またたびは、多くの猫が好むペットグッズとして広く知られています。
また、またたびの効果として、猫がリラックスしたり活発になったりすることが知られていますが、その作用から「危険性があるのでは?」とも言われています。
こうした中で、
「またたびで死亡することはあるの?」
「どのようなケースでは危険なのだろう?」
「どのように使ったら安全なのだろう?」
といった疑問をお持ちではないでしょうか?
実は、またたびは適切に使用すれば、安全性は高いと言われています。
しかし、使い方を誤ると、愛猫の体調不良につながる可能性もあることをご存じでしょうか?
今回は、現役獣医師の意見をもとに、またたびの危険性や安全な使い方について分かりやすく解説します。
目次
【結論】またたびの成分そのものに死亡するような毒性はない
またたびに含まれる成分として、「ネペタラクトール」や「マタタビラクトン」が知られています。
これらの成分は、猫の神経を一時的に刺激することで、興奮やリラックス状態を引き起こしますが、一般的に死亡するほどの毒性は確認されていません。
そのため、適切な範囲で使用すれば、健康な猫がまたたびで死亡する可能性は極めて低いと考えられています。
実際に私自身の診察でも、またたびで死亡したと思われる症例を経験したことはありません。
ただし、体質や状況によっては思わぬ健康被害につながることもあるため、適切な量と使い方を守ることがとても重要です。
特に、持病がある猫では、使用する前に一度獣医師に確認するようにしましょう。
(参考文献:7 Surprising Facts About Catnip | PetMD)
猫がまたたびで危険になるのはどんなケース?
では、安全性が高いと言われるまたたびを使用して、危険が起こりうるケースはどのような場合なのでしょうか?
- 具体的には、
- 過剰摂取をしたとき
- 丸飲みしたり誤飲したりしたとき
- 興奮しすぎたとき
といった状況が挙げられます。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
(参考文献:What Is Catnip and What Does It Do to Cats? | PetMD)
過剰摂取をしたとき
現在、またたびを使用した製品には、
- 粉末タイプ
- おやつタイプ
- スプレータイプ
- 小枝タイプ
といったさまざまな形状の商品が発売されています。
これらの商品には、1日の使用量が記載されていることが一般的です。
その使用量より誤って多く与えてしまったり、留守番の間に盗食してしまったりすると、過剰摂取が起こる可能性があります。
猫がまたたびを過剰摂取して死亡する可能性は極めて低いですが、過剰摂取で体調を崩す可能性があるため、注意が必要です。
おやつを丸飲み・誤飲したとき
おやつタイプであれば、目を離したときや留守番中などに、猫が盗食する可能性があります。
また、小枝タイプであれば、大きな枝の破片を誤飲してしまう場合も少なくありません。
このような状況が起こると、胃や腸の粘膜を傷つけてしまったり、炎症を引き起こしたりすることで、体調を崩す原因となる可能性があります。
またたびは、飼い主様が見ているときに、適切な量で使用しましょう。
(参考文献:Silvervine Plant: An Alternative to Catnip | PetMD)
興奮しすぎて転倒・落下・衝突したとき
前述の通り、またたびは猫に興奮を引き起こす作用が知られています。
その結果、いつもより高い場所に登ったり、家具にぶつかったりしてしまい、落下や衝突によりケガをする可能性があります。
そのため、またたびを使用する際は、周囲が安全であることを確認しましょう。
また、持病がある猫に使用するとさらにリスクを高めることもあるため、注意が必要です。
病院へ行くべき?またたびをあげた後に注意すべき「死亡リスク」を伴う異常症状
ここまでは、またたびの効果と危険性について解説しました。
では、もしまたたびを与えた後に体調を崩した場合、どのような症状に注意すべきなのでしょうか?
具体的には、
- 呼吸
- 消化器
- 神経
などに関する症状には注意が必要です。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
(参考文献:What Is Catnip and What Does It Do to Cats? | PetMD)
呼吸が苦しそう
猫にまたたびを与えた後に、呼吸が荒く苦しそうにしている場合は、とても注意が必要です。
またたびには、神経を刺激し興奮を引き起こす効果がありますが、そのほかにアレルギー反応を起こすこともあります。
特に、口を開けて呼吸をしていたり、呼吸の音が変だったりする場合は、緊急性が高い可能性があるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
痙攣(けいれん)や発作のような激しい動き
猫にまたたびを与えた後、リラックスして横になったりゴロゴロと鳴いたりすることが多いです。
しかし、それとは異なり、
- 全身が硬直する
- 激しく震える
- ふらつく
- 物にぶつかる
- ぐったりと横たわる
といった様子が見られる場合は、神経にトラブルが起きている可能性があります。
これらの症状も緊急性が高い可能性があるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
何度も繰り返す嘔吐やひどい下痢
猫がまたたびを過剰摂取した場合、胃や腸に炎症を起こして、嘔吐や下痢などの症状が出ることも少なくありません。
ただし、多くは一過性で、何度も繰り返すことは少ないとされています。
また、症状が軽度である場合は、自宅で安静にすることで体調が改善することもあります。
しかし、
- 何度も嘔吐を繰り返す
- 食欲がない
- 下痢が止まらない
- ぐったりしている
といった症状が見られる場合は、様子を見ずに動物病院を受診しましょう。
呼びかけに反応せず、ぐったりして意識が朦朧としている
またたびを使って興奮した後は、猫が疲れて寝てしまうことがあります。
しかし、呼びかけに応じないくらいぐったりしていたり、意識が朦朧としていたりする場合は、単純な疲労ではない可能性が否定できません。
前述のような症状がなくても、中毒症状が起きている可能性があるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
猫にまたたびをあげるとどうなる?効果時間と「酔う」メカニズム
ここまでは、猫にまたたびを与えた後に気を付けるべき症状について解説しました。
では、実際に猫にまたたびを与えると、どのような様子が見られるのでしょうか?
その効果の持続時間やメカニズムについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
(参考文献:Does Catnip Make Cats High? | PetMD)
(参考文献:What Is Catnip and What Does It Do to Cats? | PetMD)
またたび特有の成分「マタタビラクトン」と脳への刺激
またたびにはいくつかの成分が含まれており、なかでも「マタタビラクトン」による効果が広く知られています。
まず、猫がまたたびを嗅いだり食べたりすることで、マタタビラクトンが体内に吸収されます。
その後、猫の体内で、脳内神経伝達物質である「βエンドルフィン」が放出され、猫にさまざまな効果を引き起こすのです。
通常の効果時間は10〜30分程度
体内に吸収されたマタタビラクトンは、その後すぐに効果を発揮します。
通常、その効果の持続時間は10〜30分程度と言われており、長時間持続することは少ないです。
また、効果が得られるかどうかは個体差があり、20~40%の猫ではまたたびに反応しないことが知られています。
また、何度かまたたびを使用しないと効果が表れないケースもあるようです。
猫にまたたびを安全に使う方法
最後に、猫にまたたびを安全に使用するには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?
具体的には、
- 少量から始める
- 目を離さない
- 毎日使わない
といった点に気を付ける必要があります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
初めて与えるときはごく少量から始める
前述の通り、猫によってまたたびへの反応の強さは異なります。
そのため、最初は少量から試し、どのように効果が出るか確認しましょう。
もし、少量では十分に効果が表れない場合は、1日の使用量を確認しながら徐々に増やすことができます。
一方、少量でも過剰に興奮してしまうなどの様子が見られた場合は、またたびは慎重に使うように心がけましょう。
(参考文献:7Surprising Facts About Catnip | PetMD)
飼い主が見守れる時間帯に試す
猫にまたたびを与える際は、目の届く範囲で与えた方が安全です。
これまでは問題がなくても、その時の体調によっては、異常な行動や効果が表れる可能性も否定できません。
また、おやつタイプや小枝タイプのまたたびで、誤飲や誤食が起きた場合にもすぐに対応することができます。
特に留守番の間や就寝中など、愛猫の様子を見られないタイミングでの使用は避けましょう。
毎日与えないほうがよい理由
多くの猫に好まれるまたたびですが、一般的には毎日与えることは推奨されていません。
頻繁に与えることで強い耐性ができることは知られていませんが、私の経験上、猫がまたたびの刺激に慣れてしまい、効果が薄れることも少なくありません。
また、神経への過剰な刺激は体調を崩す原因となることもあるため、週に1〜2回程度にとどめるのが理想的です。
(参考文献:Does Catnip Make Cats High? | PetMD)
「猫 またたび 死亡」に関するよくある質問
Q1.子猫にまたたびはいつからOK?
一般的に、子猫にまたたびを与えても害はないと言われています。
しかし、予期せぬトラブルを防ぐために、与えることは控える場合が多いです。
また、生後半年から1歳になるまでは、またたびに反応しないか、反応が弱いことが多いと言われています。
その理由は、まだ明確には分かっていません。
つまり、無理に子猫から与える必要はなく、成猫になって体調が安定してから、少量ずつ試すのが安全な使い方です。
(参考文献:What Is Catnip and What Does It Do to Cats? | PetMD)
Q2.またたびに反応しないのはなぜ?
猫の20~40%は、遺伝的にまたたびに反応しないといわれています。
また、年齢や体調によっても反応が変わることがあります。
さらに、子猫や妊娠中の雌猫がなぜまたたびに反応しないかについて、まだ明確な理由は分かっていません。
そのため、猫がまたたびに反応しない場合でも異常ではありません。
かといって、量を増やして無理に与えることは、体調を崩す原因となるため、避けましょう。
(参考文献:Silvervine Plant: An Alternative to Catnip | PetMD)
Q3.動物病院に相談したほうがよい目安は?
猫にまたたびを与えて、
- 呼吸が苦しそう
- 痙攣している
- 意識が朦朧とする
- ふらつく
- 嘔吐や下痢を繰り返す
などの様子が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
猫にまたたびを与える際は、様子を確認しながら与えた方が安全です。
留守番の間や就寝中など、愛猫の様子を見られないタイミングでの使用は避けましょう。
またたびを使用し、少しでも体調に異常を感じた場合は、早めに動物病院に相談することで重症化を防ぐことにつながります。
【まとめ】正しい知識をもって安全にまたたびを使いましょう
またたびは、適切に使えば猫にとってはとても楽しく刺激となる安全性の高いペットグッズです。
一般的に、またたびには猫に与えて死亡するような毒性はありませんが、過剰摂取や落下・衝突などの事故によって体調を悪化させるリスクが生じる可能性はあります。
そのため、猫にまたたびを与える際は、様子を見られる状態で使用する方が安全です。
特に、おやつタイプや小枝タイプのまたたびで、誤飲や誤食が起きた場合にもすぐに対応できるため、様子を見られないタイミングでの使用は避けましょう。
また、体調に変化を感じた際は、様子を見ずに速やかに動物病院を受診するよう心がけましょう。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム