猫と暮らしていると、愛猫が突然背中に乗ってくることがありますよね。
本を読んでいるとき、パソコンを触っているとき、くつろぎながらテレビを見ているときなど、猫がよじ登ってきたり、思い切りジャンプして乗ってきたりといった経験は、あるあるなのではないでしょうか。
「なぜ背中に乗るの?」「どんな意味があるの?」と、愛猫の行動が気になっている飼い主さんは少なくありません。
実は猫が背中に乗る行動には、猫ならではの習性や心理が関係しており、その理由を知るとますます愛猫が愛おしくなるでしょう。
そこでこの記事では、猫が背中に乗る理由や、背中に乗ってきたときにしてあげることを解説します。
背中だけではなく、肩やお腹に乗ってくるときの心理の違いについても紹介しているので、愛猫とのコミュニケーションの参考にしてください。
目次
【結論】まずは安心してOK!「ごく自然な愛情行動」
結論から言うと、猫が背中に乗る行動のほとんどが、ごく自然な愛情表現です。
「嫌われているんじゃないか」「下に見られているんじゃないか」と心配していたなら、安心してください。
そもそも猫には、上下関係(序列)はありません。
それよりも、警戒心が強い猫が背中に乗ってきてくれるのは、信頼されているサインのひとつと言えます。
ただし、鳴きながら背中に乗ってきたり、降ろしてもすぐまた乗ろうとする場合は、何かを伝えようとしている可能性があるため、愛猫の様子をよく観察してあげることが大切です。
(参考文献:The Mechanics of Social Interactions Between Cats and Their Owners|Front Vet Sci)
猫が背中に乗る理由①温かい
猫が背中に乗る理由のひとつに、「飼い主さんの背中が温かくて心地よい」ということがあげられます。
猫は砂漠で暮らしていたリビアヤマネコを祖先に持つため、基本的に暑さには比較的強い半面、寒さには強くありません。
そのため、快適で暖かい場所を探すことを得意としています。
実際に、日向やこたつの中、暖房の近くなど、暖かい場所で過ごしていることを目にすることは多いのではないでしょうか。
人の体温は36〜37℃程度なので、猫にとってちょうど良い温かさといえるでしょう。
特に背中は体の面積が広く安定しているため、猫が体を預けやすい場所なのです。
(参考文献:The Near Eastern Origin of Cat Domestication|Science)
猫が背中に乗る理由②何かを要求している
猫が背中に乗るのは、飼い主さんに何かを伝えようとしているときにも見られることがあります。
猫は言葉を話すことができないため、鳴き声や行動で気持ちを伝えますが、その方法のひとつとして注意を引こうと背中に乗るのです。
背中に乗られたら、さすがに気づかない飼い主さんはいないですよね。
たとえば、お腹が空いた、遊んで欲しい、トイレを掃除してほしいなど、何かしてほしいことがあるのかもしれません。
特に、鳴きながら乗る、前足で触れるなどの行動も見られる場合は、要求のサインの可能性が高いでしょう。
猫が背中に乗る理由③信頼・愛情表現
猫が背中に乗るのは、飼い主さんに対する信頼や愛情の表現であることもあります。
猫はもともと単独で行動し、野生では敵から自分の身を守る必要があったため、警戒心が強い動物です。
また、猫は体が小さいため、自分より大きな存在に対して距離を取ろうとする傾向にあります。
実際に、知らない人が来ると逃げたり、家具の下や物陰に隠れたりする姿が見られるのではないでしょうか。
このように、信頼できる相手でなくては近づくことはもちろん、背中に乗ることはありません。
人の背中に乗る行動は、相手を安心できる存在として受け入れているサインと言えます。
(参考文献:Attachment bonds between domestic cats and humans|ScienceDirect)
猫が背中に乗る理由④高い場所が好き
猫は高い場所が好きだから、背中に乗るということもあります。
家具の上やキャットタワー、カーテンレールの上など、気がつくといつも高いところに登っていませんか?
猫は野生で生活していた頃、周囲の状況を確認したり危険を察知したりするために、見晴らしの良い高い場所に登っていました。
人の背中も猫にとっては高い位置になるので、こうした習性の影響でつい乗りたくなってしまうこともあるのです。
特に近くにキャットタワーなど登れる場所がない場合や、飼い主さんの動きに興味があるときなど、高い場所の代わりとして背中を選んでいるのかもしれません。
猫が背中に乗る理由⑤独占欲(所有欲)
猫が背中に乗るのは、飼い主さんを自分の大切な存在として「自分のもの」という感覚なのかもしれません。
特にほかの人や動物が近くにいるときに背中に乗ってくる場合は、飼い主さんのそばにいたい気持ちや独占したい気持ちの表れと言えるでしょう。
猫は縄張り意識が強い動物で、安心できる相手に自分の匂いを付ける行動を取ることも珍しくありません。
体をこすりつけたり背中に乗ったりするのも、相手を自分のテリトリーの一部として認識している行動のひとつと考えられます。
猫が背中に乗ってきたときにしてあげること
猫が背中に乗ってきたときは、愛猫の様子や状況をよく観察してみましょう。
猫の行動にはさまざまな理由があるため、無理に降ろすのではなく気持ちを理解しながら対応することが大切です。
ここでは、猫が背中に乗ってきたときにしてあげることを解説します。
食事・水・トイレを確認
猫が背中に乗ってきたときは、まず食事や水、トイレなど基本的な環境を確認してみましょう。
お腹が空いていたり、水が少なくなっていたり、トイレが汚れていたりすると、飼い主に気づいてほしくて背中に乗ることがあります。
また、猫は生活リズムを覚えているため、食事やお世話の時間が近づくとアピールしてくることも珍しくありません。
短い遊び・声かけ
猫が背中に乗ってくるときは、短い遊びや声かけでコミュニケーションをとるのもよいでしょう。
短い時間でも関わってあげることで、猫の気持ちが満たされることも少なくありません。
猫じゃらしなどのおもちゃで軽く遊んだり、優しく名前を呼んだりするだけでも、猫の気分転換につながります。
部屋を快適に(寒い/冷房対策)
猫が背中に乗ってきたときは、室内が寒かったり、冷房が強すぎないか確認してみましょう。
人が寒さを感じていなくても、猫にとっては室温が低すぎる場合もあります。
冬場、猫が快適に過ごせる室温は20〜25℃(病気や高齢の猫の場合は22〜25℃)なので、室温を調整したり、毛布を用意するなど、暖かく過ごせるようにしてあげることが大切です。
背中だけじゃない!猫が乗る場所でわかる心理の違い
猫は背中だけでなく、肩や膝、お腹などさまざまな場所に乗ることがありますね。
実は、どこに乗るかによって猫の気持ちや目的が少し違うことをご存じでしょうか。
ここでは、猫が乗る場所ごとに考えられる心理の違いについて紹介します。
肩に乗る理由
猫が肩に乗るのは、より高い場所に行きたいという本能が関係しています。
猫は高い場所から周囲を見渡すことを好むため、飼い主さんの肩の高さに興味を持つことは珍しいことではありません。
また、肩は顔に近い位置にあるので、飼い主さんの表情を間近で見られる場所です。
そのため、好奇心が強い猫や人に興味を持っている猫ほど、肩に登ろうとすることがよく見られます。
お腹や膝に乗る理由
猫がお腹や膝に乗るのは、飼い主さんのそばで落ち着いて過ごしたい気持ちが関係しています。
また、お腹や膝は背中同様に人の体温を感じられるため暖かく、猫にとって快適な場所でもあります。
丸くなって寝たり、そのままリラックスした様子を見せたりする場合は、安心してくつろいでいる状態と言えるでしょう。
「猫 背中に乗る」に関するよくある質問
Q1.猫が背中に乗るのは懐いている証拠?
ほとんどの場合、猫が背中に乗るのは懐いているサインと考えて良いでしょう。ほかにも、体をすり寄せる、ゴロゴロと喉を鳴らすなどの行動も、猫が懐いているときに見られます。ただし、必ずしも愛情表現だけとは限りません。猫は暖かい場所を探したり、飼い主さんに気づいてほしいときにも背中に乗ることがあります。そのため、背中に乗る行動だけで気持ちを判断するのではなく、鳴き方やタイミングなど普段の様子もあわせて見ることが大切です。
Q2.急に背中に乗るようになったのはストレス?
背中に乗るようになったからと言って、必ずしもストレスが原因とは限りません。猫は季節の変化や室温の違い、飼い主さんと過ごす時間の増減など、環境の変化によって行動が変わることもあります。ただし、落ち着きがない、鳴き方が変わる、食欲が落ちるなど普段と違う様子が見られる場合はストレスや体調不良の可能性もあるため注意が必要です。急に愛猫の様子が変わった時は、獣医師に相談することをおすすめします。
Q3.背中に乗られると重い…やめさせてもいい?
無理に我慢する必要はなく、やめさせても問題ありません。背中に乗られると作業がしにくかったり、体勢がつらくなったりすることもありますよね。その場合は愛猫を驚かせないよう、ゆっくり体勢を変えたり優しく抱えて降ろしたりしましょう。ただし、強く払いのけたり大きな声を出したりすると、信頼関係を崩してしまうことになりかねません。そばに猫用のベッドやクッションなど落ち着ける場所を用意し、そちらに誘導してあげるとよいでしょう。
【まとめ】猫が背中に乗るのは信頼と愛情の証
猫が背中に乗る行動は、飼い主さんとの関係性の中で見られる自然なコミュニケーションのひとつです。
もちろん、そのときの状況によって意味が変わることもありますが、猫が警戒している相手の体に自分から乗ることはありません。
そのため、猫が背中に乗るというのは、猫が信頼し、安心できる相手であるサインと言えます。
愛猫の行動をよく観察し、そのときの様子に合わせて対応してあげることで、より良い関係を築いていくことができるでしょう。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム