ポメラニアンの子犬を迎えたばかりなのに、急に顔の毛が抜けると心配になりますよね。
そんなときに、
「これは何かの病気なの?」
「これがいわゆる猿期なの?」
「どのようなケアをしてあげたらいいの?」
といった疑問をお持ちではないでしょうか?
実は、子犬のポメラニアンによく見られる顔の脱毛は正常な成長過程の一つで、まるで猿のように見えることから「猿期」と呼ばれています。
しかし同時に、子犬では病気による脱毛もよく起こることをご存じでしょうか?
本記事では、現役獣医師の意見をもとに、ポメラニアンの猿期の原因や脱毛が続く期間、脱毛がひどい場合の対処法、病気との見分け方について分かりやすく解説します。
最後までお読みいただき、愛犬の猿期と、それに似た皮膚の病気について理解を深めましょう。
目次
【結論】猿期の正体は「子供の毛」から「大人の毛」への衣替え
結論から申し上げますと、ポメラニアンの「猿期」とは、子犬特有の柔らかい被毛から成犬の被毛へと生え変わる過程のことを言います。
この時期は一時的に毛量が急速に減り、輪郭がほっそりして猿のように見えることから「猿期」と表現されます。
見た目の変化が大きいため、私自身、「このまま毛が生えないのではないか?」と心配される飼い主様の声を多く聞きますが、健康であれば自然と美しい被毛へと生え変わっていくことが一般的です。
ただし、何かの病気が隠れていて毛が抜けることもあるので、気になる場合は一度獣医師に相談する方が良いでしょう。
(参考文献:Pomeranian Shedding | PetPom)
ポメラニアンの猿期はなぜ起こる?
では、なぜポメラニアンでは猿期という現象が起こるのでしょうか?
もともと生まれたばかりのポメラニアンは、短く柔らかい単層の被毛しか持っていないといわれています。
その後、成犬の被毛である「ダブルコート」という2種類の被毛を持つようになることが一般的です。
その過程で、短期的に子犬特有の被毛が急に抜けることで、猿期が起こるといわれています。
(参考文献:Pomeranian Puppy Uglies: What to Expect | Belle House Pomeranians)
ポメラニアンの猿期はいつからいつまで?
ここまでは、子犬のポメラニアンになぜ猿期が起きるかを解説しました。
では、猿期は子犬のどの時期からどの時期まで見られるのでしょうか?
それぞれを詳しく見ていきましょう。
猿期はいつから?
一般的にポメラニアンの猿期は、生後3〜6か月頃から始まるといわれています。
この時期になると、ふわふわとした子犬の毛が急速に抜け落ちます。
場合によっては均一に抜けず、まだらに抜けることもあり、皮膚病による脱毛と区別がつきにくくなることも少なくありません。
もちろん病気による脱毛でない場合、猿期は正常な成長過程ですので治療は必要ありませんが、注意して経過を見る必要があります。
猿期はいつ終わる?
一般的にポメラニアンの猿期は、生後1歳前後までに落ち着くケースが多いとされています。
その頃になると子犬の頃とは異なり、ふわふわとして密集した「アンダーコート」と、硬く丈夫な「オーバーコート」の2種類によるダブルコートが生え揃います。
毛が抜けた最初の頃は心配になり、さまざまなケアを行ってしまう飼い主様が多いですが、誤ったケアをするとかえって皮膚や被毛にダメージを与えてしまうので、注意が必要です。
「ひどい」抜け毛は病気かも?正常な猿期との見分け方
前述の通り、一般的にポメラニアンの猿期は、正常な成長過程の一つです。
しかし、一見すると猿期のように思える脱毛でも、なかには病気による脱毛であったケースを私自身も経験しています。
では、どのようにしたら猿期の脱毛と病気による脱毛を見分けることができるのでしょうか?
まず、病気による脱毛の場合は、局所的に毛が抜けることが多いです。
一方、猿期による脱毛では、一時的にはまだらに毛が抜けることがあるものの、一般的には均一に毛が抜けます。
そのほか、病気による脱毛の場合は、
- 体をひどくかゆがる
- 皮膚が赤くなる
- 大量のふけが出る
- 食欲や元気がなくなる
- よく水を飲む
といった、脱毛以外の症状が見られることも少なくありません。
気になる様子が見られる場合は、自己判断せず一度動物病院を受診するようにしましょう。(参考文献:Do Pomeranians Shed A Lot? The Answer Will Surprise | pomeranian.org)
猿期がひどい時の対処法
ここまでは、ポメラニアンの猿期が見られる期間と、病気による脱毛との見分け方を解説しました。
では、猿期による脱毛がひどい場合は、どのような対処をしたらよいのでしょうか?
それぞれを詳しく見ていきましょう。
(参考文献:Pomeranian Puppy Uglies: What to Expect | Belle House Pomeranians)
(参考文献:Pomeranian Shedding | PetPom)
ブラッシング
まず行うべき対処として、こまめなブラッシングが挙げられます。
ブラッシングを行うことで、抜けた毛を除去するとともに、皮膚へのマッサージ効果も期待できます。
一方ブラッシングを行わないと、毛玉が生じ皮膚のトラブルへとつながる可能性がありますので、毎日、時間をかけて丁寧にブラッシングをしてあげましょう。
シャンプー
次の対策として、定期的なシャンプーが挙げられます。
頻度としては、月に1~2回程度が目安となります。
脱毛が心配になり、ついこまめなシャンプーを行ってしまいがちですが、シャンプーのしすぎも皮膚のトラブルへとつながるため、注意が必要です。
子犬の皮膚は成犬と異なり敏感であり、また脱毛した部分は乾燥しがちであるため、低刺激で保湿性のあるシャンプーを選んであげましょう。
食事と栄養
シャンプーやブラッシングといった外からの皮膚・被毛のケアも大切ですが、体の内側からのケアも大切です。
被毛を作るためには、十分な栄養が必要となります。
なかでも特に、
- オメガ3脂肪酸
- ビタミンE
- 亜鉛
などの成分は、皮膚や被毛の健康をサポートすることで知られています。
良質な栄養素が含まれたフードを与えることで、発毛をサポートしてあげましょう。
ストレス・生活リズム
犬はストレスを感じることで、過剰なグルーミングから毛が抜けてしまうことがよくあります。
生活リズムや住環境の変化、季節の変わり目などのさまざまな要因が、犬へのストレスの原因となる可能性があります。
猿期による脱毛がひどく目立つときには、このようなストレス要因にも配慮してあげましょう。
猿期中にやらない方がいいこと
では、ポメラニアンの猿期の最中に、どのようなことを行わない方がよいのでしょうか?
前述の通り、猿期の最中はさまざまなケアを行いますが、正しい方法でケアを行わないと、かえって悪化させてしまうことがあります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
バリカン
猿期の最中に毛がまばらに抜けると、ついバリカンやハサミで毛を切り揃えてしまいたくなりますよね。
しかし、特にポメラニアンにおいては「毛刈り後脱毛」という、バリカンで毛を刈った後に毛が生えなくなる現象が知られています。
そのため、バリカンで毛を短く切ってしまうと、本来であればこの後生えるべき成犬の被毛の発育に影響を及ぼす可能性があり、注意が必要です。
洗いすぎ・乾かし不足
前述の通り、健康な皮膚や被毛を維持するには、定期的なシャンプーが重要です。
しかし、適切な頻度を守らず頻繁にシャンプーを行ってしまうと、かえって皮膚や被毛の健康を害してしまう可能性があります。
また、シャンプー後はしっかりドライヤーで被毛を乾かす必要があります。
生乾きのまま放置してしまうことも、皮膚や被毛のトラブルへとつながりますので注意が必要です。
サプリや外用薬の自己判断
前述の通り、被毛の発育には豊富な栄養素が必要です。
そのため、必要に応じサプリメントを使用することもありますが、自己判断での使用は避けましょう。
また、猿期に似た脱毛を起こす病気もあります。
そのため、自己判断で外用薬を塗って様子をみてしまいがちです。
しかし、不必要な外用薬を使用した場合、思わぬ副作用が起こる可能性があるため、自己判断での使用は避けましょう。
「ポメラニアン 猿期」に関するよくある質問
(参考文献:Pomeranian Shedding | PetPom)
Q1. 猿期と換毛期は違いますか?
はい、異なります。
猿期は、子犬の被毛から成犬の被毛へ生え変わる成長過程で、基本的に生涯で一度きりの変化です。
一方換毛期は、季節性のある周期的な生理的な毛の生え変わりを指します。
そのため、毛が抜けることに変わりはありませんが、毛が抜ける理由が異なる点で区別することができます。
猿期は主に生後3〜6か月頃から始まりますが、換毛期は成犬になってからも毎年繰り返され、日本では主に春と秋で計2回起こることが一般的です。
Q2. 猿期は何回も起こりますか?
通常であれば、猿期は子犬のときに一度だけ起こり、換毛期のように周期的に起こるものではありません。
もし成犬になって、猿期のように毛が大量に抜ける場合は、背景に病気が隠れている可能性があります。
代表的な病気としては、
- アロペシアX
- 皮膚糸状菌症
- 副腎皮質機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
- アレルギー性皮膚炎
- 寄生虫
- ストレス
といったものが挙げられます。
そのような症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診するよう心がけましょう。
Q3. 猿期中にドッグランへ行っても大丈夫?
猿期は、病気ではなく正常な成長過程のため、体調に問題がない場合は制限する必要はありません。
ただし、被毛が薄くなっている時期は皮膚が敏感になることもあるため、外傷や紫外線などには注意が必要です。
また、愛犬が猿期ではなくストレスで脱毛していた場合、環境の変化や他の犬との接触によるストレスが、愛犬の負担になるケースもあるので注意しましょう。
【まとめ】猿期は立派なポメラニアンになるための準備期間
ポメラニアンの猿期は、生後数か月から始まる正常な被毛の成長過程です。
急に毛が抜けるため、何かの病気かと思い心配になる飼い主様も多いのが事実です。
しかし、多くは年齢を重ねるとともに立派な成犬のダブルコートへと生え変わりますので、愛犬の成長を見守ってあげましょう。
一方、病的な脱毛が疑われるような症状がある場合は、速やかに動物病院を受診するよう心がけましょう。
猿期は、正しい皮膚や被毛のケアを行うことが大切であり、自己判断での処置や投薬はとても危険です。
今回の記事を参考に、愛犬の猿期へ正しい理解を深めることの一助になれば幸いです。
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私自身の臨床経験においても、ポメラニアンの猿期はよく見られる現象です。 多くは正常な毛の生え変わりですが、急な見た目の変化に対し、飼い主様が心配になるお気持ちはとてもよく分かります。 また、子犬のときは皮膚のトラブルが起こりやすいことも事実です。 そのため、日頃から愛犬の様子をよく観察し、異変を感じた際には早めに獣医師へ相談するよう心がけましょう。 ポメラニアンの猿期には、正しい知識を持ち、適切なケアを行い、愛犬の成長を見守ってあげましょう。
監修・うさパラ コンテンツ制作チーム