愛犬が年齢を重ねると、さまざまな悩みが出てきますよね。
「最近、愛犬の動きが気になってきた」
「将来のために関節ケアを始めたい」
「どんなサプリメントがおすすめなの?」
このように感じたことはありませんか?
私自身も日頃の診察において、犬の高齢化が進むにつれ、そのようなお悩みを抱える飼い主様の声をよく耳にします。
そこで今、注目を集めているのが「緑イ貝」です。
緑イ貝はさまざまなドッグフードやサプリメントに配合されていて、豊富な栄養成分で多くの犬の健康をサポートしていることをご存じでしょうか?
本記事では、緑イ貝の栄養成分から犬の健康への効果・安全性・与え方の注意点までを獣医師が分かりやすく解説します。
最後までお読みいただき、緑イ貝に関する正しい理解を深めるとともに、愛犬の健康管理に役立てていただけると幸いです。
目次
緑イ貝(モエギイガイ)とは?
緑イ貝は、別名「モエギイガイ」とも呼ばれている、主にニュージーランドの沿岸部に生息する貝です。
ニュージーランドでは、古くから日常の食生活に取り入れられています。
また、栄養価が高いことから「海のスーパーフード」と呼ばれ、注目を集めています。
(参考文献:Green Lipped Mussels for Dogs: How They Can Help | PetMD)
栄養豊富な貝
では、緑イ貝にはどのような特徴があるのでしょうか?
まず、緑イ貝には、
- オメガ3脂肪酸
- グリコサミノグリカン(ヒアルロン酸やコンドロイチンなど)
- グルコサミン
- ビタミン・ミネラル
といった成分が豊富に含まれています。
また、タンパク質や脂質、炭水化物といった栄養素も豊富に含まれていることが特徴です。
ただし、これらの成分は熱に弱い性質があり、どのような方法で加工された商品であるかも重要なポイントです。
犬のドッグフードやサプリメントにも広く使われている
緑イ貝は、その豊富な栄養素と成分から、総合栄養食やサプリメント、おやつの原材料として使用されています。
特に、関節や皮膚をケアする目的で作られた製品に配合されることが多いです。
また、原産国としてはニュージーランドが一般的で、同国ではその豊かな自然環境から良質な緑イ貝が育つといわれています。
緑イ貝に含まれる主な成分
では、緑イ貝に含まれるこれらの栄養成分には、どのような特徴があるのでしょうか?
これらの成分は、犬にとってさまざまな有益な効果があるといわれています。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
(参考文献:Green Lipped Mussel Benefits for Dogs | petscare.com)
オメガ3系脂肪酸(EPA・DHAなど)
オメガ3脂肪酸は、体内で合成できず食事から摂取する必要がある「必須脂肪酸」のひとつです。
主に青魚やエゴマ油などに多く含まれており、さまざまな健康維持に役立つ効果があるといわれています。
オメガ3脂肪酸には、α-リノレン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが含まれます。
これらは人やペットにおいて、関節や皮膚・被毛、脳、心臓、腎臓など、全身の健康維持に役立つことが知られているサプリメント成分です。
そのため私自身も、オメガ3脂肪酸を飼い主様によくおすすめしています。
(参考文献:Green-Lipped Mussel For Pets: Benefits, Dosage And Safety For Dogs And Cats | netmeds.com)
グリコサミノグリカン(GAG)系(ヒアルロン酸/コンドロイチンなど)
グリコサミノグリカンは、関節や皮膚などの全身に広く存在する、長い直鎖状のムコ多糖です。
GAGの中にはヒアルロン酸やコンドロイチンなどがあり、それらを摂取することで、関節や皮膚の健康維持に役立つと考えられています。
ヒアルロン酸もムコ多糖類の一種で、体内では皮膚や関節、目などに多く存在しています。
特に関節においては、関節の動きを滑らかにする役割を果たしているといわれる成分です。
グルコサミン/コラーゲン
グルコサミンは、上述のGAGを構成する成分の一つです。
そのため、グルコサミンを摂取することで、関節の健康維持に効果があるといわれています。
また、GAGと併用することで、さらなる相乗効果が期待されています。
コラーゲンも軟骨の構成成分の一つで、水を除く成分の約75%がⅡ型コラーゲン、15%がプロテオグリカンであるといわれています。
そんなコラーゲンは、軟骨の「土台」としての役割のほか、関節の健康を維持する効果も期待されています。
たんぱく質・ミネラル・ビタミン
犬の5大栄養素は、
- たんぱく質
- 炭水化物
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
であり、これらは犬の体の基礎となる栄養素です。
毎日の食事では、これらの栄養素を過不足なく摂取することが、健康維持の基本となります。
しかし、犬の体における必要な栄養素は、個体によって少しずつ異なります。緑イ貝でこれらの栄養素を摂取することで、愛犬の全身の健康をサポートすることができます。
緑イ貝を犬に与えるとどんな健康効果がある?①最大の魅力「関節ケア」
では、緑イ貝を犬に与えると、健康に対しどのようなメリットがあるのでしょうか?
緑イ貝に含まれるオメガ3脂肪酸には、関節の健康維持に役立つ効果があるといわれています。
また、コンドロイチン、ヒアルロン酸などのグルコサミノグリカンは関節軟骨の構成成分であり、関節の健康をサポートする効果が期待されています。
そのほかの緑イ貝に含まれるさまざまな成分が、包括的に関節の健康維持をサポートします。
近年は犬の高齢化が進み、関節ケアに対する意識が高まっています。
また、高齢犬に限らず、成犬でも関節のケアは必要です。
特に、日頃から運動量が多い犬などにも緑イ貝はおすすめです。
緑イ貝を犬に与えるとどんな健康効果がある?②全身のコンディション(栄養面)を支える
緑イ貝には、上述のような関節の健康維持に役立つ栄養成分のほか、豊富なたんぱく質やビタミン・ミネラルといった成分も含まれています。
これらの成分は、全身の基本となる栄養素で、健康な体づくりをサポートします。
特別な悩みがない犬でも、愛犬の健康の底上げとして緑イ貝を取り入れることも可能です。
特に、さまざまな原因で犬の体内では「酸化ストレス」が発生します。
緑イ貝には抗酸化作用をもつ亜鉛や銅、セレニウムなども含まれており、これらの成分が愛犬の酸化ストレスをケアします。
(参考文献:Green Lipped Mussel Benefits for Dogs | petscare.com)
緑イ貝を犬に与えるとどんな健康効果がある?③注目成分(オメガ3・GAG)で健康維持をサポート
では、これらの成分は関節の健康維持への効果以外に、犬にどのような健康効果があるのでしょうか?
それぞれを詳しく見ていきましょう。
- オメガ3脂肪酸
まず、オメガ3脂肪酸は心臓や血管の健康維持に対しても効果があるということがわかっています。
さらに、脳や皮膚、腎臓といった全身の健康維持に対しても効果的です。
- グルコサミノグリカン(GAG)
グルコサミノグリカンはグルコサミンと併用されることが多く、健康維持に対し相乗効果が期待されています。
(参考文献:Green-Lipped Mussel For Pets: Benefits, Dosage And Safety For Dogs And Cats | netmeds.com)
緑イ貝を犬に与えるとどんな健康効果がある?④摂取が難しい脂肪酸(EPA・DHA)が摂れる
オメガ3脂肪酸は体内で合成することができません。
そのため、食事中に含まれるオメガ3脂肪酸のバランスは非常に重要です。
しかし、一般的なドライフードではオメガ6脂肪酸が多くなりやすく、オメガ3脂肪酸とのバランスが偏る傾向があります。
理想的なオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の比率は、5:1〜10:1 程度といわれています。
しかし、一般的なドライフードでは10:1〜20:1程度であることが多いです。
すなわち、オメガ3脂肪酸は日常の食事だけでは摂取することが難しく、サプリメントとして意識的に摂取することが推奨されています。
緑イ貝を犬に与えるとどんな健康効果がある?⑤ビタミン・ミネラル補給で免疫力を保つための栄養設計
バランスのとれた食事を与えている場合でも、体調や年齢によっては、通常よりもビタミンやミネラルを必要としている可能性があります。
これらの栄養素は、免疫や消化、吸収といった基本的な体の機能にとって非常に重要なものです。
そのため、適切にビタミンやミネラルを取り入れることで、より愛犬の健康をサポートすることができます。
その反面、摂り過ぎてしまうと体内に蓄積し、逆に健康を害する可能性もあるので注意しましょう。
(参考文献:Dog Vitamins: How Do They Work, And Does Your Dog Need Them? | PetMD)
「緑イ貝 犬 効果」に関するよくある質問
Q1.緑イ貝の副作用は?
緑イ貝は基本的に安全性の高いものです。
しかし、貝に対するアレルギーがある犬に使用する場合は注意が必要です。
体質によっては、嘔吐や下痢などのほか、アレルギー反応などの副作用が起こる可能性があるため、緑イ貝を与えた後は体調をよく観察しましょう。
Q2.緑イ貝を犬に与える際の注意点とは?
まず、上述の通り、愛犬が貝にアレルギーがないかを確認しましょう。
もしアレルギーや副作用が心配なときは、少量から与え始めるとよいでしょう。
また、緑イ貝を与えるタイミングにも注意が必要です。
オメガ3脂肪酸は脂溶性であるため、理論上はフードやおやつと一緒に摂取することで吸収率が高まります。
また、フードと一緒に与えることで、嘔吐や下痢といった副作用が起こりにくくなるともいわれています。
使用する前に一度、パッケージに与え方の記載があるか確認しましょう。
Q3.緑イ貝の犬への摂取量目安は?
緑イ貝の摂取量は、その製品の形状や犬の体重、体調などにより大きく変動すると考えられます。
一般的な推奨量は、体重10kgあたり1日360mgといわれています。
ただし、これはあくまで目安で、多く摂取すればするほど効果が高まるというものでもありません。
使用する製品ごとに推奨された使用量を守るようにしましょう。
また、緑イ貝の効果を実感するには継続が重要といわれています。
多くの場合、サプリメントを始めて4~6週間以内に効果が見られるといわれていますが、数ヶ月かかる場合もありますので、長めに続けていくことが大切です。
(参考文献:Green Lipped Mussel Benefits for Dogs | petscare.com)
(参考文献:Green-Lipped Mussel For Pets: Benefits, Dosage And Safety For Dogs And Cats | netmeds.com)
【まとめ】緑イ貝は「犬の健康維持サポート」として、まずは安全に試すのが正解
今回は、関節の健康維持におすすめの「緑イ貝」を紹介しました。
緑イ貝は関節の健康のみならず、皮膚を含めた全身の健康をサポートしてくれるサプリメント成分です。
製品の形状もさまざまで、フリーズドライや粉末、オイル、カプセルなど、愛犬に合わせて選ぶことが可能です。
緑イ貝は基本的に安全性が高いものですが、アレルギーや他のサプリメントとの併用に注意し、使用する前には一度、獣医師に確認するようにしましょう。
また、原産国や製造方法に関しても確認し、使用目的や愛犬の体質に応じて適切に取り入れていきましょう。
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監修・うさパラ コンテンツ制作チーム