
「中型犬をお迎えしたいけど、抜け毛が大変そう」と思う人も少なくありません。実際、SNSで抜け毛の量を投稿している中型犬の飼い主さんも多く、「あんなに抜けるの?」と驚いた経験がある人もいるのではないでしょうか。
犬は生き物である以上、まったく毛が抜けないということはありません。しかし、犬種によって抜け毛の量や抜け毛の目立ちにくさには違いがあります。
中には、抜け毛が少なく、日々の掃除の負担を抑えやすい中型犬もいます。もちろん、抜け毛が少ない犬であってもお手入れは必要ですが、一般的な換毛期に毛がごっそり抜けて大変と感じることは少ないでしょう。
この記事では、毛が抜けにくい中型犬の犬種やケアのポイント、抜け毛・掃除対策についてメディカルトリマーが解説します。
- 抜け毛が目立ちにくい中型犬の種類
- 毛質ごとに必要なカットとケア
- 室内でできる抜け毛と掃除対策
【執筆】なっきー(ペット専門家・ライター)
ペットケアライター。犬猫に関する資格を多数保有するほか、海外のペット関連講座も複数修了。犬猫に関する記事の執筆・監修、ペット用品の商品開発アドバイスなどに携わる。現在も複数の愛犬と暮らしている。
目次
毛が抜けない・抜けにくい中型犬のおすすめ犬種①ミディアムプードル
毛が抜けにくい中型犬の犬種としておすすめなのは、ミディアムプードルです。
ミディアムプードルは、体高が35cm超〜45cm以下と、トイプードルより体が大きく、スタンダードプードルよりコンパクトというサイズ感も魅力です。
プードルはシングルコートという1層構造の被毛を持ち、1年を通して少しずつ毛が生え変わるため、季節の変わり目に毛が大量に抜ける、一般的な換毛期がありません。
また、豊かで密な巻き毛を持つため、抜けた毛がそのまま床に落ちずに、被毛の中に絡まりやすい傾向があります。
ただし、毛玉ができやすかったり、毛が伸び続ける犬種なので、定期的なお手入れは必要です。
(参考文献:CANICHE|FEDERATION CYNOLOGIQUE INTERNATIONALE (AISBL))
毛が抜けない・抜けにくい中型犬のおすすめ犬種②バセンジー
バセンジーも、抜け毛が少ない中型犬に挙げられます。
体高はオスで約43cm、メスで約40cmが理想とされ、引き締まった体つきとくるんと巻いた尻尾が特徴です。
被毛はなめらかな質感のシングルコートの犬種で、ミディアムプードル同様に1層構造の被毛を持つため、換毛期がありません。
被毛が細く短いため、抜け毛が床に落ちたり服についても目立ちにくいでしょう。
また、バセンジーは猫のように頻繁に自分で体を舐めて毛づくろいをする習性があるとされ、清潔好きな犬種としても知られています。
(参考文献:Basenji|AMERICAN KENNEL CLUB)
毛が抜けない・抜けにくい中型犬のおすすめ犬種③ケリーブルーテリア
毛が抜けにくい中型犬の犬種として挙げられるのが、ケリーブルーテリアです。
体高はオスで45.5〜49.5cm、メスで44.5〜48cmが目安で、筋肉質な体つきと、青みがかった独特の被毛が特徴的です。子犬の頃は黒っぽく、成長とともに青みのある毛色に変化します。
被毛はやわらかく、ゆるく波打つような質感で、抜け毛目立ちにくい犬種とされています。
ただし、毛が伸び続ける犬種で、被毛が伸びるともつれや毛玉ができやすくなるため、定期的なお手入れが必要です。
(参考文献:KERRY BLUE TERRIER|FEDERATION CYNOLOGIQUE INTERNATIONALE (AISBL))
毛が抜けない・抜けにくい中型犬のおすすめ犬種④エアデールテリア
エアデールテリアは、テリア種のなかで最も大きいとされる、中型~大型犬です。
体高はオスで約58〜61cm、メスで約56〜59cmが目安で、しっかりした体格と長い脚、四角い顔立ちをしています。被毛は硬いワイヤー状の上毛と、やわらかい下毛を持つダブルコートです。
とはいえ、一般的なダブルコートの犬種のように大量の抜け毛が目立つタイプではありません。
硬い上毛が抜けた毛を抱え込みやすく、抜け毛が散らばりにくいため、抜け毛が少ない犬種としてたびたび名前が挙がります。
(参考文献:AIREDALE TERRIER|FEDERATION CYNOLOGIQUE INTERNATIONALE (AISBL))
毛が抜けない・抜けにくい中型犬のおすすめ犬種⑤ロマーニャ・ウォーター・ドッグ
ロマーニャ・ウォーター・ドッグは、ラゴット・ロマニョーロとも呼ばれる、抜け毛が目立ちにくい中型犬です。
体高はオスで43〜48cm、メスで41〜46cmほどが目安で、もともとは水辺で働く犬として活躍していました。
被毛は上毛と下毛の2層構造のダブルコートですが、一般的なダブルコートの犬種のように、換毛期に下毛がごっそり抜けるタイプではありません。
プードルに似た風貌で、羊毛のような質感の巻き毛を持っているため、抜けた毛が床に落ちにくいという特徴があります。
また、ダブルコートの犬種ですが、毛が伸び続けるため、定期的なお手入れが必要です。
(参考文献:Lagotto Romagnolo|AMERICAN KENNEL CLUB)
中型犬で毛が抜けない犬種を飼うときの注意点
中型犬で毛が抜けにくい犬種との暮らしは、抜け毛の掃除は楽になるかもしれません。
しかし、皮膚や被毛のお手入れをしなくてもいいというわけではないので注意が必要です。
ここでは、毛が抜けにくい中型犬を飼うときの注意点を見ていきましょう。
定期的なカットが必要
プードルのような毛が伸び続ける犬種は、1ヶ月に1回程度の定期的なカットが必要です。
抜け毛が少ない犬でも、伸びた毛を放置すると毛玉ができやすくなり、皮膚を引っ張って炎症を起こすことがあります。
また、毛玉ができることで通気性も悪くなるため、定期的にカットを行いましょう。
なお、バセンジーのような短毛種は、基本的に全身カットは不要です。
顔周り、足裏、肛門周りの衛生管理も必要
顔周りや足裏、肛門周りを清潔に保ちましょう。
口周りの毛が長い犬は、食べかすやよだれが付着しやすく、放置するとにおいや汚れの原因になります。
また、足裏の毛が伸びていると、肉球がブレーキの役割を果たせず、転倒したり足腰への負担になることも少なくありません。
肛門周りも排泄物が付着しやすいため、部分カットで短くしておくといいでしょう。
「フケ」への配慮
抜け毛が少ない犬種でも、フケへの配慮は必要です。
フケは皮膚の乾燥やシャンプーのしすぎ、すすぎ残しや栄養バランスの乱れなどでも増えることがあります。
ただし、フケが多い、においがある、かゆがるなどの様子が見られる場合は、皮膚トラブルの可能性もあるため動物病院に相談してください。
室内で中型犬と暮らすための抜け毛・掃除対策
中型犬に限りませんが、室内で犬と暮らしていると、抜け毛が床に落ちたり、服につくことは避けられません。
ただし、適切なケアを行うことで、抜け毛を最小限におさえ、掃除の負担を軽減することができるでしょう。
ブラッシングの習慣化
犬の抜け毛の対策には、ブラッシングを習慣化することが大切です。
長毛種は毎日、短毛種は週に2〜3回を目安にブラッシングを行いましょう。
抜けた毛をあらかじめ取り除くことで、床や服、ソファに落ちる毛を減らすことができます。
また、ブラッシングには毛玉を防いだり、皮膚の血行を促すなど、犬にとって大切な役割もありますよ。
適切なシャンプー頻度
犬のシャンプーは、月に1回を目安に行いましょう。
洗いすぎると皮脂を落としすぎて、乾燥やフケの原因になることがあります。
一方で、汚れを放置すると、皮膚トラブルにつながることも少なくありません。
洗うときは犬用シャンプーを使い、すすぎ残しがないように丁寧に流しましょう。
また、乾かすときも、根元までしっかり乾かすことが大切です。
栄養バランスのよい食事
健康な皮膚や被毛を保つには、栄養バランスのよい食事も大切です。
皮膚や被毛は、たんぱく質をはじめ、脂質やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素によって構成・維持されています。
そのため、栄養バランスが乱れると、皮膚の乾燥や被毛のパサつきにつながることも少なくありません。
主食は、愛犬の年齢や体質に合った総合栄養食を選びましょう。
(参考文献:Nutritional Requirements of Small Animals|merckvetmanual)
「中型犬 毛が抜けない」に関するよくある質問
Q1.毛が抜けない中型犬はいますか?
まったく毛が抜けない中型犬は存在しません。犬の毛は一定の周期で生え変わるため、どの犬種でも抜け毛はあります。ただし、シングルコートや短毛、巻き毛などの犬種は、換毛期に大量の毛が抜けるダブルコートの犬種に比べて、抜け毛が気になりにくいでしょう。抜け毛の少なさを重視する場合は、被毛の構造や毛の長さ、毛質を確認するのがポイントです。また、抜け毛が少ない犬種でも、適切なケアは欠かせません。
Q2.毛が抜けにくい中型犬で初心者に向いている犬種は?
毛が抜けにくい中型犬で初心者がお迎えしやすいのは、ミディアムプードルです。ミディアムプードルはとても賢く、人とコミュニケーションを取ることが好きなため、しつけやトレーニングにも積極的に取り組んでくれる傾向があります。ただし、活発な犬種なので、毎日の散歩や遊びの時間は欠かせません。また、定期的なトリミングサロンでのカットも必要です。性格や運動量、お手入れにかかる時間も含めて検討しましょう。
Q3.マンションでも飼いやすい毛が抜けにくい中型犬は?
マンションでも飼いやすい毛が抜けにくい中型犬は、ミディアムプードルやバセンジーが候補に挙げられます。ミディアムプードルはしつけがしやすく、バセンジーは吠え声が少ない傾向がある犬種として知られています。 どちらの犬種も中型犬の中では比較的コンパクトなので、マンションでも飼いやすいでしょう。ただし、中型犬の飼育を可としているマンションはそう多くありません。飼育規約で犬種の制限が設けられていないか、必ず確認してください。
【まとめ】適切なケアを理解し、おうちに最適な毛が抜けない中型犬を見つけよう
毛が抜けない・抜けにくい中型犬は、抜け毛の悩みを減らしたい人にとって魅力的な犬種でしょう。
ただし、快適に暮らすためには、犬種ごとの毛質や必要なケアを理解しておくことが大切です。
抜け毛が少ない犬でも、定期的なカットや日常的なお手入れは欠かせません。
また、中型犬は体格や運動量、住まいとの相性も犬種によって異なります。
迎えた後に「思っていた暮らしと違った」とならないよう、抜け毛の少なさだけでなく、日々のお世話にかけられる時間や生活環境も含めて考えてみましょう。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム