愛犬が体調を崩し、獣医師から「アジソン病の疑いがある」と告げられると、その後の治療費が心配になりますよね。
そんなとき、
「治療費が月額いくらくらいかかるのだろう?」
「なぜ治療費が高くなるのだろう?」
「今後の生活にどのような影響があるのかな?」
といった疑問をお持ちではありませんか?
犬のアジソン病は、生涯にわたる治療が必要になるケースが多く、毎月の薬代や定期検査費用が発生するため、治療費が高額と言われています。
また、症状が安定すれば普段通り生活できる犬も多いですが、治療を中断すると命に関わることもあるため注意が必要な病気です。
今回は、現役獣医師の意見をもとに、犬のアジソン病の治療費や症状、なぜ治療費が高くなるかなどについて分かりやすく解説します。
最後までお読みいただき、犬のアジソン病について正しい理解を深めましょう。
目次
犬のアジソン病の薬代は月いくらが目安?
犬のアジソン病では、体内で不足する副腎皮質ホルモンを補うお薬を継続的に使用する必要があります。
犬の体重や治療内容、動物病院によって差はありますが、薬代だけで月1〜2万円前後が目安です。
さらに定期的な血液検査や通院費が加わるため、実際には毎月3万〜4万円程度かかるケースも珍しくありません。
では、実際にそれぞれいくらかかるのか、具体的に見ていきましょう。
(参考文献:Addisons Disease Treatment Cost Dogs in Dogs | SpectrumCare)
(参考文献:What is the cost of Addison’s Disease Treatment in Dogs? | modernmom.com)
月額費用の目安
犬のアジソン病では、その月にどのような検査や治療を行うかによって、月額費用の目安が大きく異なります。
まず、アジソン病と診断するまでに、
- 血液検査
- レントゲン検査
- 腹部超音波検査
- 尿検査
- ホルモン検査
などが行われ、費用は約3~6万円かかります。
さらに、治療を継続していくなかでかかる月額費用の目安は、以下の表のようになります。
| 治療内容 | 月額費用 |
| 内服薬による治療 | 約2~3万円 |
| 注射による治療 | 約1~3万円 |
| 定期検査による費用 | 約2~3万円 |
| 入院や点滴などの費用 | 約2~4万円 |
そのため、月額の平均的な治療費としては、約2~5万円程度と言われています。
犬のアジソン病で薬代が高くなりやすい理由①生涯にわたる治療が必要になりやすい
犬のアジソン病は、「副腎」と呼ばれるステロイドホルモンを作る臓器の機能が低下することで、体内で必要なホルモンを十分に作れなくなる病気です。
一度発症すると自然に治ることは少ないため、一般的には生涯にわたる治療が必要になります。
また、愛犬の体調が安定していても薬をやめることは難しく、定期検査での通院も必要です。
また、些細なストレスで体調を崩すことが多くなり、定期検査以外でもその都度受診が必要になることも少なくありません。
そのため犬のアジソン病は、長期間にわたり治療費が積み重なり、経済的な負担が大きくなりやすい病気といえるでしょう。
実際に私が治療を行った症例でも、飼い主様からよく治療費に関する相談を受けました。
(参考文献:Addison Disease (Hypoadrenocorticism) in Animals – Endocrine System – | Merck Veterinary Manual)
犬のアジソン病で薬代が高くなりやすい理由②体重が重い犬ほど薬代が高くなりやすい
犬のアジソン病は、
- スタンダードプードル
- ラブラドールレトリバー
- ポルトガルウォータードッグ
- グレートデーン
といった大型犬での発症率が高いと言われています。
アジソン病の治療薬は、犬の体重に合わせて投与量を調整することが一般的です。
そのため、小型犬より大型犬のほうが必要な薬の量が増え、薬代も高額になりやすい傾向があります。
特に注射薬を使用する場合は、体重によって費用差が大きくなるケースも少なくありません。
また、症状が安定するまでに必要な点滴や注射の量も、体重が増えるとともに増加する傾向があるため、一時的に費用が増えることが多いです。
(参考文献:Addison’s Disease in Dogs | Real Vet Costs)
犬のアジソン病で薬代が高くなりやすい理由③定期的な「血液検査代」
前述の通り、犬のアジソン病は一度お薬を投与して治療が終了するのではなく、定期的な血液検査による体調管理が重要です。
特に、
- ナトリウムやカリウムなどの電解質
- ヘマトクリット値
- 尿素窒素
- クレアチニン
- アルブミン
- コレステロール
といった項目のバランスを確認しながら、お薬の量を調整する必要があります。
特に治療開始直後や薬の変更時は、短期的に検査の回数が増えることも少なくありません。
血液検査は1回1〜2万円程度かかる場合があるため、治療費と合わせると毎月の負担が大きくなる理由のひとつに挙げられます。
(参考文献:Addison Disease (Hypoadrenocorticism) in Animals – Endocrine System – | Merck Veterinary Manual)
犬のアジソン病で見られる症状
犬のアジソン病では、
- 元気消失
- 食欲低下
- 体重減少
- ふらつき
- 嘔吐
- 下痢
- 多飲多尿
といった症状が見られることがあります。
しかし、これらの症状はアジソン病に特異的なものではなく、かつ徐々に症状が現れるケースもあるため、気づかれにくいことも少なくありません。
それぞれの症状を詳しく見ていきましょう。
