「もう疲れた」「犬を飼うんじゃなかった」という無力感や後悔を増幅させてしまいます。

犬を飼うんじゃなかったと後悔する理由④病気や老いへの不安

子犬の頃は元気いっぱいで、永遠にこの時間が続くかのように思えます。

しかし、犬も人間と同じように年をとり、病気になります。

愛犬が病気になったとき、それは飼い主にとって大きな精神的・肉体的負担の始まりです。

毎日の投薬、通院、食事管理、そして時にはつきっきりの介護が必要になることもあります。

日に日に弱っていく姿を見るのは辛く、代われるものなら代わってあげたいと無力感に苛まれます。

さらに、犬の平均寿命は10数年。

必ずやってくる「お別れ」と、その後に訪れるであろう「ペットロス」への恐怖も、飼い主の心に重くのしかかります。

老いや病気という避けられない現実を前に、「自分は最後までこの子の面倒を見きれるのだろうか」「この悲しみに耐えられるだろうか」という不安が、「犬を飼うんじゃなかった」という後悔として姿を現すことがあります。

犬を飼うんじゃなかったと後悔する理由⑤自身のライフステージの大きな変化

犬を迎えた時と、数年後のあなたの生活が同じであるとは限りません。

自分自身のライフステージが大きく変化したとき、それまで保たれていた愛犬との生活のバランスが崩れ、後悔の原因となることがあります。

例えば、結婚や出産。新しい家族が増えたことで、アレルギーが発覚したり、赤ちゃんのお世話で手一杯になり、犬にこれまで通りの愛情や時間をかけられなくなったりします。

また、転勤や転職で生活環境が変わり、散歩の時間が確保できなくなったり、ペット不可の住居に引っ越さざるを得なくなったりするケースもあります。

これらの変化は、犬を迎えた時には予測が難しく、「こんな状況になるなら、犬を飼うんじゃなかった」と、過去の自分の決断を責める気持ちにつながってしまいます。

犬中心の生活にうんざり、”すれ違い”の根本原因

では、なぜこれほどまでに多くの飼い主が後悔の念を抱いてしまうのでしょうか。

その根底には、人間と犬との間の「期待」と「現実」の”すれ違い”があります。

原因①:犬の習性・本能への誤解

飼い主を悩ませる「問題行動」の多くは、犬にとってはごく自然な本能的行動です。例えば、吠えるのは警戒心や要求を伝えるコミュニケーション手段であり、物を噛むのは探索行動やストレス発散、穴を掘るのは祖先から受け継いだ習性です。これらを人間の価値観で「悪いこと」と決めつけ、力で抑え込もうとすると、犬は混乱し、飼い主との信頼関係が崩れてしまいます。犬という動物への理解不足が、解決できない問題を生み出し、後悔の種となるのです。

(参考文献:Behavior Problems in Dogs|Merck Veterinary Manual)

原因②:SNSで見る”キラキラした犬との暮らし”とのギャップ

InstagramやYouTubeには、完璧にしつけられた犬と、おしゃれな飼い主が織りなす、絵に描いたような”理想のドッグライフ”が溢れています。しかし、それは生活のほんの一部分を切り取ったものに過ぎません。その裏には、泥だらけの散歩、粗相の片付け、鳴り響く夜鳴きといった、地道で骨の折れる現実が隠されています。このキラキラした理想と、自身の現実とのギャップに直面したとき、「私の思い描いていた生活と違う」「犬を飼うんじゃなかった」と、強い失望感や後悔を感じる要因となるようです。

原因③:飼育環境のミスマッチ

飼い主のライフスタイルや住環境と、迎えた犬の犬種特性(必要な運動量、性格、サイズなど)が合っていない場合、双方にとって不幸な”すれ違い”が生まれます。例えば、ワンルームマンションで、毎日長時間の運動が必要な犬を飼う。あるいは、静かな生活を望む人が、警戒心が強く吠えやすい犬種を選ぶ。このようなミスマッチは、犬にとっては欲求が満たされないストレスとなり、飼い主にとっては手に負えない問題行動として跳ね返ってきます。最初の選択段階でのミスマッチが、後々の大きな後悔につながる典型的なパターンです。

