犬のペロペロが止まらない理由とは?病気や吐き気のサインなのか解説

   

愛犬が自分の手足や床、あるいは空中などを、しきりにペロペロと舐め続けている。

そんな姿を見ると、「愛情表現かな?」と微笑ましく思う反面、「何か異常でもあるの?」「もしかして病気や吐き気のサイン?」と心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

特に、その行動が止まらないとなると、不安はますます募ります。

犬の舐める行動には、コミュニケーションからストレス、そして深刻な病気のサインまで、様々な理由が隠されています。

この記事では、「犬 ペロペロ 止まらない」という状況に戸惑う飼い主様に向けて、その行動が正常範囲なのか、それとも注意が必要なサインなのかを見分けるポイント、考えられる原因、そして動物病院を受診すべきケースについて、獣医師が詳しく解説します。

うさパラ コンテンツ制作チーム

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犬猫ペットのお薬通販輸入代行うさパラのコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。 薬剤師 ・獣医師が在籍。

犬が空中をペロペロして止まらない場合、正常と異常の見分け方

犬が口の周りや空中をペロッと舐める仕草は、自分や相手を落ち着かせようとしたり、挨拶の一部だったりする、ごく自然な行動としても見られます。

しかし、その行動が異常なほど続く場合は注意が必要です。

特に、吐き気を感じているサインとして、口周りをしきりに舐めたり、よだれが増えたりすることがあります。

見分けるポイントは、舐める行動がどれくらい続くか、そして他にどんな症状が出ているかです。

目安として、連続して長時間舐め続けている、あるいは短時間でも嘔吐や大量のよだれ、急に元気がなくなるといった症状を伴う場合は、単なる癖ではなく、体調不良のサインと考え、動物病院を受診しましょう。

特に危険な状態とは?

以下のサインが見られたら、胃拡張・胃捻転など、命に関わる緊急事態の可能性があります。

様子を見ずに、夜間や休日であっても、すぐに救急対応可能な動物病院へ連絡してください。

  • 何度も吐こうとするが吐けない、泡のようなよだれが出る、ふらついている
  • お腹が急にパンパンに張ってきて、苦しそうにしている

また、舌を出したまましまえなくなったり、よだれが止まらなかったりする場合も、口の中の問題や神経系の異常、中毒など様々な原因が考えられるため、早めの受診が必要です。

何かを誤飲・誤食した可能性がある場合も、食べた物と時間をメモしてすぐに病院へ行きましょう。

(参考文献: Excessive Drooling in Dogs|PetMD)

犬のペロペロが止まらない主な原因

愛犬がペロペロと舐め続ける行動には、様々な理由が隠されています。

挨拶・コミュニケーション

犬は本来、相手への親愛や敬意を示すために舐める習性があります。飼い主さんの手や顔を舐めるのは、愛情表現や「構ってほしい」「ごはんが欲しい」といった要求の場合があります。ただし、あまりにもしつこく舐め続ける場合は、その行動が習慣化してしまっている可能性も。落ち着いている時に褒めてあげるなど、別のコミュニケーション方法を教えてあげましょう。

ストレス・不安

引っ越しや家族構成の変化、留守番、雷の音など、犬がストレスや不安を感じると、自分の気持ちを落ち着かせようとして、体を舐め続けたり、床や物を舐めたりすることがあります。

病気・身体的な不快感

これが最も注意すべき原因です。「止まらないペロペロ」は、体のどこかに不調があるサインかもしれません。

皮膚や耳の痒み

アレルギー、ノミ・ダニ、細菌感染などで痒い場所(足先、脇腹、耳など)をしきりに舐めたり掻いたりします。

消化器系の不快感

吐き気や胸やけを感じている時に、口周りや床、家具などを執拗に舐めること(ELSと呼ばれることも)があります。

口の中のトラブル

 歯周病や口内炎、口の中に何かが刺さっているなど、痛みや違和感から口周りを気にすることがあります。

その他の病気

まれに、てんかんの部分発作や、熱中症、体内のミネラルバランスの乱れなどが原因で異常な舐め行動が見られることもあります。

環境要因

床にこぼれた食べ物の味や匂い、あるいは特定の洗剤や芳香剤の匂いが気になって舐め続けている場合もあります。

参考文献:

Behavior Problems of Dogs|Merck & Co., Inc.

Dental Disease in Dogs|VCA Animal Hospitals

Vomiting in Dogs|Merck & Co., Inc.

