【獣医師監修】犬はくるみを食べられる?特に不向きな犬とは

      2026/08/10

くるみにはさまざまな健康に良い成分が入っているため、愛犬におやつとして与えたくなりますよね。

実は、くるみは人にとって栄養価の高い食品ですが、犬にとっては注意が必要な食べ物であり、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。

今回は、現役獣医師の意見をもとに、犬にくるみを与えない方がよい理由や殻ごと食べてしまった場合のリスク、注意したい症状などについて分かりやすく解説します。

最後までお読みいただき、愛犬へくるみを与えることのリスクについて、正しい理解を深めましょう。

この記事でわかること
  • 犬にくるみを食べさせない方がよい理由
  • くるみで下痢や嘔吐が起こるリスク
  • 殻付きくるみや持病がある犬の注意点
まーふぃー先生

【執筆】まーふぃー先生(獣医師)

犬猫をはじめとした小動物診療に携わってきた獣医師。院長経験を経て、フリーランスとして開業。現在は診療・往診のほか、ペットの健康や医療に関する記事作成、ペット用品の監修など幅広い業務を行っている。

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【結論】胃腸の負担を考えると、犬にくるみは食べさせない方がいい

結論から申し上げますと、犬に積極的にくるみを与えることは控えた方がよいでしょう。

理由として、少量で直ちに中毒を起こすような食べ物ではありませんが、胃や腸に負担をかけやすいためです。

また、殻付きのくるみを丸のみした場合、食道で詰まったり、小腸で詰まって腸閉塞を引き起こしたりすることも少なくありません。

さらに、持病がある犬にとっては、くるみを食べることで病状を悪化させる可能性も否定できません。

「少量なら大丈夫」と過信せず、基本的には与えないことを推奨します。

では、これらのリスクはなぜ起こるのでしょうか?

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? | PetMD

犬にくるみは食べさせない方がいい理由

①脂質が多く、犬の消化に負担がかかる

くるみには、ほかの食べ物と比べて脂質が多く含まれています。また、人用のくるみには、調味料で味付けをされているものも少なくありません。

犬は一般的に、人ほど脂質の多い食べ物に強くなく、一度に多くの脂質を摂取すると胃や腸に負担がかかります。

特にシニア犬は、成犬と比べ消化機能が衰えていることが多く、少量でも体調を崩すケースがあるため、注意が必要です。

また、硬い殻は犬の消化管でほとんど消化されることがありません。そのため、殻ごと食べた場合は消化管を傷つけてしまったり、途中で詰まって腸閉塞を起こしたりして、胃や腸に負担がかかることもあります。

②下痢・嘔吐を起こすことがある

前述の通り、くるみには多くの脂質が含まれており、胃や腸に負担をかけることで、嘔吐や下痢といった症状を引き起こす可能性があります。

特に、一度に大量に食べた場合や、いままでくるみを食べたことがない犬では、これらの症状が見られるリスクが高まります。また、体質によっては少量でもこれらの症状が見られる犬も珍しくありません。

また、嘔吐や下痢といった症状が続く場合は、放置すると脱水につながる恐れもあるため、様子を見ずに早めの受診を心がけましょう。

③肥満の原因になる

くるみには脂質が多く含まれるため、少量でもカロリーが高く、食べ過ぎると肥満の原因になります。犬は人より体が小さいため、少量のくるみを食べただけでも摂取カロリーが大きく増えてしまい、肥満につながることも少なくありません。

特におやつとして頻繁に与えると、必要以上のカロリー摂取につながりやすいため、注意が必要です。

また、肥満になると関節への負担が増えるだけでなく、糖尿病や心臓病などさまざまな病気のリスクも高まります。愛犬の健康維持のためにも、くるみを与えることは控えましょう。

④膵炎のリスク

犬は一般的に、くるみを含む脂質の多い食べ物を大量に摂ると、膵炎を引き起こすリスクがあります。

膵炎とは、脂肪を消化する消化酵素を分泌する「膵臓」において、何らかの原因で消化酵素が膵臓自身を消化し、炎症が起こる病気です。

この病気は、軽度であれば軽度の嘔吐や下痢といった症状が見られますが、より重症化すると命に関わることもある危険な疾患です。私自身の診察でも、膵炎を起こした犬をたびたび経験します。

くるみのような脂質が多く含まれる食べ物は、愛犬の膵臓へ強い負担をかける可能性があります。そのため、膵炎を予防するためにも、犬にくるみを与えるのは避けた方が安全です。

⑤持病のある犬にはより不向き

前述の通り、くるみには膵臓や消化管に負担をかけ、肥満のリスクを高める可能性があります。そのため、特に持病のある犬にくるみを与えることはおすすめできません。

膵炎の既往歴がある犬や肥満傾向である犬はもちろんのこと、

  • 心臓病
  • 関節疾患
  • 肝疾患
  • 糖尿病
  • 慢性腸症
  • 食物アレルギー

といった持病がある犬にとって、くるみは病状の悪化を引き起こす可能性があります。

また、これらの病気はシニア犬において起こることが多いです。さらに、シニア犬は消化機能が低下していることが多く、くるみをうまく消化できない場合があります。

そのため、健康状態に不安がある犬には、くるみを与えないことが大切です。

(参考文献:Obesity in dogs | PDSA

「犬 くるみ」に関するよくある質問

Q1.犬にくるみは何粒までなら大丈夫?

犬が食べたくるみの量が少量であれば、大きな問題にならないケースもありますが、特に小型犬では、1〜2粒でも胃腸に負担になることも少なくありません。

しかし、一概に「何粒までなら大丈夫」とは言えません。なぜなら、犬の体格や体質、健康状態によって、くるみによる体調への影響が異なるためです。

また、殻付きや味が付いたくるみは、さらに体調を悪化させるリスクが高まります。

基本的には、愛犬にくるみを与えることは避けましょう。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

Q2.犬にマカダミアナッツは大丈夫?

マカダミアナッツは犬に中毒を引き起こすと言われています。その原因となる成分はまだ特定されていませんが、体重約1kgあたり約30gのマカダミアナッツを食べただけでも症状が現れる可能性があります。

マカダミアナッツのほか、アーモンドにもくるみと同様に脂質が多く含まれています。

胃腸に負担をかけて嘔吐や下痢を引き起こす可能性があるため、犬に与えることは控えましょう。

(参考文献:Can Dogs Eat Macadamia Nuts? | akc.org

Q3.犬がくるみを殻ごと食べたらどうする?

犬がくるみを殻ごと食べた場合は、まずは動物病院を受診しましょう。特に小型犬は体が小さいため、殻を丸ごと食べた場合、食道や小腸に詰まる可能性が高まるため、注意が必要です。

具体的な症状としては、

  • 何度も吐く
  • 食欲がない
  • 下痢を繰り返している
  • ぐったりする
  • 震えている
  • 動きたがらない
  • お腹を触ると痛がる

といった様子が見られる場合は、特に早急に受診が必要であることも少なくありません。

放置すると、どんどん症状が悪化し、その分治療にも時間がかかる可能性があるため、注意しましょう。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

【まとめ】愛犬の健康を思うなら、くるみは「与えない」が正解

ここまでの内容をまとめますと、愛犬にくるみは与えないことをおすすめします。

くるみは人にとって栄養価の高い食品ですが、犬にとっては決して安全なおやつとは言えません。

脂質が多いため、下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こす可能性があり、食べ過ぎれば肥満や膵炎につながるリスクもあります。

また、殻ごと食べた場合は、消化管を傷つけたり、腸閉塞を起こしたりする危険もあるため注意が必要です。

特にシニア犬や持病のある犬では、少量でも体調を崩すケースも少なくありません。

愛犬の健康を守るためにも、基本的にはくるみを与えないようにし、誤食した場合は早めに動物病院へ相談しましょう。

監修者コメント
監修者の写真

愛犬がくるみを食べてしまった場合は、
・どのくらい食べたか
・殻付きだったか
・現在どのような症状があるか
を確認することが大切です。

動物病院を受診するときにも重要な情報となりますので、しっかり把握しておきましょう。

また、自己判断で無理に吐かせようとすると、かえって状態を悪化させることもあるため注意が必要です。

さらに、犬によっては少量食べただけでも体調を崩すことも珍しくないため、「少量だから問題ないだろう」と様子を見るのではなく、早めの受診を心がけましょう。

そのことが、愛犬の健康を守る第一歩となります。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

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