「ペットへの愛がない」芸能人がテレビの発言で炎上

バラエティ番組内で「ペットを初めて買った」と話していた芸能人が、「世話はするけど一緒に遊ばない。めんどくさい」と発言。

近寄ってきても無視すると話した内容でインターネット上で大炎上しました。

これに対して「こんな飼い方されたらめちゃくちゃ可哀想」「なんで飼ったの?」というコメントが多く寄せられました。

ペットの心身の健康には、世話だけでなく愛情ある触れ合いも不可欠です。

番組を盛り上げるためのネタだったとしても遊ばない、無視するという発言は、その点を軽視しているように感じられ、多くの方が悲しく思うのも当然なのかもしれません。

「犬を飼うんじゃなかった」に関するよくある質問

Q1.犬を飼って後悔する人の割合は?

「犬を飼って後悔している」という感情を正確に示す公式な統計データを見つけるのは困難です。しかし、動物保護施設に犬が手放される理由を調査したデータは、この問いに対する一つの答えを示唆しています。ASPCA(米国動物虐待防止協会)の調査によると、飼い主がペットを手放す理由の上位には、「住宅の問題(ペット不可など)」「アレルギー」「飼い主の経済状況の変化」「問題行動」などが挙げられています。

(参考文献:More than 1 Million Households Forced to Give up Their Beloved Pet Each Year, ASPCA Research Reveals|The ASPCA)

Q2.後悔を感じないための飼い始め前の準備は何?

後悔を避けるためには、迎える前の徹底したリサーチと自己分析が不可欠です。

  1. 現実的なシミュレーション: 自分の生活に犬が入ってきた場合、時間、お金、労力がどれだけ必要になるかを具体的に書き出してみましょう。
  2. 犬種の研究: 見た目の可愛さだけでなく、その犬種の運動量、性格、かかりやすい病気などを深く学び、自分のライフスタイルに合っているか冷静に判断します。
  3. 家族の同意: 一人暮らしでない場合は、家族全員が犬を迎えることに同意し、協力体制を築けるかを確認します。
  4. 経済的な計画: 毎月の費用だけでなく、突然の医療費に備えてペット保険や貯蓄の計画を立てておきましょう。

(参考文献: Selecting a pet for your family|American Veterinary Medical Foundation (AVMF))

Q3.犬との生活に疲れてしまったとき、どう休めばいいですか?

飼い主にも休息は絶対に必要です。罪悪感を抱く必要はありません。

  1. 物理的に距離を置く: ドペットシッターやドッグウォーカーを頼んだりして、数時間でも良いので一人になる時間を作りましょう。
  2. 家族や友人に頼る: 事情を話し、短時間でも犬の世話を代わってもらえないか相談してみましょう。
  3. ショートステイを利用する: ペットホテルに1泊預けて、自分自身の心と体をリフレッシュさせることも有効な手段です。リフレッシュすることで、新たな気持ちで愛犬と向き合えるようになります。

(参考文献:Pet-sitting vs. boarding: Which is right for your pet?|Animal Humane Society )

【まとめ】後悔は愛犬との絆を深めるための”見直し期間”のサイン

「犬を飼うんじゃなかった」という感情は、あなたを苦しめるだけのネガティブなものではありません。

それは、理想と現実のギャップに気づき、愛犬との関係を本気で見直そうとしている「成長のサイン」です。

なぜ辛いのか、その原因を一つずつ紐解き、専門家の助けを借りながら正しい知識を身につけること。

そして、完璧な飼い主であろうと頑張りすぎず、自分自身を労わること。

そのプロセスを通じて、あなたは本当の意味で愛犬のパートナーになることができます。

監修者コメント
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愛犬と出会う前の、少しだけ静かだったあの日々。この記事は、一頭の犬が人生にもたらす、時に大変で、でも最高に幸せな変化を描いています。犬を飼うか迷っている方、そして今まさに育犬に悩んでいる方の心にも、きっと温かい何かが灯るはず。当たり前になった日常が、かけがえのない宝物だと気づかせてくれます。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

 - 犬の健康

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