どこを舐めるかで意味が違う?部位別に見るサイン

舐めている場所は、原因を探る上で重要なヒントになります。

体(自分の体の一部)

足先やお腹、お尻周り、耳などを集中的に舐めている場合は、痒みや痛みがあるサインです。皮膚が赤くなっていたり、毛が抜けていたり、ベタベタしていたり、特定の場所を触ると嫌がるなどの様子が見られたら、皮膚病や耳の病気、関節炎などの可能性があります。

家具・床・壁

ソファーやカーペット、壁などを執拗に舐め続ける行動は、単なる探索行動の場合もありますが、吐き気や胃もたれといった消化器系の不快感が原因であることも多いです。嘔吐や食欲不振、お腹が鳴るなどの症状が伴う場合は、早めに動物病院で相談しましょう。

空気を舐める

何もない空中をペロペロと舐める仕草は、不安な時などに自分を落ち着かせようとする正常な行動(カーミングシナル)としても見られます。しかし、よだれが増えたり、落ち着きなくウロウロしたりといった様子が伴う場合は、吐き気を感じているサインかもしれません。頻繁に見られたり、他の症状があったりする場合は注意が必要です。

参考文献:

Itching (Pruritus) in Dogs|Merck & Co., Inc.

Appeasement signals used by dogs during dog–human communication| Elsevier B.V.

Vomiting in Dogs|Merck & Co., Inc.

様子見は禁物!犬のペロペロが止まらない時に、動物病院へ行くべきケース

「犬 ペロペロ 止まらない」状況で、様子見をせずに動物病院へ行くべきケースをまとめます。

  • 連続して長時間舐め続けている。
  • 短時間でも、嘔吐を繰り返す、ぐったりしている、激しい不安や痛みがあるように見える。
  • お腹が急に張ってきた、吐こうとしても吐けない様子がある(緊急事態!)。
  • 舌を出したまましまえない、大量のよだれが止まらない、口から出血している。
  • 何かを誤飲・誤食した可能性がある。

これらの場合は、深刻な病気が隠れている可能性があるため、自己判断せずに速やかに獣医師の診察を受けてください。

(参考文献:Emergency Care for Dogs and Cats|Merck & Co., Inc.)

「犬 ペロペロ 止まらない」に関するよくある質問 (FAQ)

Q1. 舌をしまえない/よだれが多いのは?

A1. 口の中の病気(歯周病、口内炎、腫瘍)、喉の炎症、消化器系の不調、熱中症、てんかん発作、異物誤飲や中毒など、様々な原因が考えられます。特に、呼吸が荒い、ふらつく、泡を吹くなどの症状が伴う場合は緊急性が高いため、すぐに動物病院を受診してください。

(参考文献:Causes of Excessive Salivation|Merck & Co., Inc.)

Q2. 夜だけペロペロが止まらないのはなぜ?

A2. 夜間は空腹時間が長くなるため胃酸が出やすくなったり、周りが静かになることで不安感が増したりすることが原因として考えられます。就寝前に少量の食事を与える、日中にしっかり運動や遊びで満足させる、安心して眠れる静かな寝床を用意する、などで改善することもあります。もし嘔吐やお腹が鳴るなどの症状が続く場合は、消化器系の病気も疑われます。

(参考文献:Bilious Vomiting Syndrome in Dog and Cats|Veterinary Partner)

Q3. 犬がずっと舐めているのはストレスですか?

A3. ストレスも有力な原因の一つですが、それだけとは限りません。まずは、皮膚の痒みや体の痛み、吐き気といった身体的な不調がないかを動物病院で確認することが最優先です。身体的な問題が除外された上で、環境の変化や運動不足など、ストレスの原因を探り、それを取り除くこと、そして気を紛らわすための知育玩具などを活用することが有効です。

(参考文献:Gastrointestinal disorders in dogs with excessive licking of surfaces|Elsevier B.V.)

【まとめ】「犬のペロペロが止まらない」は愛犬からのサイン。原因を見極めて正しく対処しよう

犬が何かを舐める行動は、正常な範囲のものもあれば、注意が必要な異常のサインである場合もあります。

その違いを見極める鍵は、「何を」「どのくらいの時間」「どんな状況で」舐めているか、そして他に症状はないかを注意深く観察することです。

特に、連続して30分以上舐め続ける、嘔吐やよだれが多い、急に元気がなくなるといった「赤信号」が見られた場合は、様子見をせずに動物病院を受診してください。

 体を舐めるなら痒みや痛み、家具なら吐き気、空中なら吐き気や不安など、舐める対象から原因を推測することもできます。

 「犬 ペロペロ 止まらない」という行動は、愛犬が送る大切なサインです。

そのサインを見逃さず、原因に応じた適切な対処をしてあげましょう。

監修者コメント
監修者の写真

「舐める」という行動は、犬からのSOSサインである可能性が高いです。皮膚の痒みや痛みといった身体的な不調だけでなく、不安や退屈といった心のストレスが原因となることも少なくありません。「やめさせよう」と叱るのではなく、なぜ舐めているのか、その背景にある原因を突き止めることが治療の第一歩です。執拗に舐め続ける場合は、自己判断せず、早めに獣医師へ相談することをお勧めします。

監修・うさパラ コンテンツ制作チーム

 - 犬の健康

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