なぜ猫は「腰トントン」が好き?理由と正しい撫で方を解説

      2026/10/09

キジトラ猫が気持ちよさそうに伸びをしている

猫の腰やしっぽの付け根を軽くトントンする「腰トントン」。

腰トントンをすると、猫はお尻を高く上げたり、喉をゴロゴロ鳴らしたり、気持ちよさそうな様子を見せてくれますね。手を止めた途端に振り返り、もう一度お尻を近づけてくる猫もいるでしょう。

筆者も子どものころ猫と暮らしていて、腰トントンをよくせがまれたことを覚えています。猫が満足そうにする姿を見るのはとても嬉しいものですが、なぜ腰やしっぽの付け根に触れられると、このような独特の反応を見せるのでしょうか。

また、喜んでいるように見えるからといって、好きなだけ続けてもよいのか気になりますよね。

そこでこの記事では、なぜ猫が腰トントンを好きなのか、その理由や正しい撫で方について解説します。

この記事でわかること
  • 猫が腰トントンを好むと考えられる理由
  • 腰トントンを喜ぶ反応と嫌がるサイン
  • 猫に負担をかけにくい撫で方と注意点
なっきー

【執筆】なっきー(ペット専門家・ライター)

ペットケアライター。犬猫に関する資格を多数保有するほか、海外のペット関連講座も複数修了。犬猫に関する記事の執筆・監修、ペット用品の商品開発アドバイスなどに携わる。現在も複数の愛犬と暮らしている。

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【結論】猫が腰トントンを好む理由は、敏感な部位への刺激が心地よいからかも

猫が腰トントンを好きなのは、しっぽの付け根周辺は刺激に反応しやすい部位のため、軽い刺激を心地よく感じるのではないかと考えられています。

とはいえ、なぜ猫がこの部分への刺激を好むのかは、科学的に明確になっていません。

本当のところは猫にしかわからないため、どのように感じているのか一度聞いてみたいものですね。

ただし、感じ方には個体差があり、すべての猫が腰トントンを好むわけではないので注意が必要です。

(参考文献:Hyperesthesia Syndrome|Cornell Feline Health Center)

猫が腰トントンを好む理由はひとつではない

腰トントンは、一見すると単純なスキンシップにも思えるでしょう。また、なぜ腰やしっぽの付け根に独特な反応が見られるのか、不思議ですよね。

猫が腰トントンを喜ぶ姿はよく見られますが、腰トントンを好きな理由はひとつだけではありません。

理由を知ると、何気なく見ていた仕草にも「こんなふうに感じているのかもしれない」と新しい気づきが生まれ、愛猫のことをより愛おしく感じられるでしょう。

ここでは、猫が腰トントンを好む理由を解説します。

①しっぽの付け根は刺激を感じやすい部位

猫のしっぽの付け根は、触れられたときに反応が出やすい部位です。

しっぽの付け根付近には、背骨としっぽの骨をつなぐ仙骨があり、その周辺にはしっぽや骨盤まわりの働きに関わる複数の神経が通っています。

そのため、わずかな刺激でも感じ取りやすく、軽くトントンしたり撫でたりすると、心地よさにつながるのでしょう。

②フェロモン分泌腺や生殖行動に近い反応が関係することもある

猫のしっぽの付け根には、においによるコミュニケーションに関わるフェロモン分泌腺があり、腰トントンによってこの部分が刺激されることも、猫が喜ぶ理由のひとつではないかと考えられています。

また、発情中のメス猫は腰まわりに触れられると、お尻を持ち上げる姿勢を見せますが、こうした生殖行動に近い反応が関係しているという説もあります。

(参考文献:What are the different ways in which cats communicate?|cat care)

③安心感や過去の経験で好きになる猫もいる

腰トントンそのものの刺激ではなく、飼い主さんに触れてもらえること自体を喜ぶ猫もいます。

撫でられることが好きな猫にとって、信頼できる人との触れ合いは落ち着ける時間です。

たまたま触れられた場所が腰で、腰トントンが好きなように見えることもあるでしょう。

また、これまでに腰を優しく撫でられて心地よかった経験があれば、腰トントンを好きになることもあります。

腰トントンが好きな猫に見られやすい反応

腰トントンの反応は、わかりやすい反応をする猫もいれば、控えめな仕草で気持ちよさを伝える猫もいます。

猫は言葉を話せないぶん、仕草や動きでそのときの気持ちを表します。

何気ない仕草に見えても、愛猫なりの「うれしい」という気持ちが込められているのかもしれません。

個体差があるからこそ、愛猫の喜んでいる反応を見逃したくないものですね。

ここでは、腰トントンが好きな猫に見られやすい反応を見ていきましょう。

①お尻を上げたり、しっぽを立てたりする

腰トントンをしていると、お尻を上げたりしっぽを立てたりするのは、猫によく見られる反応です。

筆者の愛猫は、どこまで持ち上げるのかと思うほどどんどんお尻が上がっていき、後ろ足をピーンと伸ばしてつま先立ちのような姿勢になっていましたよ。

お尻の上げ方やしっぽの角度にもその子らしさが表れるので、見ていて飽きないですね。

②ゴロゴロ鳴いたり、体を寄せたりする

腰トントンでは、喉をゴロゴロ鳴らしたり、飼い主さんに自分から体を寄せたりする猫もいます。

ゴロゴロ音は、猫がリラックスしているときに聞かれることが多いものです。あわせて目を細めてうっとりしたような表情が見られることもあるでしょう。

愛猫が気持ちよさそうにする姿を見せてくれるのは、飼い主冥利に尽きますね。

③自分から腰を向けて催促することがある

腰トントンが好きな猫は、飼い主さんの前でくるりと向きを変え、自分から腰やお尻を向けてくることも珍しくありません。

手を止めると振り返ったり、再び近づいて同じ姿勢を取ったりするなら、「もっとしてほしい」と催促しているのでしょう。

猫の中には、飼い主さんの手の下へ腰を差し入れるように動く子もいますよ。

腰トントンを嫌がっている猫のサイン

腰トントンを好きな猫は多いですが、必ずしもすべての猫が好きとは限りません。

また、猫は気分屋な一面があるため、最初は喜んでいたように見えても、触られているうちに気分が変わることもあるでしょう。

猫に快適に過ごしてもらうためにも、そのときどきの気持ちを尊重し、愛猫が見せる変化に気づいてあげることが大切です。

ここでは、腰トントンを嫌がっている猫のサインについて解説します。

①しっぽを強く振る、耳を伏せる

腰トントンの途中で、しっぽを左右に大きく振ったり、床へ強く打ちつけたりするのは、猫がいら立ちや不快感を覚えているときに見られるサインです。

また、耳を横や後ろへ倒す「イカ耳」も、警戒や緊張が高まっているときに見られます。

こうした様子が見られたら、腰トントンはいったんやめて様子を見てあげましょう。

(参考文献:How does your young cat communicate with their tail?|vcahospitals)

②体をこわばらせる、逃げようとする

体に力を入れてこわばらせたり、逃げようとするときも、腰トントンを嫌がっているサインです。

飼い主さんの手から体を遠ざけたり、その場を離れようとしたりする場合は、触られることを望んでいません。

また、逃げようとする猫を押さえたり、移動した猫を追いかけて触ったりせず、自分の意思で離れられるようにすることが大切です。

(参考文献:Cat Behavior Problems: Petting Aggression|VCA)

③噛む、引っかく前にすぐやめる

猫が噛んだり引っかいたりする前に、腰トントンをやめることが大切です。

しっぽの動きが強くなる、耳を伏せる、体をこわばらせる、逃げようとするなどの変化が見られたら、それ以上腰トントンを続けるべきではありません。

そのまま続けると、猫が噛んだり引っかいたりして、さらに強く拒否するようになるでしょう。

猫に腰トントンをするときの正しい撫で方

腰トントンは、猫とのスキンシップのひとつです。

しかし、腰トントンをするときは、ただやみくもに触ればいいというわけではありません。触り方によっては、猫の負担や不快感につながることもあります。

また、猫が一度喜んだからといって、いつでも同じように受け入れてくれるわけではないため、そのときの様子に合わせて接することが大切です。

腰トントンを愛猫との楽しい時間にするためにも、正しい撫で方と注意点を知っておきましょう。

①強く叩かず、軽く撫でるように触る

腰トントンをするときは、手のひらや指の腹を使い、しっぽの付け根付近を軽く撫でるように触れましょう。

「腰トントン」という呼び方でも、猫の腰を強く叩く必要はありません。

トントンするときも、手を打ちつけるのではなく、そっと弾ませる程度にしてください。

しっぽ付近は敏感な部位のため、十分に配慮してあげることが大切です。

②短時間にして、猫の反応を見ながら続ける

腰トントンは、猫の反応を見ながら続けましょう。

最初は喜んでいるように見えても、しつこく続けていると不快に感じる猫もいます。

心地よく感じる時間や刺激の程度は猫によって異なるため、愛猫の様子を見ながら行うのがポイントです。

長時間続けると過剰な刺激になってしまうこともあるので、ほどほどのところで切り上げましょう。

③急に嫌がる、痛がるときは獣医師に相談する

猫が腰トントンを急に嫌がるようになったり、触れた瞬間に鳴いたり噛もうとするときは、早めに獣医師に相談してください。

これまで平気だったのに、急にこうした変化が見られるときは、体の痛みや違和感を抱えている可能性があります。

単なる猫の気分と決めつけず、ほかにも変わった様子がないか確認しましょう。

猫の腰トントンに関するよくある質問

Q1.腰トントンは毎日してもいいですか?

愛猫が嫌がらず、腰トントンが好きなのであれば、毎日行っても問題はないでしょう。ただし、猫が毎日腰トントンをしてほしいとは限りません。猫だって、その日の気分や体調によって触られたくないこともあります。また、眠っているときや食事中、毛づくろい中など、猫がほかの行動をしているときは避けましょう。

Q2.腰トントンを嫌がる猫は信頼していないのですか?

腰トントンを嫌がるからといって、飼い主さんを信頼していないわけではありません。猫によっては信頼している相手であっても、腰やしっぽの付け根に触れられることが好きではないこともあります。信頼の表し方は猫によってさまざまです。腰トントンへの反応だけで関係性を判断せず、愛猫が受け入れやすい方法で触れ合いましょう。

Q3.腰トントンでお尻を上げるのは発情ですか?

腰トントンでお尻を上げるだけでは、発情とは判断できません。猫はしっぽの付け根への刺激を心地よく感じたときにも、同じような反応を見せることがあります。ただし、避妊していないメス猫が発情すると、お尻を高く上げ、しっぽを横へ寄せる姿勢が見られます。大きな声で鳴くなどほかの変化も見られる場合は、発情の可能性も考えましょう。

【まとめ】猫の腰トントンは反応を見ながら、好きな子だけに優しく行おう

猫の腰トントンが好きな理由はさまざまですが、当然苦手な猫もいます。

猫は腰トントンが好きと決めつけず、愛猫がどう感じているのかを見てあげましょう。

もし愛猫が腰トントンを好む場合は、反応を見ながら優しく行ってくださいね。

また、同じ猫でも、その日の気分や体調によって反応が変わることがあります。

腰トントンをすること自体を目的にせず、愛猫が心地よく過ごせる時間をつくることを優先してあげましょう。

監修者コメント
監修者の写真

猫のしっぽの付け根付近には複数の神経が通っており、触れると独特の感覚が生じやすい部位です。猫自身も夢中になって、知らず知らずのうちに刺激が負担になっていることも珍しくありません。猫が喜んでいる、おねだりしてくるからといって長時間続けず、飼い主さんが適度なところで切り上げてあげることも大切です。この記事が、愛猫との腰トントンを楽しむ際の参考になれば幸いです。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

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