「ラグドールを飼いたいけれど、ネットで『性格 悪い』『凶暴』という噂を見て不安…」 「大人しい猫だと思っていたのに、本当に大丈夫?」
これからラグドールのお迎えを検討しているあなたは、そんなモヤモヤを抱えていませんか?
その不安、獣医師としてよく分かります。「ぬいぐるみ」という名前の由来を持つラグドールですが、実はイメージと現実のギャップに戸惑う飼い主さんが少なくないのも事実です。
この記事では、なぜ温厚なはずのラグドールが「性格が悪い」と言われてしまうのか、その5つの理由を獣医学的・行動学的な視点で徹底解説します。
【監修】うさパラ コンテンツ制作チーム
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目次
【結論】基本は温厚で「性格が良い」猫種だが期待値とのギャップか
まず結論からお伝えすると、獣医学的にも動物行動学的にも、ラグドールは非常に温厚で、攻撃性の低い「性格が良い」猫種に分類されます。
ラグドール(Ragdoll)は英語で「ぬいぐるみ」を意味し、抱き上げると脱力して大人しくなることから名付けられました。
一般的には、人への親和性が高く、激しい狩猟本能よりもおっとりとした気質を持つ個体が多いとされています。実際に多くの飼育書や図鑑でも、慈愛に満ちた性格や非常に辛抱強い猫として紹介されています。
では、なぜ「ラグドール 性格 悪い」などという検索ワードが出てくるのでしょうか。最大の原因は、「ぬいぐるみ=何をしても動じない・怒らない」という過度な期待と、実際の「猫としての本能」とのギャップにあります。
どれだけ温厚な品種でも、彼らは生き物であり「猫」です。嫌なことをされれば怒りますし、若いうちは活発に動きます。
この当たり前の反応が、「大人しいはずなのに!」という飼い主の期待を裏切る形となり、「性格が悪い」「凶暴だ」という評価につながってしまっているケースが非常に多いようです。
ラグドールの性格が悪いと言われる理由5選①触られるのが好きじゃない
「性格が悪い」と言われてしまう理由の筆頭が、「抱っこを嫌がる」「触ろうとすると逃げる」という行動です。
名前に「ぬいぐるみ」という意味があるため、ラグドールなら抱っこし放題だと思われがちですが、実際には全てのラグドールが抱っこ好きなわけではありません。
猫は本来、四足が地面についていない状態や拘束される状態に不安を感じる動物です。
ラグドールであっても、個体によっては抱っこが大嫌いな子がいます。
飼い主さんが「ラグドールなら抱っこさせてくれるはず」と無理に抱き上げようとし、猫が必死に抵抗して蹴ったり噛んだりすることで、「この子は性格が悪い」と誤解されてしまっています。
これは性格の問題ではなく、拘束を嫌う本能が強いだけというケースがほとんどです。
ラグドールの性格が悪いと言われる理由5選②大人しくない
2つ目の理由は、「想像以上に活発で暴れる」という点です。ここにはラグドール特有の「成長スピード」が関係しています。
ラグドールは、成猫の体格・被毛・精神状態が完成するまでに3〜4年かかると言われる晩成型の猫種です。
一般的な猫が1年で成猫になるところを、ラグドールは数年かけてゆっくり大人になります。つまり、体は大きくても中身は子猫という期間が非常に長いです。
体重が4kg、5kgと大型化しているにもかかわらず、精神年齢は遊び盛りの子猫のままです。
そのため、家の中を走り回る運動会の破壊力が凄まじく、カーテンを登ったり物を落としたりする際の被害が大きくなりがちです。
「大人しい猫だと聞いていたのに、家を破壊された!」という悲鳴は、この長い成長期特有のエネルギーによるものです。これは凶暴なのではなく、健康な成長の証と言えます。
ラグドールの性格が悪いと言われる理由5選③人懐っこくない
「呼んでも来ない」「膝に乗ってこない」など、人懐っこくない態度を「性格が悪い、可愛げがない」と捉えてしまうケースもあります。
ラグドール、特にメスの個体の中には、飼い主にベタベタと甘えるよりも、少し離れた場所から見守るような距離感を好む子がいます。
これは決して飼い主を嫌っているわけではありません。むしろ、わざわざくっついて安全確認をしなくてもここは安心できる場所だ、という強い信頼と自立心の表れでもあります。
常に飼い主の膝の上にいないと気が済まない猫を「性格が良い」と定義してしまうと、適度な距離感を保ちたいクールなラグドールは「愛想がないイコール性格が悪い」と評価されてしまいがちです。
しかし、彼らは彼らなりに、足元で寝転がったり、視界に入る場所にいたりと、控えめな愛情表現をしています。
ラグドールの性格が悪いと言われる理由5選④要求が強い
4つ目の理由は、知能の高さゆえの「要求行動」です。
ラグドールは非常に賢い猫種としても知られています。
賢い猫は、どうすれば飼い主が自分に注目するかを学習します。
例えば、大きな声で鳴き続ければおやつがもらえる、棚の上の物を落とせば飼い主が飛んでくるなどと学習したラグドールは、自分の要求を通すために執拗に鳴いたり、わざとイタズラをしたりすることがあります。
飼い主から見れば「ワガママで性格が悪い」「嫌がらせをする」と映るかもしれませんが、猫側からすれば飼い主とのコミュニケーションの方法を正しく実践しているだけです。
要求が通らないと不満で噛みつくなどの行動に出る場合もあり、これが性格が悪いという評価を補強してしまいます。
ラグドールの性格が悪いと言われる理由5選⑤噛む威嚇など“凶暴”に見える行動
最も深刻なのが、「シャー!」と威嚇したり、本気で噛み付いたりする「凶暴」に見えるケースです。
これには、性格以前に医学的な問題が隠れている可能性があります。
本来温厚なラグドールが攻撃的になる場合、獣医師としてまず疑うのは痛みや病気です。
大型猫であるラグドールは、体重の重さから関節に負担がかかりやすい傾向があり、関節炎を発症しているケースがあります。
抱っこされた時や撫でられた時に関節が痛み、思わず噛んでしまうことがあります。
また、肥大型心筋症というラグドールの好発品種として知られる心臓病のリスクもあります。
体調が悪く、苦しい時に触られるのを嫌がり、攻撃的になることがあります。
他にも、社会化期に人との接触が少なかったり、怖い思いをしたりした経験がある場合、恐怖心から先制攻撃を仕掛けることがあります。
これらは性格が悪いのではなく、自分の身を守るための必死の抵抗です。
「犬みたい」という噂は本当?
「性格が悪い」という噂の一方で、ラグドールは「犬みたいな猫(Puppy cat)」とも呼ばれるユニークな側面を持っています。
この特徴が、飼い主さんによっては「最高に可愛い」とも、「ちょっと重い、面倒」とも捉えられます。
ラグドールの多くは、飼い主への関心が非常に強く、犬のような行動を見せることがあります。
例えば、飼い主がトイレやお風呂に行くとドアの前で待っていたり中までついてきたりする「後追い」や、帰宅すると玄関まで走ってきて出迎える行動などが挙げられます。
おもちゃを投げるとくわえて飼い主の手元まで持ってくる「取ってこい遊び」ができる子や、自分の名前を理解して犬のように反応が良い子も多いです。
この「犬っぽさ」は、猫に気ままさやツンデレを求める人にとっては、しつこい、分離不安ではないか?と感じられることがあり、評価が分かれるポイントでもあります。
しかし、深いコミュニケーションを取りたい人にとっては、これ以上ないパートナーとなるでしょう。
迎える前に知っておきたい「性格悪い」と感じないためのポイント
これからラグドールを迎える方が、「思っていたのと違う」「性格が悪い子を引いてしまった」と後悔しないためには、彼らの特性を理解した準備と接し方が重要です。
接し方の基本
「ぬいぐるみ」扱いをしないことが鉄則です。
ラグドールは、飾り物ではなく意思を持った大型の猫です。
抱っこは無理強いせず、猫が自分から膝に乗ってくるのを待ちましょう。
嫌がったら一瞬で解放します。これを徹底することで「この人は拘束しない安全な人」と認識され、結果的に抱っこ好きになる可能性が高まります。
また、聴覚が鋭いため、大きな声や騒音はストレスになります。穏やかに話しかけることで、本来の温厚な性格を引き出せます。
ストレス発散方法
「動かない猫」というイメージを捨て、十分な運動環境を整える必要があります。
ジャンプ力はそれほど高くありませんが、体を伸ばせる適度な段差のあるキャットタワーが必要です。体が大きいため、安定性のある大型猫対応の頑丈なものを選んでください。
また、賢いので、頭を使う知育玩具を与えると、イタズラによる退屈しのぎを防げます。
噛みや攻撃行動への安全対策
子猫時代の甘噛みを放置すると、成猫になった時に大怪我につながります。
大型猫の噛む力は強力です。
手足で遊ばず必ずおもちゃを使って遊び、「人の手足は獲物ではない」と教えます。
もし噛まれたら「痛い!」と短く言い、すぐに遊びを中断して部屋を出るなどして、「噛むと楽しいことが終わる」と学習させることが大切です。
Q1.ラグドールは本当に凶暴になることがある?
適切な飼育環境であれば、凶暴になることは極めて稀です。もしラグドールが凶暴な振る舞いをするなら、それは性格ではなく、環境による強いストレス、社会化不足、あるいは病気による痛みが原因である可能性が高いです。特に、去勢・避妊手術をしていない場合、発情期のストレスで攻撃的になることがあります。突然凶暴化した場合は、まずは動物病院で身体的な異常がないか確認することをお勧めします。
Q2.子猫の頃やんちゃだけど成猫で落ち着く?
はい、多くの場合は落ち着きますが、時間はかかります。前述の通り、ラグドールは晩成型なので、3〜4歳くらいまでは活発な遊びを好む傾向があります。「いつになったら落ち着くの?」と不安になるかもしれませんが、4歳を過ぎる頃には、品種特有のゆったりとした「ぬいぐるみ」のような風格が出てくる子が多いです。長い目で見守ってあげてください。
Q3.ラグドールは懐きますか?
非常に懐きやすい猫種です。「犬みたい」と言われるほど、飼い主への愛情は深いです。ただし、その表現方法は「常に抱っこ」とは限りません。足元に寄り添う、帰宅を出迎える、同じ部屋でくつろぐといった行動も、彼らなりの最大限の「懐いているサイン」です。個体ごとの愛情表現を理解してあげれば、最高のパートナーになります。
【まとめ】ラグドールは性格が悪くない!個性を愛せるかが鍵
ラグドールが「性格が悪い」と言われる背景には、「ぬいぐるみ」という名前から来るイメージと、実際の「猫としての本能・知能・成長速度」とのギャップがあります。
拘束を嫌う本能による抱っこ嫌い、晩成型ゆえの長い成長期とエネルギーによる暴れ方、賢さゆえの要求表現としてのイタズラ、そして痛みやストレスのサインとしての凶暴化。
これらは決して「悪意」ではありません。
むしろ、大型で賢く、愛情深いラグドールならではの「個性」です。
「思った通りのぬいぐるみではない」と嘆くのではなく、「意思を持った賢いパートナー」として接することができるなら、ラグドールは決して性格の悪い猫ではありません。
むしろ、その深い愛情とユニークなキャラクターで、あなたの生活を豊かに彩ってくれるはずです。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム