ポメラニアンは、そのふかふかの被毛と愛くるしい外見から、日本でも人気の犬種です。
ポメラニアンを飼っている、またはこれからポメラニアンを飼おうと考えたときに、
「寿命ってどれくらいなのだろう?」
「うちの子は今、人間でいうと何歳なのだろう?」
「長生きのために気を付けるべき病気って?」
といった疑問をお持ちではないでしょうか?
実は最近、ポメラニアンに多い病気が徐々に分かってきています。
また、それらの病気を予防するために、日頃から気を付けるべきポイントが多数あることをご存知でしょうか?
今回は、現役獣医師の意見をもとに、ポメラニアンの平均寿命や人への年齢換算方法、ポメラニアンに起こりやすい病気、長生きのための環境づくりについて、分かりやすく解説します。
最後までお読みいただき、愛犬と長く健康に暮らせるよう、病気や環境づくりについて正しい理解を深めましょう。
目次
【結論】ポメラニアンの平均寿命は「12〜16歳」
まず、ポメラニアンの平均寿命は、概ね12~16歳と言われています。
ポメラニアンは長生きする犬種と言われているものの、かかりやすい病気があることも事実です。
それらの病気とうまく付き合っていくことができれば、平均寿命を超えて長生きすることも少なくありません。
(参考文献:Pomeranian Dog Breed Information | akc.org)
(参考文献:Pomeranian Dog Breed Health and Care | PetMD)
ポメラニアンを人間年齢に換算すると何歳?
では、ポメラニアンをはじめとする小型犬の年齢は、人間に換算すると何歳くらいなのでしょうか?
犬の年齢を人の年齢に換算する場合、現在はさまざまな方法が知られています。
1つの例として、犬は人間と比べて幼少期の成長がとても速く、1歳になると人間の約15歳、2歳になると人間の約24歳に相当すると考えられています。
ここから先は犬の加齢が緩やかになり、小型犬の場合は人間の1年間が犬にとっての4年間に相当する、という考え方が一般的です。
また、大型犬は小型犬よりも加齢のスピードが速く、人間の1年間が中型犬の場合は4~5年分、大型犬の場合は5~8年分に相当すると言われています。
そのため、小型犬では、以下の表のように換算することが一般的です。
| 犬の年齢(歳) | 人間の年齢(歳) | 犬の年齢(歳) | 人間の年齢(歳) |
| 1 | 15 | 9 | 52 |
| 2 | 24 | 10 | 56 |
| 3 | 28 | 11 | 60 |
| 4 | 32 | 12 | 64 |
| 5 | 36 | 13 | 68 |
| 6 | 40 | 14 | 72 |
| 7 | 44 | 15 | 76 |
| 8 | 48 | 16 | 80 |
(参考文献:How Old Is My Dog in Human Years? Calculating Dog Years to Human Years | PetMD)
寿命を縮める要因に!ポメラニアンがかかりやすい特有の病気①気管虚脱
では、ポメラニアンがなりやすい病気とはどのようなものがあるのでしょうか?
病気の種類によっては、放置すると寿命を縮める要因になる可能性があるため、注意が必要です。
まず1つ目に、気管虚脱が挙げられます。
気管虚脱は、空気の通り道である「気管」が何かしらの原因で細くなり、特徴的な咳を引き起こす病気です。
ポメラニアンをはじめとした小型犬に多く見られ、私自身の診察でも診断することが少なくありません。
気管虚脱が起こる主な原因は、気管の形状を保つ軟骨や靭帯が加齢とともに変性することだと言われています。
気管虚脱により気管が細くなった結果、犬が空気を吸い込もうとしても肺に空気を送り込むことができず、呼吸困難を引き起こします。
気管虚脱の治療法には、お薬による内科的な治療と、手術による外科的な治療が挙げられます。
(参考文献:Pomeranian Dog Breed Health and Care | PetMD)
寿命を縮める要因に!ポメラニアンがかかりやすい特有の病気②膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼とは、膝のお皿である「膝蓋骨」が、正常な位置からずれてしまう病気です。
こちらの病気も小型犬ではよく起こり、特に内側にずれやすくなる「膝蓋骨内方脱臼」がよく見られます。
膝蓋骨脱臼の原因は主に遺伝的な要因だと言われていますが、外傷や生活環境が原因となる場合も少なくありません。
膝蓋骨脱臼の症状として、
- 後ろ足をスキップする
- 足を引きずる
- 歩くと痛がる
- 後肢が曲がって見える
といった様子が見られることがあります。
膝蓋骨脱臼の治療には、お薬による内科的な治療と、手術による外科的な治療のほか、体重管理や環境整備などが挙げられます。
直接命に関わるケースは少ないものの、運動不足や肥満を招き、結果的に寿命に影響することも少なくありません。
(参考文献:Pomeranian Dog Breed Health and Care | PetMD)
寿命を縮める要因に!ポメラニアンがかかりやすい特有の病気③僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓において左心房と左心室を隔てる「僧帽弁」という弁で、血液の逆流が起きる病気です。
本来、血液は心房から心室に一方通行で流れるのが正常ですが、何らかの原因で弁が変性した結果、逆流が起こります。
逆流する血液の量が増えるにつれて、心臓のポンプ機能が低下し、最終的には心不全を引き起こします。
僧帽弁閉鎖不全症の初期症状としては、
- 咳をする
- 運動を嫌がる
- 疲れやすい
といった様子が挙げられますが、私自身の経験上、症状が分かりにくいため、進行した状態で来院されることも少なくありません。
僧帽弁閉鎖不全症は、症状が進行してからでは治療が難しく、放置すると寿命を縮める要因になりかねない病気です。
(参考文献:Mitral Valve Disease in Dogs | VCA Animal Hospitals)
ポメラニアンの寿命を延ばすために今日からできる環境づくり
ここまでは、ポメラニアンの年齢の換算方法と、よく見られる病気について解説しました。
では、これらの病気に配慮し、ポメラニアンの寿命を延ばすためにはどのような環境づくりをするべきなのでしょうか?
それぞれを詳しく見ていきましょう。
(参考文献:Pomeranian Dog Breed Health and Care | PetMD)
(参考文献:Luxating Patella in Dogs: What Is It, and How Is It Treated? | PetMD)
室温・湿度・換気を整えて呼吸しやすい住環境にする
前述の通り、ポメラニアンでは気管虚脱が多いため、空気の衛生管理に注意することはとても大切です。
一般的に、室温は20〜25℃、湿度は40〜60%を目安に保つことが犬にとっての理想と言われています。
空気が乾燥しすぎたり、タバコの煙などの刺激が多かったりすると、気管に負担がかかる可能性があるため、こまめな換気や加湿器の使用も心がけましょう。
また、お散歩の際は首輪ではなくハーネスの使用が推奨されます。
首輪だと気管を圧迫する可能性があるため、注意が必要です。
誤飲・転落・興奮しすぎを防ぐ室内レイアウトに整える
ポメラニアンは体が小さいことが多く、小さな段差や抱っこからの転落が、膝蓋骨脱臼をはじめとした骨格や関節の病気のリスクを高める可能性があります。
また、過度な興奮は呼吸や心臓に負担をかけるため、落ち着いて過ごせるスペースを確保しましょう。
特にポメラニアンは活発で、小さな刺激でも吠えることが多いため、注意が必要です。
ソファ・ベッド・階段の上り下りを見直して関節を守る
高い場所の上り下りは関節に負担をかけ、特に膝蓋骨脱臼を悪化させる原因になる可能性があります。
ソファやベッドにはステップを設置し、ジャンプを避ける工夫をしましょう。
また、床がフローリングだと滑りやすく、そのことが原因で膝蓋骨脱臼の悪化や、膝関節の靭帯の損傷などにつながる可能性があるため、注意が必要です。
日常の小さな対策が、将来的な関節トラブルの予防につながります。
ポメラニアンを長生きさせる生活習慣
では、前述の病気に配慮しポメラニアンを長生きさせるには、どのような生活習慣を心がけるべきなのでしょうか?
ポメラニアンを飼ううえで、健康について気を付けるべきポイントはたくさんあります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
(参考文献:Pomeranian Dog Breed Health and Care | PetMD)
(参考文献:Luxating Patella in Dogs: What Is It, and How Is It Treated? | PetMD)
太らせないためのフードやサプリメント
まず、肥満は万病のもとと言うように、太らせないための食事管理が重要です。
特に、不妊手術をした後は体重が増えやすいため、より一層注意しましょう。
自宅で定期的に体重を測定し、増加傾向にある場合は、ダイエット用のフードを取り入れましょう。
適切なダイエット方法に関しては、一度獣医師に相談してみると安心です。
また、膝蓋骨脱臼であれば
- コンドロイチン
- グルコサミン
- ω3脂肪酸
といったサプリメントによるケアが行われることもあります。
サプリメントによるケアを始める際は、一度かかりつけの動物病院に相談しましょう。
ストレスをためない接し方と吠え対策
ポメラニアンでは、ストレスを感じると吠える行動につながることが少なくありません。
しつけでは過度な叱責は避け、褒めてしつけることが大切です。
また、適度な運動を心がけ、ストレスを発散させてあげましょう。
運動は体重管理にもよい効果があるため、愛犬の健康をよりサポートすることができます。
健康診断
前述の通り、一部の病気では症状が分かりにくく、気づかぬうちに病気が進行していることも少なくありません。
健康診断を行うことで、気づけなかった病気を早期発見し、早期に治療することができます。
年齢によりますが、現在は年に1〜2回の健康診断を受けることが推奨されています。
愛犬の小さな変化も見逃さないことが、長生きのポイントです。
「ポメラニアン 寿命」に関するよくある質問
Q1.ポメラニアンは20歳まで生きることがある?
個体差はありますが、適切なケアを行えば20歳近くまで生きるケースも報告されています。
ただし、平均寿命は12~16歳と言われているため、20歳まで生きるのはとても珍しいと思われます。
しかし、日々の食事管理やストレスケア、定期的な健康診断を徹底することで、平均寿命以上を目指すことは十分可能です。
私自身の経験としても近年、動物病院に来院する犬の年齢は高くなってきている印象があります。
Q2.ポメラニアンは10歳だと人間で何歳?
前述の表にある通り、ポメラニアンの10歳は人間で約56歳前後に相当します。
すでにシニア期に入っているため、体調に合った運動や食事内容に見直す必要がある時期です。
若い頃と同じ生活を続けるのではなく、体に負担をかけない穏やかな生活スタイルへ切り替えることが重要です。
日頃から小さな体調の変化を見逃さないようにすることはもちろん、定期的な健康診断も行っていくべき年齢でしょう。
Q3.愛犬を健康診断に連れていく頻度は?
犬を健康診断に連れていく頻度は、犬の年齢や体調により大きく異なります。
まず、健康な成犬であれば年1回が目安です。
8歳頃からシニア期に入ると、年2回の健康診断が目安となります。
それ以外にも、持病の管理で定期的に検査を行うケースもあります。
病気は初期段階では症状が出にくいため、定期検査での早期発見が重要です。
血液検査やレントゲン検査、超音波検査などを組み合わせることで、より正確に健康状態を把握できます。
(参考文献:How Often Should I Take My Dog to the Veterinarian? | PetMD)
【まとめ】ポメラニアンの寿命は「飼い主の環境づくりと日々の観察」で大きく変わる
ポメラニアンの寿命は一般的に12〜16歳と言われていますが、日々の生活環境やケア次第で大きく変わることがあります。
呼吸器や関節への配慮、適切な食事管理、ストレスの少ない生活といった点に注意し、生活環境を見直してみましょう。
また、日頃の体調チェックのほか、獣医師による定期的な健康診断も欠かせません。
さらに、病気が見つかった際は、それに合った環境整備を行うことも重要です。
愛犬の小さな変化を見逃さず、安心して過ごせる環境を整えてあげることが、健康で長く一緒に暮らすための最も大切なポイントです。
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ポメラニアンは見た目の可愛らしさとは裏腹に、呼吸器や関節などについては繊細な一面を持つ犬種です。 だからこそ、日常の体調チェックや生活環境の整備が、健康にとって非常に重要になります。 今回の記事を参考に、どのような病気があるのか、日頃どのような点に注意すればよいかを知り、愛犬の健康管理の一助となれば幸いです。 一方、愛犬の小さな変化に気づくことは、なかなか難しいというのが事実です。 気になる症状がなくても、定期的な健康診断で病気の早期発見・早期治療を行い、愛犬の長寿へとつなげていきましょう。
監修・うさパラ コンテンツ制作チーム