(参考文献:Addison Disease (Hypoadrenocorticism) in Animals – Endocrine System – | Merck Veterinary Manual)
元気がない・食欲がない
まず、犬のアジソン病の初期症状として多いのが、元気消失や食欲不振です。
いつものご飯を食べ残したり、普段より寝ている時間が増えたりすることがあります。
一時的に改善する場合もあるため見逃されやすいですが、症状を繰り返す場合は注意が必要です。
また、嘔吐や下痢を伴うこともあり、体調不良が長引くケースも少なくありません。
しかし、これらの症状はアジソン病に特異的な症状ではないため、症状だけでアジソン病を疑うことは難しいです。
実際に私自身が診察を行うなかでも、なかなかアジソン病に気づくことができないときもあります。
体重減少
次に、食欲低下が続くことで、徐々に体重が減少することがあります。
一般的に、体重が10%以上減少する場合は、背景に病気があることが多いと言われています。
犬のアジソン病では、栄養を十分に摂取できなくなるだけでなく、ホルモン不足によって全身状態が悪化することも、体重が減少する原因の一つです。
また、嘔吐や下痢から脱水が起こることで、体重が減少することも少なくありません。
急激な変化ではなく、少しずつ痩せていくケースもあるため、「最近痩せたかも」と感じたら早めの受診が重要です。
ふらつき
犬のアジソン病では、ナトリウムやカリウム、カルシウムといった電解質のバランスが崩れることが多いため、筋力の低下やふらつきといった症状が見られることがあります。
また、不整脈や低血糖を引き起こすこともあり、その結果ふらつきという症状が見られることも少なくありません。
歩き方がおかしい、急に倒れるなどの症状が見られた場合は、様子を見ずに早めに動物病院を受診しましょう。
アジソン病の犬の寿命
犬のアジソン病は完治が難しい病気ですが、適切な治療を継続できれば寿命を大きく縮めずに生活できる犬も多いとされています。
実際に私が治療を行った症例も、アジソン病とは異なる病気で亡くなるまで、何年にもわたり元気に過ごすことができました。
お薬を継続的に投与し、ストレスの少ない生活と定期的な検査によって、適切にホルモンバランスを維持できれば、普段通り元気に過ごせるケースも少なくありません。
ただし、治療を中断したり、体調悪化に気づくのが遅れたりすると重篤化する可能性があります。
日頃から体調変化をよく観察し、継続的に管理することが大切です。
(参考文献:Addison Disease (Hypoadrenocorticism) in Animals – Endocrine System – | Merck Veterinary Manual)
「アジソン病 犬 薬代」に関するよくある質問
Q1.薬代が払えないときはどうすればいいですか?
前述の通り、犬のアジソン病は治療費が高くなる傾向があります。
そのため、お薬代の支払いが滞ってしまうことも少なくありません。
その場合は、まずはかかりつけの動物病院へ相談することが大切です。
治療方法によっては費用を抑えられる選択肢がある場合もあります。
また、ペット保険に加入している場合は、アジソン病が補償の対象かを確認しましょう。
さらに、症状が安定している場合は、定期検査の頻度を調整できるケースもあります。
自己判断で薬を中断すると命に関わる危険があるため、費用面に不安がある場合は必ず獣医師に相談しましょう。
Q2.アジソン病の犬は普通に生活できますか?
結論から申し上げますと、適切に治療を続ければ、普段通りの生活を送れる犬が多いと言われています。
お散歩や食事も通常通り行えるケースが多く、寿命にも大きく影響しないことが一般的です。
ただし、些細なストレスをきっかけに、症状が悪化することも少なくありません。
そのため、定期的な検査や日々のストレス管理が欠かせません。
引っ越しやドッグラン、トリミング、ペットホテルの利用といった環境変化のストレスには慎重になる必要があります。
Q3.どんな薬が処方されますか?
犬のアジソン病では、体内で不足している副腎ホルモンを補う薬が処方されることが一般的です。
内服薬であれば、ステロイド剤である「プレドニゾロン」や「フルドロコルチゾン」などが処方されます。
注射薬であれば、3~4週間ごとに「DOCP」と呼ばれる持続性のステロイド剤が使用されることが多いです。
獣医師は犬の病状や体重をもとに、これらの薬の種類や投与量を決定します。
そのため、症状が安定しても自己判断で薬をやめず、獣医師の指示に従って継続することが大切です。
【まとめ】一生涯の薬代がかかるため、飼い主様の経済的・精神的負担は決して小さくはない
犬のアジソン病は、生涯にわたる投薬や定期検査が必要になることが多く、継続的な負担が大きくなりがちな病気の一つとして有名です。
特に大型犬では薬代が高額になりやすく、また治療も長期になることから、健康なうちから経済的な備えをすることが、対策として重要な病気です。
一方で、適切に治療を続ければ、普段通り生活できる可能性も十分あります。
愛犬の体調変化を見逃さず、獣医師と相談しながら無理のない治療を続けていくことが大切です。
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犬のアジソン病は、日本でも比較的よく見られる病気です。 私自身も、何例ものアジソン病の犬を診察してきました。 その症状があいまいなケースも多く、診断に迷うことも多々あるのが実際です。 アジソン病は継続的な治療が必要な病気ですが、適切な管理によって良好な生活の質を維持できるケースも多く経験しています。 特に投薬の継続と定期検査は非常に重要で、自己判断による中断は危険です。 飼い主様にとっては経済的・精神的な負担もありますが、その点も気兼ねなく相談していただければ幸いです。
監修・うさパラ コンテンツ制作チーム