2025/12/25
フィラリア症は、蚊が運んでくるフィラリア(犬糸状虫)という寄生虫によって引き起こされる病気です。
一度発症すると心臓や肺に重い障害を残し、命を落とすこともあります。
しかし、正しい予防法を毎月1回続けるだけで100%確実に防ぐことができることをご存知でしょうか?
この記事では、現役獣医師の意見をもとに「100%の予防」を目指すための唯一の方法、「通年投与」についてわかりやすく解説します。
目次
【結論】フィラリア症を“100%”予防する唯一の方法は「通年投与」です
「愛犬・愛猫をフィラリア症から確実に守りたい」。
そう願う全ての飼い主様への答えは、実はとてもシンプル。
それは、一年を通して毎月欠かさず予防薬を投与し続ける「通年投与」を行うことです。
発症すれば命に関わるが、予防法は驚くほどシンプル
フィラリアは心臓や肺の血管に寄生し、咳や息切れ、腹水といった苦しい症状を引き起こします。感染初期はサインがあまりないため、愛犬・愛猫が苦しそうにしてから気づいたり、突然死に至るケースも少なくありません。
愛犬・愛猫の生命に関わる恐ろしい病気ですが、予防法は「月に一度、フィラリア予防薬を正しくあげる」という驚くほどシンプルなもの。
フィラリア予防薬は「蚊に刺されるのを防ぐ」のではなく、「体に入ったかもしれないフィラリアの幼虫を、成長する前にまとめて退治する」役割を果たします。
現在は注射による予防は主流ではなく、フィラリア以外にも対策が必要なノミ・マダニ、お腹の虫など、一度に複数の寄生虫を駆除できる「オールインワン薬」がおすすめです。
「冬だから大丈夫」はもう古い!季節を問わないフィラリア感染リスク
「フィラリア予防は、蚊がいる夏だけで十分」という期間を限定した従来の考え方は、近年変わってきています。
温暖化や私たちの住環境の変化により、感染リスクは一年中あなたのすぐそばに潜んでいます。
「フィラリア予防は夏だけで十分」はもはや過去の常識
近年の暖冬により、蚊の活動期間は確実に長くなっています。
さらに、季節に関わらず蚊にとって快適なマンションの共用部や玄関の開け閉めの際に、蚊は簡単に室内に侵入し、冬でも活動できてしまいます。
この室内に生息する蚊によって、もはや「蚊がいない安全な時期」を正確に予測するのは不可能と言えます。
夏以外でも蚊が発生しやすい環境
| 環境シーン | 具体例 | オフシーズン発生要因 | フィラリア媒介リスクの考え方 |
|---|---|---|---|
| 駐車場・ガレージ | バケツ・古タイヤ・ブルーシートの凹み | 雨水が長期滞留 | 典型的なボウフラ源 |
| 雨樋・側溝 | 枯葉詰まりの雨樋・U字溝 | 年間通じて水たまり化 | 広範囲で増殖 |
| 共有部・店舗出入口 | 自動ドア周辺・照明下 | 光・CO₂で誘引、暖気 | 出入り時に侵入 |
| 温室/ビニールハウス | 園芸施設・植物園 | 高温多湿が維持 | シーズン外でも成育 |
| 公園/河川敷の暖かい日 | 水たまり・汚水溜まり | 冬でも一時的高温日 | 散歩中に刺される |
予防薬はどう選ぶ?フィラリアとノミ・マダニ対策を一本化する「オールインワン」という選択
毎月のことだからこそ、通年投与に使用するお薬選びはとても大切です。
最近では、フィラリア予防、ノミ・マダニ対策、回虫・鉤虫などの内部寄生虫の駆除を一度にケアできる「オールインワンタイプ」が主流で、管理がシンプルになるため継続しやすく、多くの飼い主様に選ばれています。
最近では通年投与を勧めるケースの方が多くなっています。 ノミ・フィラリアに関しては冬であっても室内温度がある程度あると感染リスクはあるため、年間を通じての投与が推奨されています。
「オールインワンタイプ」(フィラリア予防とノミ・マダニ・お腹の虫駆除)のお薬が主流
お肉のようなチュアブル(おやつ)タイプや錠剤、背中に垂らすスポットタイプがあり、フィラリアだけでなくノミ・マダニ・お腹の虫もまとめて対策できるお薬が普及しています。
一つのお薬でケアが完了するため管理がとても楽で、毎月続ける通年投与と非常に相性が良いです。
毎月のことだからこそ、無理なく続けられる「手軽さ」も大切です。
感染リスクをゼロにするのが予防薬の通年投与
予防薬は、毎月の投与で「1ヶ月の安心」を積み重ねていく保険のようなもの。
12ヶ月間、継続して投与することで初めて、一年間の安心が手に入ります。
季節投与では、どうしても投薬の開始が遅れたり、終了が早すぎたりといった“読み違い”のリスクが避けられません。
「月1回の投与を忘れそう…」という方でも、実践されている方は「毎月1日」など投薬日を決め、年に一度1年分のお薬をまとめて用意し、ご家族で投薬記録をつけるなど工夫して習慣化しています。
なお、飲み薬タイプの場合は「飼い主さんが見ていないところでお薬を吐き出してしまう」、スポットオンタイプの場合は「投与したお薬が完全に乾く前に水浴びなどで流れてしまう」といったアクシデントによって、100%の予防効果が期待できなくなってしまうため注意しましょう。
毎月投与の副作用や安全性は?
現在、動物病院で処方される予防薬は、長期間の投与を前提に、非常に安全性が高く作られています。
まれに吐き気や軟便などが見られることもありますが、個体差が大きいです。
初回や薬の種類を変えた時は、投与後しばらく様子をよく観察し、異常があればすぐに獣医師に連絡してください。
※お薬に関する心配なことや投薬前には、必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。
まとめ:愛犬・愛猫を確実に守るため、フィラリア症には「通年投与」で100%予防しよう
フィラリア予防は、毎月の投与を12ヶ月間続けることで予防の“穴”をなくすのが、最も確実な方法です。
「オールインワン薬」を選べば、フィラリア予防とノミ・マダニ対策、そしてお腹の虫の駆除までもが一度に完了します。
予防薬も1年分まとめ買いすることであれこれ管理する必要がなくなり、毎月のケアがとてもシンプルで楽になります。
何よりも、愛犬・愛猫を寄生虫による脅威から守り、苦しい思いをさせずに済みます。
「通年投与」を習慣にするコツは、「毎月1日」など投薬日を決め、年に一度1年分のお薬をまとめて用意し、ご家族で投薬記録を共有すること。スマホのアラームやリマインダー機能なども有用です。
このシンプルな仕組みが“うっかり忘れ”を防ぎ、100%に近い予防を実現してくれます。
暖冬や室内に生息する蚊の影響で、「冬は安全」という常識はもはや通用しません。
大切な家族をフィラリア症から確実に守るためにも、年間を通した健康管理計画として、予防薬の通年投与を始めることが愛犬・愛猫の幸せな未来に繋がります。
関連記事
-
-
【獣医師監修】フィラリア予防薬はいつから始めていつまで?100%駆虫する方法について解説
毎年4月頃になると、かかりつけの動物病院から「フィラリア予防をしましょう」と案内を受けますよね。 しかし、フィラリア予防薬に関して、 「何月から何月まで飲ませればいいの?」 「フィラリア予防薬は本当に …
-
-
【獣医師監修】フィラリア予防薬の飲み忘れ10日はどうしたらいい?1週間の場合についても解説
フィラリア症を予防するには、フィラリア予防薬を月に1回投与する必要があります。 しかし、毎月だと理解していてもつい飲ませ忘れてしまうことがありますよね。 そんなときに、 「すぐに飲ませた方がいいのかな …
-
-
【獣医師監修】犬のフィラリア予防薬おすすめ3選!お薬選びのポイントについて解説
愛犬の健康管理において欠かせないことのひとつに「フィラリア予防」があります。 現在はさまざまなタイプのフィラリア予防薬が販売されていますが、 「どのフィラリア予防薬を選べばよいのだろう?」 「うちの子 …
-
-
【獣医師監修】フィラリア予防薬は必要か?不要論の危険性について徹底解説
犬のフィラリア症は、一度感染すると最終的に命に関わる極めて危険な感染症です。 ですが最近、フィラリア予防薬に関して 「投薬は本当に必要なのか」 「室内飼いだから、フィラリアに感染しないのでは」 といっ …
-
-
【獣医師監修】フィラリア症予防は注射と飲み薬どっちがいい?スポットタイプも合わせて解説
犬のフィラリア症は、蚊の吸血を介して感染したフィラリア(犬糸状虫)が原因で起こる感染症です。 一方で、フィラリア症は予防薬を適切に使用することで、ほぼ100%予防可能とされています。 現在、犬のフィラ …


フィラリアの注射薬について、現在では仕入れない病院が増えています。 副作用の発生率が高く、特に死亡リスクが高いという観点からほとんどの獣医師が推奨していない状況です。