【獣医師監修】 犬にくるみをあげても大丈夫?おすすめしない理由と代わりのおやつ

      2026/08/21

皿に載ったくるみを見つめる柴犬成犬

くるみはオメガ3脂肪酸や食物繊維などを含み、健康的な食品として知られているため、愛犬にもおやつとして与えたくなりますよね。

そんなとき、「犬にくるみをあげても大丈夫?」、「くるみを与えない方がいい理由とは?」、「殻付きのくるみを食べてしまったけどどうすればいい?」といった疑問をお持ちではありませんか?

一般的な食用のくるみは、犬に少量与えたからといって必ずしも中毒を起こすとは限りません。しかし、くるみは脂質やカロリーが多く、食べ過ぎると胃腸への負担や肥満につながる可能性があるため、犬のおやつとして積極的に与えることは避けるべきだと考えられます。

この記事では、犬にくるみをおすすめしない理由やくるみを食べてしまった場合の注意点、代わりに与えやすいおやつについて、獣医師がわかりやすく解説します。

最後までお読みいただき、愛犬へくるみを与えることのリスクについて、正しい理解を深めましょう。

この記事でわかること
  • 犬にくるみを積極的に与えないほうがよい理由
  • 殻付き・古いくるみを誤食したときの注意点
  • くるみ以外に選びやすい自然なおやつとは
まーふぃー先生

【執筆】まーふぃー先生(獣医師)

犬猫をはじめとした小動物診療に携わってきた獣医師。院長経験を経て、フリーランスとして開業。現在は診療・往診のほか、ペットの健康や医療に関する記事作成、ペット用品の監修など幅広い業務を行っている。

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【結論】犬にくるみをあげるのは、デメリットのほうが勝る

結論から申し上げますと、愛犬におやつとしてくるみを与える場合、メリットよりもデメリットのほうが大きいと考えられます

一般的な食用のくるみ1~2個程度を愛犬に与えたからといって、必ずしも体調を崩すというわけではありません。しかし、くるみは脂質とカロリーが多く、食べ過ぎれば、嘔吐や下痢などの消化器症状や、肥満、膵炎につながる可能性もあります。

また、殻付きのくるみを丸のみした場合、食道で詰まったり、小腸で詰まって腸閉塞を引き起こしたりすることも少なくありません。

そのため、「犬にくるみをあげるメリット」よりも「与えることで生じる可能性のあるリスク」のほうが大きいと考えられ、愛犬にはくるみを与えない方がよいでしょう。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

人には健康的なくるみでも、犬のおやつとしては優先度が低い

くるみには脂質や食物繊維など、人にとって有用な栄養素が含まれています。

しかし、人にとって健康的な食品だからといって、犬にも同じように積極的に与えるべきとは限りません。

では、その理由にはどのようなものが挙げられるのでしょうか?

まず、「オーガニック」や「無添加」と表示されたくるみでも、犬にとって適した食品とは限りません。

また、基本的に犬に必要な栄養素は、総合栄養食として適切に設計されたドッグフードから摂取することができるため、栄養素を補う目的で、あえてくるみを犬へ与える必要性は高くありません。

さらに、味が付いたものや殻付きのもの、劣化したものなどに関しては、栄養素以外にも健康を害するリスクがあります。

ここでは、それぞれの理由を詳しくみていきましょう。

①オーガニックや無添加でも犬に合うとは限らない

くるみに「オーガニック」や「無添加」と表示されたものでも、愛犬にとって適した食品とは限りません。

オーガニックや無添加であっても、くるみに含まれる脂質やカロリーが多いという特徴は変わりません。

「自然な食品だから安心」と考えるのではなく、愛犬の食生活に適した食材かどうかを考えたうえで、おやつを選ぶことが大切です。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

②くるみの栄養は犬用フードでも摂れる

犬用の総合栄養食のフードを主食としている限り、くるみに含まれるオメガ3脂肪酸や食物繊維などに関して、犬は生活に必要な量をフードから摂取することができます。

そのために、栄養素を補充する目的で、あえて愛犬へくるみを与える必要はないと考えられます。

おやつとして与える場合でも、主食の栄養バランスを崩さないよう、少量にとどめることが重要です。

(参考文献:Dog Nutrition: Guide to Dog Food Nutrients | PetMD

③味付き・古いくるみ・殻付きは別のリスクがある

人用のくるみには、塩や調味料などで味付けされた商品もあります。そのようなくるみを誤食してしまった場合、少量でも体調を崩す可能性があるため注意が必要です。

また、古くなったくるみや保存状態の悪いくるみにはカビが生えることがあります。そのようなくるみには「マイコトキシン」が含まれることがあり、犬に中毒を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

私の経験でも、古くなったくるみを食べて体調を崩した犬を診察したことがあります。さらに、殻付きのくるみも、食道で詰まったり、小腸で詰まって腸閉塞を引き起こしたりすることがあるため、注意しましょう。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

犬にくるみをおすすめしない理由

犬にくるみをおすすめしない大きな理由は、くるみそのものが犬に中毒を引き起こすからではありません。

おすすめしない理由の一つは、脂質とカロリーが多く、食べ過ぎると胃腸への負担や肥満、膵炎などにつながる可能性があることです。最悪の場合、膵炎や持病を悪化させるリスクにもなりえます。

また、殻付きのくるみが異物として食道や胃腸を傷つけたり、詰まらせたりすることも注意したい点です。

そのような問題が起こらなくても、消化不良や便秘につながる可能性も否定できません。ここでは、犬にくるみをおすすめしない理由を、それぞれ詳しく見ていきましょう。

①脂質が多く、胃腸に負担がかかることがある

くるみには、ほかの食べ物と比べて脂質が多く含まれています。また、人用のくるみには、調味料で味付けされているものも少なくありません。犬は一般的に、一度に多くの脂質を摂取すると胃や腸に負担がかかります。

また犬はくるみの殻を消化できないため、殻のまま飲み込むと胃や腸に長く留まり負担をかける可能性があります。また、細かく砕けた殻でも安全とは言えず、消化不良や便秘の原因になることも少なくありません。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

②カロリー過多で肥満につながりやすい

前述の通り、くるみは脂質が多いためカロリーも高めです。犬は人より体が小さいため、人にとっては少量に感じる量でも、犬にとっては1日の必要カロリーに占める割合が大きくなるのです。

そのため、おやつとして頻繁に与えるとカロリー摂取量が多くなり、結果として体重増加につながる可能性があります。

肥満は関節や心臓などへの負担にもつながるため、愛犬の体重管理という点からも、くるみを日常的なおやつにすることはおすすめできません。

(参考文献:Obesity in dogs | PDSA

③膵炎や持病がある犬では注意が必要

特に、過去に膵炎を起こしたことがある犬では、その後の食事中の脂質について獣医師から指導を受けている場合があります。そのため、膵炎の既往歴がある犬や肥満傾向にある犬はもちろんのこと、

  • 心臓病
  • 関節疾患
  • 肝疾患
  • 糖尿病
  • 慢性腸症
  • 高脂血症

といった持病がある犬にとって、くるみは病状の悪化を引き起こす可能性があります。

そのため、健康状態に不安がある犬には特にくるみを与えないようにしましょう。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? | PetMD

くるみの代わりに犬が喜ぶ自然なおやつ

もし「愛犬に自然な食品をおやつとして与えたい」「人間といっしょにおやつを楽しんでほしい」という場合は、くるみ以外にも選択肢があります。

また、現在は犬用のおやつとして、オーガニックや無添加の商品が多く販売されていますが、自然な食品なら何を与えても安全というわけではないことに注意が必要です。

具体的におすすめの食材としては、味付けをしていない加熱した野菜やいも類、少量の果物などが挙げられます。

さらに、おやつは与え過ぎないことが基本で、おやつを与えた分だけ主食の量や1日の総摂取カロリーを考慮することも大切です。

では、くるみの代わりに愛犬へ与えやすい自然なおやつには、どのようなものがあるのでしょうか?それぞれを詳しく見ていきましょう。

(参考文献:Treats to skip and treats to share with your pet! | VCA Animal Hospitals

①味付けなしで加熱した野菜やいも類

犬のおやつとして、加熱した野菜やいも類を少量与える方法があります。

具体的には、

  • さつまいも
  • かぼちゃ
  • ブロッコリー
  • キュウリ
  • キャベツ
  • 大根

といった野菜を、味付けをせずやわらかく加熱してから少量を与えるようにしましょう。

ただし、糖質やカロリーも含まれるため、持病がある犬では獣医師と相談のうえで使用するようにしましょう。

また、タマネギや長ねぎなど、犬が食べてはいけない食材もあるため、食材選びには注意が必要です。

②果物は量と糖分に注意して少量にする

果物をおやつとして利用する場合は、種や芯、皮などを取り除いてから少量を与えましょう。

犬に与えられる果物としては、

  • バナナ
  • リンゴ
  • イチゴ
  • みかん
  • ナシ
  • スイカ

などが挙げられます。

ただし、果物には糖分が含まれるため、与え過ぎはカロリーの摂り過ぎにつながります。

また、ブドウやレーズンなど、犬にとって有害な果物もあるため、「果物なら何でも大丈夫」と考えないことが重要です。

③持病や体重管理中の犬は食材選びを相談する

肥満傾向にある犬や、膵炎や腎臓病、尿石症などの病気で食事管理をしている犬では、おやつ選びにも注意が必要です。

現在のフードや治療内容を踏まえて、どのようなおやつなら与えられるか獣医師に相談すると判断しやすくなります。

特に療法食を食べている犬では、食事以外のものを与えることで、治療に悪影響を及ぼすケースが珍しくありません。

犬とくるみに関するよくある質問

Q1.犬がくるみを殻ごと食べたらどうなりますか?

くるみの殻は硬く、犬ではうまく消化できないことが多いため、丸ごと飲み込んだ場合は食道や腸に詰まる可能性があります。

また、殻の破片によって口や消化管の粘膜が傷つき、場合によっては出血や炎症を起こすことも珍しくありません。

もし愛犬がくるみを殻ごと食べた後に、

  • 食欲がなくなる
  • よだれが増える
  • 口を気にする
  • 血便が出る
  • 嘔吐や下痢をする

といった症状が見られた場合は、早めに動物病院に相談しましょう。

症状がなくても、大きな殻を丸ごと飲み込んだ場合や小型犬の場合は、自己判断せず獣医師に相談すると安心です。

なお、家庭で無理に吐かせようとするのは危険な場合があるため、自己判断で吐かせることは避けましょう。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

Q2.犬がくるみを間違って食べても大丈夫ですか?

一般的な食用のくるみを犬が少量誤食した場合、必ずしも体調を崩すというわけではありません。一方で、大量に食べた場合は、嘔吐や下痢などの消化器症状や膵炎につながる可能性があります。

また、劣化してカビが生えたくるみでは、嘔吐だけでなく震え、ふらつき、けいれんなどの神経症状がみられることがあります。

愛犬がくるみを誤食した場合は、まずは食べた量や種類、殻の有無、食べた時間を確認し、少しでも様子がおかしい場合は動物病院へ相談しましょう。

(参考文献:Can Dogs Eat Walnuts? Can Dogs Have Walnuts? | akc.org

Q3.犬にほかのナッツをあげてもいいですか?

犬にくるみ以外のナッツ類を与える場合、種類によっては犬に中毒を起こすことがあるため、注意が必要です。

特に、マカダミアナッツは犬が食べると、

  • 嘔吐
  • 元気消失
  • ふらつき
  • 震え
  • 発熱

などの症状を起こすことがあります。

小型犬は少量でも中毒を起こす可能性があるため、犬には与えないようにしましょう。

一方、アーモンドやカシューナッツなどは、必ずしも強い毒性があるとはされていません。しかし、脂質やカロリーが多く、消化器症状や肥満につながる可能性があります。「ナッツは健康食品だから」と考えず、犬のおやつには別の食品を選ぶほうが安心です。

(参考文献:Can Dogs Eat Macadamia Nuts? | akc.org

【まとめ】犬に自然なおやつをあげたいなら、くるみ以外のものを

くるみは人にとっては栄養価の高い食品ですが、犬のおやつとして積極的に与える必要性は高くありません。

くるみには脂質やカロリーが多く含まれ、食べ過ぎると消化器症状や体重増加につながる可能性があり、大量に食べた場合には膵炎のリスクにも注意が必要です。

また、カビが生えたくるみでは中毒を起こす危険があり、殻付きの場合は消化管に詰まるリスクもあります。

愛犬に自然な食品をおやつとして与えたい場合は、味付けをしていない野菜や果物など、犬に与えやすい食材を少量選ぶ方法があります。

ただし、持病がある犬や療法食を食べている犬では、おやつが食事管理に影響する場合があるため、獣医師に相談するように心がけましょう。

監修者コメント
監修者の写真

くるみは、人にとっては健康的な食品として知られていますが、「人に良い食べ物=犬にも積極的に与えるべき食べ物」とは限りません。

一般的な食用のくるみを少量与えたからといって、必ず体調を崩すわけではありません。

しかし、脂質やカロリーが多く、膵炎をはじめとしたさまざまな病気の既往がある犬では、治療に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。

愛犬におやつを与えるときは、「自然な食品かどうか」だけではなく、安全性やカロリー、愛犬の健康状態まで考えて選ぶことが大切です。

特に療法食を食べている犬では、自己判断でおやつを追加せず、かかりつけの獣医師に相談したうえで与えましょう。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

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