セントバーナードは、スイスのアルプスで救助犬として活躍してきた、がっしりとした体格と穏やかな表情が特徴的な超大型犬です。
とはいえ、日本ではあまり見かけない犬だけに、ほかの似ている大型犬と混同されることも少なくありません。
SNSの投稿や写真、テレビなどを見て、「これって何犬?セントバーナード?」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、似ている犬種は意外と多く、どこを基準に見分けたら良いかよくわからないですよね。
見た目の違いがわかれば、犬を見る楽しさもより広がるというものです。
そこでこの記事では、セントバーナードの特徴や似ている犬種、見分け方のポイントについて徹底解説します。
目次
【基本情報】セントバーナードの特徴
セントバーナードと似ている犬たちを見分けるためにも、まずはセントバーナードがどんな犬かを知っておきましょう。
サイズ感だけでなく、顔つきや模様、性格を理解することで、ほかの似ている大型犬との違いが見えてきますよ。
サイズ感
セントバーナードは、体高が65〜90cmにもなる超大型犬です。骨格が太く、全体的にどっしりとした体型をしています。
体重に規定はありませんが、約50〜90kgが一般的で、90kgを超えることも少なくありません。
安心感や親しみやすさを与えてくれる風貌から、日本では「フランダースの犬」のモデルになりましたが、原作ではまったく違う犬種なんですよ。
(参考文献:Saint Bernard|AMERICAN KENNELL CLUB )
顔つき
セントバーナードは、「優しい巨人」とも呼ばれているほど穏やかな顔つきが特徴です。
幅広く大きな顔に、下がり気味のつぶらな瞳が絶妙ですよね。
また、垂れ下がったタプタプな上唇は、触ってみたいという人もいるのではないでしょうか。
額には深いシワがあり、常に困り顔をしているようにも見えます。
¥こうした表情が、体は大きいのに威圧感を感じさせない理由のひとつです。
毛色・模様
セントバーナードの毛色は、白色をベースに赤みがかった茶色の斑が入っています。
また、顔には左右対称にマスクのような模様が入ることも多く、目の周りが黒いセントバーナードを見かけることが多いのではないでしょうか。
胸や足、尻尾の先、マズルや鼻筋、うなじは白い被毛であることが絶対条件とされています。
性格・気質
セントバーナードは、温厚で穏やかな性格をしているのが特徴です。雪山で救助犬として活躍していた歴史から、辛抱強く献身的な気質を備えています。
人や子ども、ほかの犬に対しても友好的で、初対面の相手にも落ち着いて接することができるでしょう。
ただ、とても用心深いため、子犬の頃の社会化やしつけが重要です。
セントバーナードに似てる犬① バーニーズ・マウンテン・ドッグ(よく間違える代表)
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、セントバーナードと同じスイス原産の大型犬で、見た目も似ていることからよく間違えられる犬種です。
体格や毛の長さ、落ち着いた雰囲気が共通しているため、パッと見ではどちらがどちらか分からないのではないでしょうか。
ただ、バーニーズ・マウンテン・ドッグの毛色は黒、茶、白のはっきりとしたトライカラーが基本です。
同じスイスでもセントバーナードとは異なる役割を担い、番犬として農場を守ったり、牛を追ったりしていた歴史から、引き締まった体つきになっています。
(参考文献:Bernese Mountain Dog|AMERICAN KENNELL CLUB)
セントバーナードに似てる犬② ニューファンドランド
ニューファンドランドは、大柄でがっしりとした体格を持つカナダ原産の大型犬です。
長い被毛や穏やかな表情、体のボリューム感など、全体の雰囲気がセントバーナードに重なりやすく、似ている犬としてよく名前が挙げられます。
ただ、ニューファンドランドの毛色は黒や茶色の単色が多く、セントバーナードのような白色ベースに赤茶色の斑がある模様はほとんど見られません。
セントバーナードとはまったく異なる見た目ですが、日本では大きくて穏やかそうな長毛の犬=セントバーナードという印象が強いのかもしれませんね。
(参考文献:Newfoundland|AMERICAN KENNELL CLUB)
セントバーナードに似てる犬③ レオンベルガー
レオンベルガーは、ドイツ原産の大型犬で、大きな体格や力強い筋肉に、優美さを兼ねそろえた威厳のある犬です。
胸元や首まわりの毛が豊かで、ライオンのようなシルエットに見えることもあります。
それもそのはず、レオンベルガーはライオンのような犬を作るという目的で作出されました。
毛色はゴールドや黄褐色が中心で、顔まわりに黒いマスクが入る個体も少なくありません。
とはいえ、その堂々とした見た目や落ち着いた雰囲気から、セントバーナードに似ていると言われてしまうこともあります。
(参考文献:Leonberger|AMERICAN KENNELL CLUB)
セントバーナードに似てる犬④ マスティフ
マスティフは、イギリス原産の大型犬です。
どの角度から見てもスクエアな頭部や、がっしりとした筋肉質な体格を持ち、その迫力のある見た目に圧倒される人も少なくありません。
被毛は短く、フォーンやブリンドルの毛色が一般的です。マズルや耳、鼻や目の周りが黒色であることが規定で定められています。
一見強面に見えますが、落ち着きがあって愛情深い性格なので、そのギャップにメロメロになってしまうでしょう。
体の大きさや存在感の強さから、セントバーナードと同じ大型犬として比べられることもあり、混同されてしまうことがあるようです。
(参考文献:Mastiff|AMERICAN KENNELL CLUB)
セントバーナードに似てる犬⑤ ロットワイラー
ロットワイラーは、最古の犬種のひとつと考えられているドイツ原産の大型犬です。
筋肉質の引き締まった体で、軽くも重くも見えないバランスの良い体つきをしています。
被毛は短く、光沢のある黒色に茶色のタンマーキングが見られるのが基本です。
アーモンド形の鋭い目やキリッとした眉毛のように見えるタンなど、怖そうな印象を持たれてしまうことも少なくありません。
しかし、実際は忠誠心が高く、従順で素直な性格の持ち主です。
セントバーナードとはまったく異なる見た目ですが、なぜか似ている犬として名前が挙がることがあります。
(参考文献:Rottweiler|AMERICAN KENNELL CLUB)
セントバーナードに似てる犬⑥ グレータースイス・マウンテン・ドッグ
グレータースイス・マウンテン・ドッグは、その名の通りスイス原産の大型犬で、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどと同じスイス原産の山岳犬グループに属します。
スイス・マウンテン・ドッグには4犬種が存在しますが、グレータースイス・マウンテン・ドッグはその中でも最も体が大きい犬種です。
毛色はバーニーズと同じトライカラーですが、被毛が短いため、よく見ればセントバーナードと区別しやすいでしょう。
性格は温厚で慣れた人には愛情深いですが、見知らぬ人には冷静に対応する傾向にあります。
(参考文献:Greater Swiss Mountain Dog|AMERICAN KENNELL CLUB)
性格から見るセントバーナードに似てる犬
セントバーナードは、穏やかで忍耐強く、愛情深い性格をしています。
甘えん坊で人懐っこい一面もあり、とても愛らしい犬種です。
そんなセントバーナードとは見た目が異なっていても、性格が似ている犬をまとめてみました。
- グレート・ピレニーズ
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- グレート・デーン
- ランドシーア
- クラムバー・スパニエル
- ピレニアン・マスティフ
- エスティラ・マウンテン・ドッグ
- アイリッシュ・セッター
- アラスカン・マラミュート
- イタリアン・コルソ・ドッグ(カネ・コルソ)
これらの犬種は、落ち着きがあり人との関係を大切にし、穏やかで愛情深い気質がセントバーナードと似ています。
「セントバーナードに似てる犬」に関するよくある質問
Q1.セントバーナードとバーニーズの違いは何?
A.セントバーナードとバーニーズの違いは、わかりやすさで言うと毛色と顔つきです。セントバーナードは白を基調に赤茶色の斑が入りますが、バーニーズは黒、白、茶の三色が基本です。また、セントバーナードは上唇も垂れ下がっていて困り顔なのに対し、バーニーズは目鼻立ちがはっきりしており、口角も上がっているので笑顔に見えやすい傾向にあります。ここを意識して見ることで、その違いがよく分かるでしょう。
Q2.セントバーナードは凶暴ですか?
A.セントバーナードは凶暴な犬種ではありません。体が大きく、額の深いシワや垂れた口元から怖そうに見られることもありますが、攻撃性の高い犬種ではないので安心してください。ただし、セントバーナードに限りませんが、社会化不足やしつけ不足、運動不足や過度なストレスは問題行動につながります。性格が穏やかだからと過信せず、適切なしつけや適度な運動、過ごしやすい環境づくりが大切です。
Q3.セントバーナードみたいな超大型犬を飼う時の注意点は?
A.超大型犬と暮らす場合は、十分な飼育スペースと運動量を確保してあげられるかが重要なポイントです。体が大きい分、食費や医療費が高額になりやすいことや、将来的に介護が必要になったときにきちんと対応できるかも考えておく必要があります。また、室内でも転倒すればケガにつながりやすいため、床材や家具の配置にも配慮が必要と言えるでしょう。成長後の生活を具体的に想定した上で迎えてあげてくださいね。
【まとめ】見分けの基準を理解して正しく判断しましょう
日本では、セントバーナードを実際に見かける機会は少ないですね。
そもそも超大型犬が少ないため、どの犬がセントバーナードなのか見分けがつかないということもあるのではないでしょうか。
実際、世界中には700〜800種類以上の犬種が存在すると言われており、見慣れない犬を見て「何の犬種だろう?」と迷ってしまうのも無理はありません。
セントバーナードは垂れ目に垂れた上唇などわかりやすい特徴があるため、見分けるポイントを理解して正しく判断できるようにしましょう。
違いが分かるようになると、犬を見ることがより楽しくなりますよ。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム